超難関STUDER A730 不動プロ用CDプレーヤー蘇生整備!
今年から一般受注を開始しましたA730、D730、D730MK2、A727の整備とフルチューニングは1月分、2月前半分までご予約となり、ありがとうございました!
受注した中でも超難関なSTUDER A730が1台あります。
このA730は不動の個体でメイン基板の電池漏れがひどく基板内部のパターン(3層)部の内部パターンがやられて、A730のキーパーツも壊れていました。30年程前の製品ですので、随所に不具合があるのは当然です。オリジナルパーツのすべてを疑う年代とも言えるでしょうか。
上のスチューダーA730写真の電池部分(基板液漏部)付近には、A730個体を特定するアドレス・スイッチがあります。これが電池漏れから脚が腐食し、アドレス決定機能が失われていましたので不動となっていました。
まずスイッチの計測可能な5本脚をテスター等で解析し、新たなアドレスを設定します。ここは新規代替えパーツを用意し、装着するだけでは駄目で設定しなおす必要があります。(A730は複数台連結して動作する事があるため)。
設定時点でCDM3回転!操作ボタンが無反応で完全動作しないため、A730ストック用のメイン基板を装着しても動作せず!怪しいのは操作基板とメイン基板を繋ぐケーブルがNGという事ではないかと予測。
・・・ということで、STUDER 内部ケーブル新規製作
結局、下の写真の操作基板とメイン基板を繋ぐ接続ケーブル自体が腐食していたため、信号の往来が不可な状態。当然ながらパーツとしてSTUDER A730用に造られたこのケーブルは販売されておませんので、新たなケーブルとA730用の接続部分を新規に製作しました。
操作基板とメイン基板を繋いだところ無事に動きはじめました!まだ、不具合がありまして、さらに操作基板のマイクロスイッチが2個不良で操作不可状態な部分があります。
さらに!STUDER A730のメイン基板の一部は3層パターンになっています。1枚基板の中にもう1層のパターンが潜んでいます。そこが液漏れで通電不可になっています。過去にもありましたが今回のはある意味では絶望的な状況で、、、相当にハマってます(苦笑)
なので……………………
針の孔程のパターンホールを造り、潰れた3層パターンの3層部の通電を蘇らせます。ハンダも針のようなもので作業。
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3mm程の1枚の基板の表・中・裏のパターンを造りなおすという・・・電池付近なので輻輳的なパターンが走ってます。
地道なレストア整備
既存の電解コンデンサー70個以上は計測せずとも、容量抜けや液漏れがが多いため、すべてSTUDERオリジナルの新品に交換。オーディオグレードではありませんが純正レベルでフレッシュです!今回お受けしたスチューダーA730とD730 CDM3,M4の分解整備はすべて行います。交換と言う安易な手法はNG、また駄目になりますから。
超難関A730は、現在ストックのメイン基板を流用し、ある程度通常動作するところまで来ましたが、操作部の表示不具合はまだ修正できていません。
1月29日現在
上記A730は無事に再生できました。3層ガラスエキポシ製 メイン基板内に潜むパターンは電源トランスまで侵されていました。。
またA730高精度クロックver.に不具合が出たため、再度調整となりました(お客様にはたいへんご迷惑おかけします)。
昨年約30台程でしたが、今年は一般ユーザー様の整備も受付けますので、70台程のSTUDER A730、D730、D730MK2、A727,A725、EMT981をレストア整備が出来たらと考えています。ロジック系統のICも大量に輸入しています!
随時お預かりしているアンプ類の整備もご紹介いたします。フルレストア&専用高精度クロック内蔵は3台以上となりました。ありがとうございます!