Marklevinson ML-2L 先行ご予約のお客さまヒアリング

Mark levinson ML-2L お客さまヒアリング

ML-2L&ML7L、No.26L&ML2L、No.26L&No.20.6L【No.32L】のセット。LINN klimaxシリーズなど


1958年のBLUENOTE盤 『Somethin’ Else』 の”Autumn Leaves”

お客さまが持参した音源4,5枚。その内1枚は、1958年のBLUENOTE盤 『Somethin’ Else』 。メジャー盤ですのでジャズ好きなオーディオマニアならお持ちでしょうか。JAZZの時代変化を捉えた1枚ですね。

1トラック目の”Autumn Leaves”は、マイルス・デイヴィス(tp)が、ドリアン・モードのモーダルな演奏を演っています。よく言われますが、、、コード進行からの発想ではなく、スケール(音階・音列)でのJAZZの初っ端ですね!この盤のコンポジションを手掛けたのはキャノンボール・アダレイではなく、コンポーザーはマイルスです。マイルス以外のメンバーはマイルスのコンポジションはあまり理解していなくて(面白くないので理解したくない!)状況下でのセッション・録音。

BLUENOTE Somethin Else 1958

キャノンボール・アダレイ(as)は、本来コテコテなバッパーで、チャーリー・パーカー譲りの【Theフレージング・マン】と言ってもいい程にアルトをよく歌わせるスタイリスト。テクは抜群です。「Somethin’ Else」の枯葉は2人のコントラストの対比がどう出るかがオーディオ的な面白さですし、音楽的にも重要。

さらにはユニゾンの妙技と即興、特にハーモニー・調性は聴きどころです。そしてその背後で演奏を支えるサム・ジョーンズ(b)のベース・ライン。これまでのハードバップ・スタイルと違い、単なるマイナー進行ではありません。マイルス同様でスケールで道を作りだし、演奏を推進させています(おそらくマイルス指示)……ただ、推進といってもこれまでのジャズのように前進というよりは深くですね。モードジャズでの独特なグルーヴ感というのはまだありません。

この盤と同じパターンは翌年1959年の「Kind of Blue」。BLUENOTE盤と大きくちがうのはビル・エヴァンス(p)がモーダルを解釈したパーフェクトなサポートをしています。特に『Blue in Green』のエヴァンスのタッチはマイルス以上に衝撃だったはずです。「Kind of Blue」でもアダレイとコルトレーンはモードを演りきってはいません。それが面白さや深さの要因でもあります。

マイルスがつくりだす、音数を抑えた中での独特な陰影感や芯を伴うモーダルな浮遊感はML7L&ML2Lが圧巻(今回のセットでは)。ミュートTPを吹いた方は一見簡単に感じするかもしれませんが、実は単調でモノトーンになりがち。さらに音数が少ない譜面で表情をつけていく事は極めて難しいことです。

アダレイのスタイルは吹け上がりパワー&スピードとパーカー譲りのアップ&ダウンが激しい抑揚の伸びは生と同じエネルギーと言ってもいいでしょう!ハンク・ジョーンズの丸味を帯びたハードバップな響き(迷い?)も聴きどころです。

ざっくり言うとビバップやハードバップは腕自慢の技をショーアップさせる作用?があり、モードは自己内省化を映す鏡のような?感じ。この辺りがMark levinson(MLAS)などのサウンドと相互作用がある感覚です。2000年代以降、911以降のN.Y.コンテンポラリー・ジャズでもMLASの特質が音楽的にも作用します。設計者と演奏者の時代背景や国柄、時代の空気は音にあらわれると言います。

………..晩年近くのマイルス。デイヴィスのLIVEを観た時も、実はこの1950年代後半同様のスタイルでケニー・ギャレット(as)に吹かせまくり、マーカス・ミラーが独特なラインを生み出し、シンセサイザーで浮遊感を深くさせた上で、マイルス本人は半歩下がって音数を抑制しシンプルなフレージングが印象的なスタイルでした。


