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FM ACOUSTICSと Mark Levinsonプリアンプ

FM ACOUSTICS FM245 Resolution Series

1DINタイプのFM Acoustics FM245と

Mark Levinson ML1L,ML7L,LNP2Lの試聴。

FMアコースティクス FM245,マークレヴィンソンML1L,ML7L,LNP-2L,No.32Lの試聴。

Mark Levinson & FM Acoustics PREAMP

FM ACOUSTICS& Mark Levinsonプリアンプ

たまたま入荷とOH整備が終わったMark LevinsonとFM Acousticsの

モジュール形式プリアンプの簡易試聴記です。

 

John Curl (ジョン・カール) プロダクトのMark Levinson ML1L オーバーホール版

Mark Levinson ML1Lはラインモジュールに不具合があったのでトランジスタを交換しました。

モジュールケースなどはオリジナルのままです。

Mark Levinson ML1L|マークレヴィンソンML1L プリアンプ|正規モジュール

Mark Levinson ML-1Lのサウンドの印象はFM Acoustics FM245とも似ているところもあり、

面白い試聴……. 

Mark Levinson ML1L PREAMP-Overhaul

パワーアンプがLINN SOLO 1/BPとスピーカーがB&W800 MATRIX だと

ML1Lの方が落ち着きある表現かもしれません。しっとりと圧しがある。。。。

ただゲインをフルに上げていくとかなりエネルギッシュな、ちょっと”似たテイスト”になってきます。

“似たテイスト”と言ってもメーカーがちがうのでもちろんコトナリマスが。

ML1LのPLS電源ユニットはSPRAGUEを新品にしていますのでサウンドもエネルギッシュ!

 

兄貴と弟のイイとこ取りしたFM Acoustics FM245プリアンプ

FM ACOUSTICS FM245 Resolution Series

次にFM ACOUSTICS FM245プリアンプ。以前にお客様がFM155プリアンプを持参され試聴された時に、

かなりの差があるコトに驚かれていたFM245、FM255。

同一メーカーなので同じベクトルでプロダクトしていると思いますが、

薄味と勢音?というかそんな印象をもたれたようです。

ヨーロッパ、スイスのブランドは必ずヒエラルキーをつけるので順当でしょうか。

メーカー曰くFM Acoustics FM 245のコンセプトは”FM 255-MKIIの良さとFM155の良さを融合”

FM155はシングルエンド回路のみで、FM 255-MKIIは完全バランス回路です。

この2機種のいいとこ取りをしたFM245はRCAシングルエンドモード・ソースを

FM独自のバランシング回路で出力。

FM ACOUSTICS FM245|中古FMアコースティクスFM245|XLRバランス出力

同じ環境で聴くと、、、大きな”くくり”ではOLD MLASのサウンドと似ているのかもしれません。

少なくともOLD KRELLやGoldmundやJeff Rowlandやcello等とは、はっきりちがう。

傾向的はやはりOLD  Mark Levinsonの中でもJohn Curl (ジョン・カール) のプロダクトだろうか。

私的にFM245に感じるシズル感や音楽の生命力めいたものはHiのアクセントにあるのかなと思います。

ジュルっとするするような輝き感・・・FM255になるともう少し落ち着き、

FM266なるとさらに落ち着く傾向。

ここは音作り、戦略的^^な演出をしている部分だと思います。

この辺りはモニターライクではなくて、家庭でいかに音楽を楽しめるか、に照準を充てているのでしょう。

録音・マスタリングが悪い盤でも一瞬、おっ!と思うプリアンプです。

FM ACOUSTICS FM245|中古FMアコースティクスFM245 ミント

サウンドの傾向は使いこなしやケーブルなどで変わっていいくので

あくまで、この個体でこのセット、という事になります。

過去にFM ACOUSTICS FM245は3台程入荷していますが、おおよそこのイメージです。

FM ACOUSTICSのプリアンプやパワーアンプと言えばモジュール整備の不安ですが、

今ではそんなに高いわけではありません。

完全バランスのディスクリート回路をしっかりオーバーホール整備するのと

そう変わらないので安心してご使用できるでしょう。

セットしたスピーカーB&W MATRIX 800とJBL4344MK2など、パワーアンプはML2L(EI)

