JBL 4350AWX エンタテイメント・モニター!
JBL 4350AWX アルニコ 米松キャビネット版を聴いてみよう!
数日前に到着していたJBL 4350 AWX、早く鳴らしたかったけど、あまり時間がなく
店休日の日曜の午後から夕方にかけてようやく、じっくりセット。休日出勤^^
試聴ルームの隅から真ん中へ。程よいサイズ感と重量感(一人で動かせます)
本来はもう少しウーファーを床から離したいところだけど。
以前はスチールスタンドを製作したりした。
JBL 4350AWXのコンセプトとは?
さて、JBL4350はどんなニーズから生まれてきたのだろう?と考える。
「スタジオモニター」と言うからには、やっぱりスタジオからのニーズだろうか?
にしては、大きなバッフルに4WAYというモニターらしからぬプロポーション。
正直ブルーバッフルの色味はあまり好きではないが4350の青はカッコいい!
昨今のアルミ削り出しキャビネットや最先端振動版などの『ボク、一切、共振させてません!』みたいな
昨今のピュアリストの対極をゆくようなJBL 4350 AWXの出で立ち。。。。
すこぶるヤクザなスピーカーがJBL4350AWXだろうと思う。米松キャビは鳴りまくる!
現代の音響理論を無視したかのようなユニットレイアウト。
タイムアライメントみたいな細いコトはアウトオブ眼中!
しかも6つもバスレフダクトがあり、それはペーパー製だ。
4350には音が悪くなる要素がいっぱいある。ツッコミどころ満載^^
だいたいの4350は狭い場所に押し込まれバッフル面から盛大なサウンドシャワー・・・
今時ではない・・・誰もそれを言わないがw
でも、化ける要素がマックスなのもJBL 4350 AWXで、そういう体験を何回かしている。
4350に家庭用みたいな、コンセプトがあったか?
マルチアンプ絶対なのでそれは怪しい。
おそらく西海岸~ハリウッドなどの現場からのニーズが多少あって、
ジムラン時代のオリンパスなどの古くはC31やD1004などのダブルウーファーシステムなどを
思い起こさせる?大規模な4350モニター。4343をスケールアップしてみた感じか。。
このJBL 4350AWXのコンディションは?
4350は年代が経っているので汚いヤレた個体が多い現状………エッジが草臥れて、
朽ちた個体はキャビネットも湿気を吸って駄目なモノが多く、とにかく汚い。
4343や4344なども同様でそういう個体は興味が失せる。特にスピーカーは微妙だ。
その手のジャンクは、そういうモノとして安く流通している。僕らは扱わない。
安いモノには理由があるので、整備前でも汚い個体は嫌いなので仕入れない。
アンプもだが、とにかく”生きた個体”で、なおかつ美しいコト。
この43540は年代を考慮するととても良い状態のJBL 4350AWX。
この個体のキャビネットには細かい傷はあるけど修正しません。
もちろんスピーカー端子や内部配線もJBL純正のままです。
(過去にキャビネットは様々な修正整備を記載してますのでご参考ください、なんでもできます^^)
JBL4350AWXはHi-Fiスピーカーとして、今はどうか?
JBL 4350AWXはオーディオマニアにとっては今でも取っ組みがいがあるスピーカーだろうと思う。
最初はなんじゃコレ?っていうくらい音が悪いかもしれない。
僕も10年前ぐらいにJBL4350ASF(グレイ)タイプをCROWNや Mark Levinsonで鳴らしてました。
4435、4340、4343(4台)、4345、4425(2台)、4320(2台)、4331、過去に鳴らしたJBLモニター。。
その中でも4350の最初の音出しは悲惨で、半年ほどで聴ける感じになっていった記憶。
ある時点では地獄の底で聴く低域(ヘンな表現ですすが)はこんなだろうという感じまで
鳴ってくれた。とうぜん10インチダイアフラムドライバーも鳴らし切って・・・
・・・とにかく、大きなバッフルからの音離れを格段に上げる事が必須!
