LOVE is REAL.
cello AUDIO SUITE S.V.
cello AUDIO SUITE S.V.の2種類のCDモジュールのListen View
ページタイトルは最近よく聴き返すUlf Wakenius/LOVE IS REAL/ACTから。
参加ミュージシャンが豪華でラーシュ・ヤンソン、ラーシュ・ダニエルソン、
モーテン・ルンドというカルテットにウィーンの弦楽四重奏団が参加。
ゲストにティル・ブレナーにパオロ・フレス、ニルス・ラングレンが参加。
さて、cello AUDIO SUITE S.V.とは?
久しぶりの入荷になるcello AUDIO SUITE。今回のスイートは最終版のSVモデル。
この個体は当社ユーザ様から1年前にオーバーホール整備依頼を
お受けし70個ほどのパーツを交換。ボリュームなども分解整備。
普段はMark Levinson ML-6、cello AUDIO SUITE ⇒cello AUDIO PALETTEなどで
celloのスピーカーを鳴らされているお客様。
今回はcello AUDIO SUITE S.V.を譲って頂きました^^
cello AUDIO SUITE S.V.は、cello AUDIO SUITEの改良版で、各モジュール基板に
使用される一部のコンデンサがcello AUDIO PALETTE MIVなどで採用されたものへ変更。
フィルム系コンデサ部がメタライズドフィルムコンデンサへ変更された仕様。
・・・その意図はわかります。
またマスターパワーサプライの電源SWなども変更されている。
このcello AUDIO SUITE S.V.の大元の出どころはMark Levinson氏周辺からのもので、
2つのCDモジュールなども希少なものが付属。
このcello AUDIO SUITE S.V.の構成は2つのCDモジュールとB200ラインモジュール、
MMモジュールが入っているので合計8入力で、1系統がXLR入力、5系統がRCA、
2系統がFischerとかなり使いやすいユニバーサルな入力でしょうか。
B200はパッシブアッテネーターのETUDE的な考え方で
信号はストレートワイヤでP301へ。これが意外とスッとしていて良い!
P201 VIOLA 1MΩCDモジュール&P200 10KΩモジュールのサウンドは?
僕もこんがらがってしまうんですが、2つのCDモジュールは
『P201 VIOLA チューニング1MΩ CDモジュール』と『P200 10KΩモジュールPHILIPS&STUDER』。
いずれも希少なモジュールで、どうちがうかが興味深いところ。
ちなみに『P200 10KΩモジュールPHILIPS&STUDER』はPHILIPSやSTUDERに
限定しているわけではない感じ。実際にLINN SONDEK CD12 なども
とてもニュアンス高く表現してくれたのであまりこだわる必要はなさそう。
しかしながら、本来的にP200モジュールはスタジオプレイバック用に
使用すると標準機になるのではと思うのであると便利。
P201 VIOLA チューニング1MΩ CDモジュールのサウンド
CDプレーヤーはSTUDER D731とLINN SONDEK CD12 MK3を鳴らしてみた。
P201 VIOLA チューニング1MΩ CDモジュールはP200よりゲインが高く、
ぱっと聴きエネルギッシュに感じる。が、実際はゲインが6dBほど上がっている。
LINN SONDEK CD12 MK3で試聴盤のUlf Wakenius/LOVE IS REAL/ACTの
タイトルトラックのLOVE IS REALはメロウな曲で録音マスタリングがとても丁寧。
メインのアコギ、ベース、ブラシ(ドラムス)の位置関係が明確になり
リードギターがフロントでリッチに鳴り、ブラシが後ろで紗がかかる背景のように美しい。
ピッキングの位置関係や弦などの高さまでわかると凄いのだが、、、
パワーアンプはLINN klimax SOLOでスピーカーがB&W800。
このセット、とにかくスピーカーからの音離れがよく、下の写真だとどのスピーカーが
鳴っているか分からない状態だと思う。試聴用スピーカー間は約10m離れている。
理想的ではないけど、、、力がないプリアンプ~システムだとこの間・空間が埋まらない。
劣化した部品がかなりあるアンプだと面白いほどスカスカになり平板な表現となる。
なのでプリアンプやパワーアンプの実力がとてもわかりやすい。
・・・そのせいでオーバーホール整備をするケースが多いのも事実。
cello AUDIO SUITE S.V.に搭載されたP201 VIOLA チューニング1MΩ CDモジュールは
しっかり定位し、各楽器が聴き分けやすく、おそらくマスタリング通りのレイアウトが伝わってくる。
混濁感がないモジュールと言えるだろう。しかし盤によっては厳しい響きもノルことがある。
