追記:Mark Levinson ML-2L レストア整備録 ~9.5~1970年代プロダクツ

追記:Mark Levinson ML-2L(power amp)maintenance/整備  ~9.5

1970,1980年代の工業製品 スーパーカーvs  ML2L


ML2L 大型コンデンサーについて

ML2Lの整備録ですが、現在USAからの部品待ちです。4台ともこれで最後の部品待ちです!リレー及びトロイダル型の12本の大型平滑コンデンサー。

私個人が使用しているパワーアンプは数年前に然るべきところで、然るべき整備をしたものを購入しました(買取品を購入する事はNG)が、半年後にブツブツとご機嫌斜めとなり、天板を開けトランジスタ部等を見ると左右CHちがいを発見。平滑コンデンサーを計ると見事に1本計測不能・・・年代モノのパワーアンプは名機と言えど、シビアに見ていくと、あれもこれも、それも冗談みたいな状態。しかもその修理跡の仕事も粗が目立ちました。フルレストア後は快調です。

部品の怪しさはML2Lでもこの4台だけではありません。他でも同様でヴィンテージハイエンドはプリもパワーもなかなか良い個体がないと判断しています(聴感上ではなく、基板に付属している電子部品から追った修理履歴、回路図との部品整合性、各電子部品の実計測結果、負荷動作シミュレーション、スペック測定等)。正常動作していた機器が壊れる事はしょうがありませんので、然るべき修理・整備をするだけです。但し明らかに間違ったパーツを取り付けたりする事は・・・・・

ML2L回路図では・・・

さて、上のSPRGUE製平滑コンデンサーはML2L(トロイダル型)に装着されていた最大サイズ2つのコンデンサーですが、おかしなところに気付かれた方はいらっしゃいますでしょうか?

ヘッドシルバーでそれなりの見てくれでしたが、ML2l回路図指定の規定容量とは異なる容量のコンデンサーが装着されていました。装着可能な規格だったため、取りあえず付けばいいでしょ?的なことで交換したたと思われます。見た目はオリジナルですが、容量はちがうし、計測すると計測不可・・・・・・・・・・V12エンジンの2気筒がNGのような……..良くある事です?!

1970,80年代のスーパーカーと1970,80年代のML2L、ハイエンドオーディオ。

私の以前の趣味がレースやサーキットを走る事でした。そのためのクルマは然るべき準備をします。怠ると、数週走ると違和感が出ます。違和感が出ると、時速300Km/hからヘアピン等へのブレーキング(6速全開~2速)が超コワい!「下手するとイキます。。300Rなどの高速コーナーでも2百数十キロからシケイン。。。高速道路を250km程度で違法に飛ばす事とはまるで次元がちがう負荷。

直線はアクセルを踏めば簡単に出ますが、コーナーアプローチとコーナリングスピードが公道とサーキットでは求められる性能と耐久性が段違いな状況。サーキットの場合一般的な市販車のブレーキブレーキパッドは今の季節ですと10分ほど走ると燃えて炭化するか、フルードは沸騰して全く効かない状況。。。純正装着タイヤもショルダーから溶けてなくなるか、タイヤブロックが千切れます。実際千切ってます^^。クルマを見る時は、タイヤのショルダーから見る癖が残っていて、ショルダーでどんな運転をする人なのかわかります。

サーキットでは曲がり切れなければエスケープゾーンへコースアウトすれば良いだけですが、不安なことにF1が走れる国際コースでも全コーナーが安全マージンが充分ではないんですね。ですので、最終的にクルマのメンテナンスはGT300クラスで長年レースに出場しているファクトリーで面倒を見てもらいました(料金は常識的です)。そのためか?公道走行が苦行になっちゃいましたが^^;

「走る」事にかけての正確性や情報量はこの上ない乗り物で、一般車とは路面状況の分解能ががちがいます。たまに知り合いの市販車フェラーリ(2010年式位)や素ポルシェ(RS、GT系レース準拠車両以外)に乗ると、とても上質な乗用車の感覚。研ぎ澄まされているようで、雰囲気の上手い演出がされ、相当に安全マージンがある大人の設計に感じられました。逆にサーキットでは当時のスーパーカーではあっという間に走れなくなります。そもそも公道の仕様ですので酷な事。

若き才能と工業製品のロマン

オーディオもクルマもひじょうに近い感覚です。スーパーカーと時を同じく1970年代に誕生したいくつかのハイエンドオーディオブランドの製品は、当時のスーパーカーと比べても、相当にピーキーに作ってあるチャレンジングな工業製品です。GASやMark Levinson、一部のinfinity等は出てくる音も尖がったところがあります。ML2LやML6等は現在でも現役で活躍していますが、サーキットをそれなりに2,30分間「走れる設計」がしてあったスーパーカーはありません。例えば「サーキットの狼」の早瀬 左近の930ターボですが、試しましたが発売時のままでは走る事は危険行為です。主人公のロータスヨーロッパも純正のままなら、ゆっくりとパレード走行する位は大丈夫でしょう。

