cello Encore 最初期モデルの、
オーバーホール整備。と、
Jeff Rowland COHERENCEやMark Levinson LNP-2Lとの簡易レビュー
チェロ・アンコール初期モデルの整備
これまで30台ほど行っているcello Encoreのオーバーホール整備。このモデルは製造から20番目ほどの個体。
他のアンコールと異なる部分は電源部のコンデンサ。ちょっと余裕?があります。
トランスのサイズもちがうかもしれません。
整備前にNGだろうなと思った箇所以外にも可変抵抗器なども念のため交換しました。
本体の出力系回路のコンデンサは破損していました。基板などは大丈夫です!
常時通電されて使用される事が多いプリアンプだと思いますが、発熱が著しく高いわけではありませんが、
やはり熱の影響を受けます。特に昨今の夏の気温は高く、留守中の通電時の筐体内温度は高くなり、
製造から10年以上経たコンデンサには過酷な環境と言えるでしょう。
できれば聴かれる2時間ほど前に電源を入れて聴かれる方が電子部品は長持ちすると思われます。
前オーナーの方はワンオーナーで所有され、とても大切に扱われていたことが本体の外観、
メールのやりとりや付属品でわかります。
過去適切な整備アドバイスがあれば良かったかもしれません…………
電子部品の他ボリューム関連、基板、シャーシなどすべてチェックしました。
ほぼ新品時の性能まで戻った初期アンコール・プリアンプです。サウンドも初期の充実した回路を
感じさせるサウンドかなと思います。かなりエネルギッシュな面もあります!
・・・もう少しレンジ感や繊細さが欲しい場合はcello Encore 1MΩ L2などが面白いかもしれませんね。
ヴィンテージハイエンドプリの簡易レビュー
たまたまJeff Rowland COHERENCEやMark Levinson LNP-2L(オーバーホール整備)、
今回のcello Encore初期(オーバーホール整備)プリアンプが集合したので聴いてみました。
3台聴いていくと各々とても個性的でJeff Rowland COHERENCE(代理店整備・測定)の
磨かれたようなサウンド、ピラミッド型の安定感、立体感はハイエンド隆盛の時代を感じさせるさものですね!
クラシックソースは品格を感じるものです。ボーカルソースの色気や儚さの表現などもハッとするものですね。
Mark Levinson LNP-2L(初・中期)は変わったモデルで初期と中期の間ぐらいで
RFエンタープライゼス取扱の正規品ですが、初期のソノリティと中期の充実したミッドローが
両立したようなサウンド。電源部ブロックコンデンサがフレッシュなので、
本来の力があります。LNP2Lはユーティリティの高さと佇まいの良さは今も色あせないと思います。
cello Encore 最初期はエネルギッシュ!繊細さよりもそう感じます。
ハイからローまでの密度や艶っぽさがこの価格帯であるか?と思いました。
実は一緒に聴いた同時代の国産プリアンプ(メーカーOH済)との差があまりにあって驚きました。。。
好みだからなんとも言えませんが…..静けさや色気、抑揚、ソリストと背景の表現、光と影など
圧倒的にcello Encoreが大人で音楽的だったと思います(これはお客様の感想)。
「え、こんなにちがうんですね・・・・」
「好みです。これを好きな方もたくさんいらっしゃいます」