JBL SG 520 の納品前整備

JBL SG520 ご納品前整備

ヴィンテージJBLプリアンプ&パワーアンプのレストアメニューの考察。

JBL SG520 preamp USED

JBL SG520 preamp USED

先日ご成約頂いたJBL SG520は納品前整備がついている個体としてご案内したものでした。ご納品前に計測を行い、全体アナライズを行い不良部分は整備します。まず、技術担当から指摘があった部分として音色に関わる部分に日本製パーツが使用され修理されていました。

国産パーツに変更されていた部分を米国製パーツへ変更

国産パーツに変更されていた部分を米国製パーツへ変更

今回は当時のブランドの現代版などを使用します。50年前当時のオリジナルパーツはコスト的な問題もありますが、デッドストックでも計測すると規定通りでない部品が多いためなかなか使えません。

下記はノイズ原因でもあったトーンコントロール配線部。パターンは綺麗です!

JBL_SG520_ハムの原因は、トーンコントロールに敗戦から、ノイズを拾っておりました(ノイズの原因)

JBL SG520ハムの原因は、トーンコントロール配線から、ノイズを拾っておりました(ノイズの原因)

下記の写真は納品整備での交換部品。レストアではありません。ダイオード関係も熱劣化でNGでした。実はこのJBL SG520は何名かのお客様もお聴きになり、ノイズなど皆無でした。計測結果では歪率もあまりよくなく、正弦波形などは歪んでいました。

SG520の劣化パーツ

SG520の劣化パーツ

下記の下写真が調整後の正弦波となります。

JBL_SG520_スペック点検、オシロスコープの正弦波に波形もきれいに観測されました

JBL SG520 スペック点検、オシロスコープの正弦波波形もきれいに観測。

JBL_SG520_後面のヒューズホルダーが新品に変わりました。

JBL_SG520_後面のヒューズホルダーを新品へ変更。

あと、いくつかの部品が揃えば完了です。仕上がりが愉しみな一台!


JBL SG620 プリアンプのレストア

つい最近まで半年ほどかかりレストアしていたJBLSG620のメイン基板。じつはこれが超難関でした。部品が日本製とアメリカ製のハイブリッドされたプリアンプ。しかも前回修理跡の状況が悪く壊れていました……..

JBL_SG620_内部写真

JBL SG620 内部写真

このプリアンプをレストアするために輸入したトランジスタ。使用するのは僅かですが、hfe(増幅率)を測定し誤差3%以内のものを選択。

JBL_SG620_USAから大量にトランジスターを輸入、hfe(増幅率)を測定し誤差3%以内に納めます。 (1)

JBL SG620 USAから大量にトランジスターを輸入、hfe(増幅率)を測定し誤差3%以内に納めます。

下記は交換パーツですが……….結果的には、超赤字となりましたが、お客さんは到着初日からS/N比やダイナミズムなどの変化がわかられたようでした。通常これだけでやってシビアな調整をしますと25万円~コースです。。。

JBL_SG620_取り外した電子パーツの写真_1 (1)

JBL SG620取り外した電子パーツ

JBL_SG620_スペック測定、歪率、0_03%程度とこちらも優秀な成績です

JBL SG620 スペック測定、歪率、0.03%程度と優秀な成績。

調整後の歪率ですが50年前のプリアンプです!サウンドはあえて米国製の不純物が多いパーツを使用する意味は大きく、国産パーツの純度が高いものを使用するより「耳」に効いてきます!

JBL SG520 SE400系のレストアについて

過去にJBL系のアンプレストア整備、修理からSG520とSE400系のレストアが可能となりました。シリコントランジスタ製は極力シリコンTRを使用した方が良いです。これに替わるものはありませんが、出力計測した場合に左右均等な特性が得られるかはその状態次第というところ。
現在のパーツでも特性がひじょうに近いものを探す事ができましたが、お客様の要望によって使用する事になります。9月頃からメニュー化する予定です。

JBL SG520 SE400Sのフルレストアとセミレストア品

JBL SG520 SE400Sのセミレストア品とフルレストア品