STUDER A725 CD Player
オーバーホール整備&電源部強化
PHILIPS LHH2000のSTUDER版!
1980年代に登場したSTUDER A725 CD Player、スチューダー社のトップバッター。
スチューダー社(CDS)の一番最初の業務用CDプレーヤーがSTUDER A725 です。
現在ですと一般的なUSEDプライスは動作品で15~20万円弱ほどか、、
A727も同様ですね。過去にAudio Dripperへ入荷したA725、A727で
簡易に整備し販売した個体は一台もございません。
それだけ、新品時のサウンドと30年経たサウンドは大きく、とても大きく劣化しています。
その理由は出力部のオペアンプをはじめ、電源部のコンデンサー、
各基板のコンデンサの劣化です。
さらに昨今ではICの劣化やトランジスタの劣化なども顕著です。
よくお客様からヤフオクのA730はどうですか?A727はどうですか?
と問い合わせがありますが、部品取りでもよければ落札されるレベルでしょうか。
また当社にも整備済み個体がよく入荷しますが、
実際中を開けると容量の小さい20個ぐらいのコンデンサが
日本製へ変更修理されているパターンがよくあります。
STUDER A725 のオーバーホール整備
A725はデッキタイプでドライブメカごと出てきます。ギアによる駆動となります。
埃などを駆除するだけでもスムーズになります。
上記はPHILIPS CDM1の制御基板ですが、整備がしやすい造りとなっています。
ちなみにPHILIPSのスイングアーム式のドライブメカは下記のようなものがあり、
A725に搭載されたメカCDM1は写真右下のリブが付いたものです。
A730はCDM3で最近のものはCDM9や12などになります。
製造コストはCDM1やM0、CDM1 MK2などがかかっています。
今回のA725には独Rodenstock(ローデンシュトック社)の
3枚ガラスレンズが奢られています。
現在のデジタルプレーヤーSONY製でもプラスティック製の小さな筐体に
プラスティック製のレンズが付いています。
ちがいは湿度温度劣化、経年劣化の耐性にあるようです。
下記はスイングアーム部への注油。
STUDER A725 CD Playerの基板は電源部、制御、デジタル部、アナログ部、
出力部にわかれています。真ん中にはドライブメカとトランスが搭載されています。
コンストラクションはとても理詰めなものかと思います。
下の写真は操作パネルを分解し各部の劣化部を整備しました。
シャーシの錆を落とし再塗装(外側)します。
XLR端子を新品へ交換します。
左右音圧やS/N比、歪率なども充分よい結果かと思います。
今回のA725は電源部のレギュレータ&整流ダイオードなども信頼性が
高いパーツへUPグレード変更しています。
現在はとても快調に鳴っています!元々の素材にコストがかかっているので、
世界を席巻した業務用プレーヤーらしいサウンドで年代を感じさせない
サウンドに甦っているとかと思います。
スタジオエンジニアの方にも好評のA725 CDプレーヤーです!