めちゃめちゃ脱線しましたが、当時の工業製品の中でもMLASはエキセントリックな攻めっぷりでしたので、間に合わせのパーツを選択したり、思慮のない修理を行うとバランスが崩れます。一旦バランスが悪くなると負の連鎖で次々と壊れる場合があります。1970年代や80年代初頭のオーディオ機器は底知れない程のロマンがありました。

ML-2Lは、F1(フォーミュラ)ではなく、ル・マン24h(ツーリングカー・レギュレーション)で走る位に攻めた設計。その攻め具合の程度が魅力でもあるわけです。ジョン・カールや若き日のマーク・レヴィンソンなど、あるジャンルの変革をなした個人の才覚で誕生した製品(製品に限りませんね)で、設計年代が気になる様なら、その個体が万全ではないという事かと思います。

70年代に登場した、スーパーカーもオリジナル部品でレストアし、心地良い速度で走ることは幸せです。走る楽しさは何もサーキットだけが全てではありません。現代のスーパーカーやサーキットモデルでは味わえないキャブレターの吸気音やエンジンの鼓動、ステアリングの反応、ドアを締める時の感覚等すべてにおいて自動車の底知れない楽しさがあります。

計測すると・・・

ML2L(トロイダル型)の平滑コンデンサー

攻めた設計のML2Lで動作していた電解コンデンサー。フルレストアという要望を受けましたので、全て取り外し計測しました。これでも12本あると音は普通に出ているんです。耳の良い方なら、このDMMの数値が音として聴こえるかもしれません。

ML2Lの回路図通りにオリジナルSPRGUE製を選択すると下記のものとなります。容量は回路図通りで余計な電流を貯める事はありません。特に低電圧で高い電流を制御するパーツも徹底的に動作シミュレーションして洗い出しましたので、実測S/N比で100dB超え、歪率が一桁低いML2Lはおそらく現存しません。今後20年近くは現役で鳴って欲しいです。

電源部平滑コンデンサー(ML2L EIコア型)

最後のヒートシンク剥き出しのNo.20.6L

現在、在庫中のNo.20.6Lも快調なのですが、この辺りのパワーアンプをご使用の方なら、将来的にはある程度の整備が必要な事はご存知のはず。例えばレストア整備の場合、トランジスタを交換も難儀で、異なるロットのトランジスタを数個だけ替える事はしませんので総数でML2Lの2倍。コンデンサーの容量も大きいでしょうし、、どうしたものか。

中古No.20.6Lの販売価格はレストア版ML2Lの販売価格(電解コンデンサー別途)とほぼ同等ですが、フルレストアすると・・・・・・ご興味のある方はご相談ください。20.6Lは一般的な代理店整備も可能ですし、2段階レストア、一気にフルレストア等も可能です。

MLAS時代のプリ&パワーアンプのご購入のご要望が非常に多く頂いているためAudio Dripperで買取キャンペーンをしております。Cello製品も買取させて頂きます。


2016年9月6日 ML2L 新品純正リレー部品が到着、装着。

USAから新品のリレー部品到着しましたので、30年程前のリレー部品と交換。電流制御が向上したのかベールが1枚剥がれたました。ML-2Lはフロント電源スイッチ側と本体側に保護リレーが入っていますがいずれも信号が流れます。

ML2のLリレー新部品:写真下

全く同じパーツがあるんですね。この1つを新品にするだけでも音の変化が感じられます。技術担当曰く音の輝き度がちがうそうです。EIコア型はこれで完成で、明日からワーキングスペースでエージングとなります。2週間ほどじっくりエージングいたします。

2016年9月14日 ML2L(トロイダル) 新品SPRAGUE到着、装着。

アメリカから航空便で到着した、1ペア分のML-2Lに装着する新品コンデンサーです。こちらはトロイダル型のML2Lに装着する12本。全て新品で左右同一ロットです。

ML2L純正SPRAGUEコンデンサー

手で持つと、、、、でかい

ML2L純正SPRGUEコンデンサー(大きい方)

4100uFのSPRAGUE。片CH2個装着されます。12本全て装着しました。トランジスタ全交換、ボード類レストアしてある状態でもかなり蘇っていたのですが、2,30年前のコンデンサーを新品にすると数段階レベルが上がってるかもしれません。こちらも来週から最終調整とエージング段階となります。

EIコア型もエージングが進んでいます。1日10時間(室温25度・湿度50%)で快調です。 


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