VIOLAモジュールでチューニングされた、
cello SUITEのオーバーホール整備。
VIOLAパーツのチューニングcello SUITE
cello SUITEにはチューニングメニューがありました。VIOLAモジュールを活用したもので
各モジュールなどの回路に登用されたりします。
またマスターパワーサプライのトランス容量をより大型にしたりするものです。
今回ご依頼頂いた個体が上記メニューが施され、おそらく過去に2回修理された跡があります。
下記は出力モジュールP301です。過去に国産コンデンサへ変更されています。
このコンデンサ自体は日本製らしくピュアでいいコンデンサですが、ヴィンテージハイエンド機に入れると、
音色をスッキリさせる個性があります。
当時のSPRAGUE製と交換した場合、私的に違和感を感じる部分でしょうか。
表側に見えているのは片チャンネル分です。RIFA製メタライズドポリプロピレンフィルムコンデンサーは純正のままです。
P301の出力モジュールの物量・・・・驚きますね。これだけで1台分のプリアンプぐらいはあります。
しかもバランス回路なので4層構造です。
純正コンデンサはSPRAGUE製ですが、当初から付いているものは、電解液が漏れていたり、
ケース破損しています。下記は同時代のcello Encoreで使用されていた未交換の純正部品(SPRAGUE製)ですが、
ケース破損しています。これは珍しいわけではありません。
サウンドは一瞬聴きやすいですが、総じて覇気がない感じです。
オーバーホール整備後の個体と比べるまでもありません。とこのまま使用していると基板破損になりますね。
上記はアンコールプリアンプ、下記はスイートに使用されていたコンデンサですが両方とも破損状態が酷いものです。
ちなみにチェロに使用されているコンデンサは当時の最高峰です。他メーカーのプリアンプはでもほぼ同様です。
現在SPRAGUE製がない場合は、Vishay/Roederstein製が音色的にも良い結果かと思います。
下記はP200モジュールですが、過去の修理時に国産コンデンサへ交換されていますが、
液漏れし基板が濡れていた状態でした。
下記の201モジュールは純正コンデンサのままで電解液で基板が濡れていました。
整備が終了した各モジュール。すべての電解コンデンサを交換しました。
プリアンプ2台分ぐらいでしょうか・・・10年程は大丈夫だと思います!
電源部も大きなブロックコンデンサと電解コンデンサを交換しました。
下の写真は通常のマスターパワーサプライです。トロイダルトランスのサイズがちがいます。
今回のcello SUITE…….かなり劣化が進んだパーツもありました。
各モジュールの電解コンデンサは交換されていたもの含めてすべて劣化していました。。