と言う事で先日、Mark levinson ML-2Lを先行ご予約されていたお客さまがおいでになりました。

これまで、プリの比較試聴を経て、ようやくフルレストアML-2Lをお聴き頂けました!JBLモニターをお使いですので、JBL4344を移動した新しい試聴室でML-2L他20.6LなどのMark levinsonアンプをお聴き頂きご判断頂くつもりでしたが、音の響きがあまりにも芳しくないため、急きょVintageサロンへ機器類を移動しました。

Mark levinson ML7L、No.26L、No.20.6L

先日いらした2組のお客さまにも新しい試聴室の音を聴いてもらいましたが、駄目だしを受けました。。。。僕自身が聴いても、特定の定在波や音離れの悪さ、生気感のなさから平行面を極力なくす様にしていましたが、根本的に手を入れないと駄目な状況!!

ML-2L&ML7L、No.26L&ML2L、No.26L&No.20.6Lのセット

No.20.6Lをのぞいた、ヴィンテージ・ハイエンドのMark levinsonはそれ相応の整備を今年に行った個体。JBL HartsfieldとSTUDERとの組み合わせで3時間ほどかけてゆっくり試聴。LINNのKlimaxシリーズのSE/dとTwinチャクラ/dでも試聴。パワーアンプ以外はいずれも前日から電源を入れ、1セット毎に繋ぎ替えての試聴。

特にML7L&Ml2Lのセットは和音の展開がおもしろいようにわかります。後方で聴いていても、何枚かのBLUENOTE盤はONマイク具合やサックスパッド(タンポ)の開閉音やリードの具合までデフォルメするかのような演出。こちらで用意した盤では、ドラムスに10本以上のマイク音源を異なる空気成分のまま、ごっちゃになっている場合は、おかしなパースペクティブで狂ったミックスダウンがさてる事も分かりやすいかもしれません。逆に場のエアー成分と楽器の響きがビシッとそろった盤の浮遊感は極上!だいたいですが、録音場所の広さや、ブースか否か、セッションか否か、マイクはどんなか?アナログ機材かどうか?ミキシング時のエフェクト類、コンプ具合、マスターから直落としで編集したか等もおおよそ検討がつきます。

 最近、常設しているLINN Klimaxシリーズと今回のMark levinsonのセットは価格帯もちがいますので、比較する事は難しかったです。SE/dは良い音ですのでじっくりと詰めていけばその差は詰まるはず。


No.26LとML-2LはNo.26Lの良さが出たと思いますが、通電時間も短く、お客さまの好みではなかったようです。こちらの26Lも今年整備して万全の状態。No.26L&No.20.6Lは音の厚み強さにおいてはグッと来ます。安定度が高い音。ヴィンテージJBLじゃなかった場合や部屋が異なっていたら状況はちがうはず。

お客さまへは『どのセットを購入されても良いです、自由に選んでください』と伝えていましたので、場合によってはNo.26L&No.20.6Lを選ばれていたかもしれません。例えばLNP2LやJC2等があったら組み合わせが変わっていたかもしれません。

これらのアンプの個性をくっきり描き出すことが試聴室の役割だと思いますが、古いJBL Hartsfieldでもかなり克明に各機器の個性が出たような気がしています。MLAS時代を含むマークレビンソン等のヴィンテージ・ハイエンド機器は個体の整備状態差は別とした場合、優劣ではなく、一個人の好みによるものが大きいと思います。余談ですが「マーク・レビンソン」とカタカナ表記の場合はブランド名で、「マーク・レヴィンソン」というカタカナ表記の場合は個人氏名となります。


買取やご購入、他機種の修理をご依頼されているお客さまでしたので、試聴のケースとして書いてみました。N0.32LとJBL4344やALTEC等を置いている響きの良くない日本橋の試聴室でも聴いて頂きましたが、先日のお客さまと同様の感想。駄目な感想ほど貴重です!


 

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