Tom Colangelo(トム・コランジェロ)のMark Levinson ML7L(OH整備後)を聴いてみよう

Mark Levinson ML7LはML1LなどのJohn Curl (ジョン・カール) 設計のOPアンプ&トランジスタの

モジュール式をディスクリート回路で設計しなおしたプリアンプですね。

今回のML7Lは劣化部品を交換したものでまだフレッシュです。

Mark Levinson ML7L PREAMP

ML7Lはやはり内部の電子部品の贅沢さからくるサウンドの充実ぶり!ですね。

ミッドレンジを中心に密度感は現代でも充分に通用すると思います…….というか

現代プリアンプはツッコまれないよう? おしなべて優等生な傾向がありますが、

この頃のMark Levinsonプリアンプ(消耗部品交換済、調整済)は、

メチャ好きな人達や耳が研ぎ澄まされた人がプライドを

賭けてつくったモノである事が内側から滲みでるような満足感があります。

造り手達の意志や顔が見えるプロダクト・・・。

Mark Levinson ML7L PREAMP

パワーアンプはML2L(EIコア)とのセットはとてもテンションが高く、

昨今のグローバルな理知的な製品とはちがい面白いものです^^

 

ちょうど修理・整備依頼のMark Levinson LNP-2L(後期)はどうか?

Mark Levinson LNP-2L|モジュール整備

同時期に以前ご購入頂いた、Mark Levinson LNP-2Lのモジュール整備機があったので聴いてみました!

ちなみに故障はモジュール内のトランジスタの劣化です(写真上)。

トランジスタの増幅率が左右で異なったり、悪くなってくるとノイズが出たりします。

劣化部品などは約半年前にオーバーホール整備しましたが、

計測してもモジュールの内部まではわかりません。。

 

サウンドはLNP-2Lのそのもの。私的に後期が好きです。理由はいろいろあるのですが、

例えば….自分がよく聴く現代ECMレーベルなどの表現が前期などより”好み”

ソースによっては前期タイプの方がいい場合もあります。

好き嫌いだけです^^

LNP2LはML1LやML7L、FM ACOUSTICS FM245などと聴いていても古さは感じさせません。

ML1Lと比較すると若干マイルドになった感じ・・・・基本的な回路や電源は同じですが

ゲイン切替やトーンコントロールやなどで経路が変わってきますね。

 

LNP2Lはゲイン設定でかなりコントロールできてしまいます。

Richard S. Burwen(リチャード・バウエン)基本設計の

3バンド・パラメトリックイコライザーでも変化率が高いですね。

このLNP2LはPLS153電源ユニットでSPRAGUEはほぼ新品です。

Mark Levinson LNP-2L コントロールアンプ|LNP2らしいサウンドを体験できる個体です!

今回のMark Levinsonプリアンプは直近1年間ですべてオーバーホール整備済みですが、

40年前のプロダクトなのでこうした比較は個体差なのかモデル差なのか

微妙な部分も大きいと思います。

 

じゃあ、Mark Levinson No.32Lはどうか?

Flagship-preamp-2000s-1990s|1990~2000年代のフラグシッププリアンプListen view

こちらの Mark Levinson No.32Lもマドリガル指定部品でオーバーホール整備した最終OS版。

ほぼ本来のNo.32Lのサウンドが楽しめる個体でしょう。

Mark Levinson No.32L|オーバーホール整備済|コンデンサーの液漏れが発生していました。

 Mark Levinson No.32Lは密度感があるサウンドで”ダーク”な色合いも出してくるサウンド。

明るい感じはない。。かなり出来るビジネスマンがソツなく仕事をするイメージで、

過不足ないサウンド。ある意味安心できると言ってもいいでしょう。

 

この個体は最終OS版で、劣化パーツをかなり交換したNo.32L。

意外とパワーアンプとの相性がある気がしますね。ML2Lは良い感じですが、

LINN SOLO 1/BPではかなり大人しい表現へ・・・・

試聴用 B&W MATRIX 800スピーカー

今回セットしたスピーカーはB&W MATRIX 800です。

90年代初頭に登場したB&Wのフラグシップスピーカー。

高さ190㎝程。重さ110㎏です。。

大元はモニターのMatrix 801シリーズでヨーロッパのクラシックソースの

ミックスやマスタリング用のモニター・スピーカーとしてほぼすべてのスタジオに導入されていました。

後にノーチラス801が採用されましたが、MATRIXも併用されたりしました。

現在でもグラモフォンやEMI、デッカ、CBSなど多くのスタジオで採用されています。

現場のエンジニア間ではノーチラスよりもB&W MATRIXシリーズが人気だったのは有名な話しです。

一番の良さはバランスだったそうです。

B&W MATRIX 800ネットワーク

今回試聴でセットしたB&W MATRIX 800スピーカーは非売品ですが、

アンプの個性やドライバビリティをとても良く出すスピーカーです。