celloと29才女子の共通項。
オーディオの魅力を知るは何もオトコだけのものじゃない!
「人生の買い物リスト」から、
ご自分と同い年のcello ENCORE アンプを選ぶ女子。
Audio Dripperのお客様は大概の方が酸いも甘いも知った錚々たる大人の方々。しかも大抵の方は【凄い】システムや個人としての背景を持たれている方が多い。たしかに完全予約制で試聴においでになるから、ある意味では魑魅魍魎の世界に飛び込むだけの”場数”を踏んだ度胸を秘めた方が多いと言えるかもしれません。
その替わりに店頭ではあるけれど、お客様が持参された音楽ソースの録音現場の違いやマスタリングエンジニアや機器の違い、マイクのちがいなどを通じて、ターゲットにしたオーディオ機器の特徴を掴んでもらいたいと思います。
さてオーディオはパーソナルな趣味なので誰かにどう言われたとか、あれが評判イイとかは関係なく、そういう事に右往左往しているといつまでたっても自分の音が見つからずに彷徨ってしまう事多々。その彷徨うことも楽しさの一部ではあるけれども本質ではないです^^;
今回のお客さまは猛者の中ではめずらしい29才女子・・・・・しかも耳が凄まじく良い方。JBLオリンパスは現代ハイエンドスピーカーの特徴も知って、あえて、選んでます。
「人生の買い物リスト入っている」
昨年の晩秋、格子柄のJBL Olympus初期とMark Levinson、STUDER A730レストア版など一式を買われたお客様、今年に入り537-500&JBL375OLD、そしてJBL Delphiサイドボード、そして初期cello ENCOREプリ&パワー。すべて29才のお客さまが選ばれた。
お客さまは着物屋をやってられる方で着物でも来られる。ご商売をされているせいか選ぶ目はシビアであり確か。例えばJBL Olympusは初期キャビネット&デルフィ。cello ENCOREのセットも複数のお客様が手を挙げられましたが一番速かった。そしてこれらのモノは「人生の買い物リスト」に入っているモノだそうだ。
考えてみればオーディオに限らずモノに限らず、僕らは常に何かを選択をして生きている。今日一日を思い返してみてください。そうすると「選ぶ」とは生きることであることが腑に落ちるはず。例えば新しい才能溢れたピアニストをyoutubeで知って、CDを購入する、ファイルをダウンロードする。LIVEへ行って、ご本人と話す。どんなTV番組を見るか?その番組を見てもっと深堀して原作を読むか?仕事も然り(ここが一番難しいかもしれまえんが^^)。
いずれのシーンでも「選ぶ」ことで時間を享受し、その時間や経験の分だけ自分の個性が磨かれてゆく。個性が磨かれると知る世界も広くなり、さらに深くなったりする。人生とは選ぶことでいかようにも伸縮するものかもしれない(書きながら考えてます^^)
JBL Olympusやcello ENCOREセットなどを選ばれた29才女子は「私が人生で買うものの買い物リストに入ってます」とカラッと笑った。おそらくたくさんいらっしゃる20代女子の中でもかなりクレバーな方である事には変わりない。そして…………..これらの銘機のセットアップは旦那さんのご担当。でも、やけに楽しそう^^
さて、本題は初期cello ENCORE のセット。
今回のcello ENCOREは最初期モデルで、celloアンコールは1MΩを含めて4バリエーション(GOLD.ver含む)もある。初期cello ENCOREとcello ENCORE 1MΩ(Ⅱ、Ⅲ)とは微妙に異なる温度感がある。これが個体差なのか回路から来るものかは、整備前の段階で明言は避ける。製造から20年以上経たものが整備次第でガラッと変わる。クルマが最たるものです。オーディオも遠からず。
バージョンのちがいは良いor悪いではなく設計発売当時の考え方の違いで【どっちが好きか】というところ。ただプロダクトの初期というのは得てして設計者の企みが色濃く出る、後期はマーケットのフィードバックから普遍的な良心がバランスされる。
cello ENCORE PREAMP&cello ENCORE Poweramp
cello ENCOREの場合は電子パーツや回路基板を見ると一番コストがかかっているかなと思うのは初期から2ndあたり。その理由はいろいろありますが、一つ挙げるとすればカップリングコンデンサー。ここ最近入荷したヴィンテージ・ハイエンド・プリアンプの中でも音楽の情景を色濃く描くなんとも言えない魅力がある。これは回路もあるがふんだんに使われた左右別々のバランス回路のアウトプット回路にあると考えられる、そしてのそ回路に使われている贅沢なあるブランドの「カップリングコンデンサー」達。
今回このcello ENCOREのプリアンプとcello ENCOREパワーアンプのセットは整備後の納品。これに関しては高価だった販売価格の何割かはこの整備と整備に関するオーダリングにあります。コンセプトは普通に『世界一のcello ENCOREに仕上げる、極力純正で』。理由はこれを選んだのが女性だからではなく、この価格の意味を選択されたからです。
現在のサウンドは特にパワーアンプは25畳程のエアボリュームならJBL DD66000を駆動。これからの整備で左右のフォーカスバランスや分解整備などでサウンドの精度を高める事ができるはず!
モノとしてのcelloアンプ。
ピュアオーディオは極めてパーソナルな趣味なのでどれを選んでも”引きずる後悔”がなければ間違いはない。celloアンプの特徴は引いたデザインやあの手触り、アルミヘアライン・アルマイト仕上げの質感など絶妙な妖しさがある。フロントパネルなどの薄さなど美人薄命じゃないけど、引き算の魅力がある、最近ではMark LevinsonML-6にも共通する(このアタリの感じは分かる方にはわかるハズ^^)……..cello、プロダクトであるに関わらずそういう色気を感じさせるものは数少ない。決して繊細なだけで終わらないテンションがある。
お客さまがJBL Olympus初期を選ばれた時にたまたま鳴らしていたのがcello ENCORE 1MΩLでその時のヴォリュームの感触が独特だったそうだ。さらにウッドケース。パワーアンプのウッドケースはとても珍しい。ちなみにこのセットはRFエンタープライゼスN代表のご友人が買われたOneOwner品。個体セレクトはN社長だったそうだ。
ところで、フロントパネルの「cello」というブランド名のエッチングはノーブルな雰囲気の20代ブロンド女性が担当だった。初期cello ENCOREが生まれた頃に生まれた日本の29才の女性がcelloを選ぶ不思議な御縁。
今後cello ENCORE Preampとcello ENCORE Powerampは整備にはいります。このページでご紹介していく予定です。
Audio Dripper COO 清田亮一