品質がいいプロダクトのKari Bremnes盤の彩りは具合は流石!ボーカルの温度感や発声、
サイズもビシッとニュアンス豊か。音数が多い。とメモ。
新しい録音マスタリングや2000年以降のJAZZやポップス系、
編成の大きなクラシックなどは総じて良い感じがする。
しかし、Jascha Heifetzの1935年の録音盤などは厳しい、
というより録音年代がなんとなく新しく感じる。
モノラルソースでオーディオ的には正確なんだと思うが戦前の時代感が今イチなのかも。。
・・・これをそれなりの空気感で出すにはシステム全体を調整する必要があるのだけど。。
P200 10KΩモジュールPHILIPS&STUDERのサウンド。
このcello AUDIO SUITE S.V.のユーザの方はこちらの方が断然好きだとおっしゃっていた。
たしかにその理由はわかる。P201 VIOLA チューニング1MΩ CDモジュールよりも
”暗さ”がありゲインが低い分ニュアンスと陰影感がでる?気がする。
Tom Colangeloがチューニングした入力アンプ(モジュールというよりアンプ)と
Mark LevinsonがつくったP200 10KΩモジュールPHILIPS&STUDERアンプ。
・・・モジュールという表現が通常だけど、内部をみると完全バランスアンプで、
最終のSV機では630,000円となっていますが、今作るとかなりの価格になるはず。
いずれにしろ入力アンプでOLD MLAS時代の集積回路のモジュールとはちがう。
余談になるがおそらく、、cello AUDIO SUITEの発想はディスクリート回路で世界のスタジオを
席巻したNeve Electronicsを意識したのだろうと思う。
以前に取引があったあるスタジオに導入されていたNEVEのコンソールは1列1億円。。。という
なかなかのモノだった。STUDER A810デッキなど多く取引させて頂いた・・・
バウエンやジョン・カールのモジュールからの脱却を図ったのが
スイートやパレットなんだとうと推測。
P200 10KΩモジュールPHILIPS&STUDERモジュールは
先述の一部フィルムコンデンサがそのまま使われていて集積回路化されてなく、
順然たるcelloのディスクリート回路となる。
たしかにP201 VIOLA チューニング1MΩ CDモジュールよりも見通しが落ちるが、
その分、ボーカル帯域の密度感やグラデーションが豊かにも感じる。
さらにJascha Heifetzは断然こちらのモジュールが好きなサウンド。
狭いスタジオ感と時代感を偲ばせるサウンドの片りんがある。
この辺りは流石にcello AUDIO SUITE S.V.と言えるだろう。
・・・STUDER D731とLINN SONDEK CD12 でヒアリングした結果、
「PHILIPS&STUDER」モジュールの優位性はわからなかった。
P201 VIOLA チューニング1MΩ CDモジュールとP200 10KΩモジュールPHILIPS&STUDERでは
プリアンプがちがう位にちがうと言える。
またB200のRCA入力モジュールはETUDEの超高品質版として使用できると思う。
RCA入力が5系統あるのは便利。
■cello AUDIO SUITE S.V.のプライス
メインシャーシ63万円、マスターパワーサプライ73万円、P301アウトプット94万円、P201 CDモジュール63万円(別途VIOLA社チューニング )、P200 CDモジュールXLR入力 63万円、B200 RCA入力モジュール32万円、MMモジュール63万円 合計 定価¥4,972,000(税込)
今回、現在整備中のcello AUDIO PALETTE MIVなどと聴き比べできると
より興味深いことになっただろう、なと思う。
過去にcello AUDIO SUITEとcello AUDIO PALETTEでは散々やったので、、、、
その時と同じような結果か否か興味深いところ。
クルマの世界ではヴィンテージハイエンドカーの価格はほどほど程度のR34GTRで
2千~3千万円ほど。F40では1億円から。。。空冷の役物964RSや993RSで2千万円OVER・・・
で業者間で取引されている現状からオーディオ環境を眺めると
cello AUDIO SUITE やcello AUDIO PALETTEは考えようによって・・・
さて……..甲府店のヒアリングスペースはサウンドをサポートする音響パネルはなく
コンクリートや断熱材だけの響きの悪い空間・・・・
それでも良いアンプや蘇ったアンプはスピーカー間、約10m×3mのサウンドステージを
モノともせずにイキイキと音楽で埋めてくれる。
しかも前後5mほどの奥行もしっかりペースペクティブをつけて……….
それはリアルな音楽の現場のように。
cello Reference series はリアルで、エネルギー感に満ちていることはまちがいない。