甲府ANNEXにはスピーカーが若干多く、あまり良い環境ではないのだけど、FM ACOUSTICS F10Bや
LINN SOLO、cello、 Mark Levinsonなどで鳴らしてみようと思う。
マルチアンプで重要なアイテムが「チャンネルデバイダー」。
ボリューム回路(増幅)があるので、音色にも影響を及ぼしがち、、、
過去に国産の有名なデバイダーを使った時の事。
どう頑張ってもサウンドがとても面白みがない事態から脱却できなかった。
好きなデバイダーはKRELL、UREI、 Mark Levinson、エレボイ辺りのもの。
デジタルデバイダーも良いものは良い(スロープやタイムアライメントの自由度)。
パワーアンプ その1 FM ACOUSTICS F-10B のセット
JBL4350AWXは全ユニットがアルニコ磁石で特に10インチダイアフラムの2440(375)をはじめ、
2231A,2202Aなど鳴らすのに厄介なユニットがごっそり付いている。
最初にセットしたFM ACOUSTICS F10Bでスピーカーは床置き状態にも関わらず、
手前のYG Acoustics Carmelや2000年以降のJBL S9800WGとそう遜色がない鳴り方をしたJBL 4350AWX。
プリアンプが Mark Levinson No.32Lで上流からスピーカーまでフルバランス接続。
FM ACOUSTICS F10Bはシングルプッシュでサウンドステージが精緻に表現できるパワーアンプ。
でもこのダブルウーファーをコントロールできるか、が問題になる…….なるのだが、実際にセットし鳴らすと、
かなりドライブしている、最低域は緩め、ベースアタックやバスドラのアタックから震える様子がかなりリアル。
巧い表現をしてくれる、ニクイいと思う。
12インチ&2440&2405の帯域はシズル感が良く出る。
そして奥行感は細身なYG Acoustics Carmelと同等程度に出ている!ちょっと驚く。
気が利かないデカく、90㎝程の低いバッフルのはずなのに、
天井近くまでサウンドステージが拡大し奥行感が出る状態の4350AWX。
FM ACOUSTICS F10BはFMアコースティックスのエントリーモデルだけど、
サウンド・キャラクターはFMならではのもので、プリアンプのFM245やFM255などに
共通しているサウンドキャラクターがJBL 4350 AWXからもわかる。
特にハイのアクセントがFM特有でJAZZのシンバルが活き活きしてくる感じ。
パワーアンプ その2 LINN SOLO 1/BPとLINN TWIN CHAKRA パワーアンプのセット
FM ACOUSTICS F-10Bからガラッと変わるサウンド。はじめにSOLOでウーファー2231Aをドライブし
ハイをLINN TWIN CHAKRA。ウーファーは十分なスケール感と筋肉質なサウンド。
ハイが若干細身なスッキリ感。
逆パターン。LINN SOLO 1/BPをハイにし、LINN TWIN CHAKRAをローに。
分解能的にもサウンドステージも余裕が出てくる「ハイ」。2231AをドライブするLINN TWIN CHAKRAは
そう悪くない・・・・こちらのパターンの方がバランスがいい。
パワーアンプ その3 LINN SOLO 1/BP&FM ACOUSTICS F10B×JBL 4350AWXのセット
今回個人的に一番好みかな…..思ったのが、ローにLINN SOLO 1/BPのモノラルパワーアンプ、
ハイにFM ACOUSTICS F10Bというパターン。
個性がちがうパワーアンプですが、合わせた際の愉しさはこのパターン!
土台がしっかりしハイにアクセントが付く。JAZZなどはシンバルレガートは
現代ハイエンドスピーカーの25㎜トゥイーターでは絶対に出ないだろうと想像する重高音^^
ハイハットのパフっという音、床鳴りもスーパーリアル。
ハイをシングルプッシュのFM ACOUSTICS F10Bにする事でとても精緻な前後感で、
シズル感ある鳴り方でマルチアンプならではの楽しみ方ができる!
なにはともかく、JBL 4350AWXは音楽をドラマチックに鳴らしてくれる。
創造力の熱量や醒めた感覚、ある種の狂気。
僕が以前鳴らしていた4350で聴いたマーラーのシンフォニーでは地獄の底を
感じさせるホールトーンを思いだした。マイルス・デイヴィスの孤独を聴いた。
JBL 4350AWXはそういうスピーカーで、
分解能がぁ・・・とか、S/N比がぁ・・・とかいう現実世界のリアルな音楽では
感じる事のない疑問はあまり関係なく在る存在と言える。
パワーアンプのセットはcello PERFORMANCEとcello PERFORMANCE2(お客様ご予約品)の2セットや
Mark Levinson No.20、ML2Lなどもセットしてみようかと。
ひさしぶりのJBL 4350 AWXはやっぱり楽しい!!
ご試聴日時:水・木・金・土 13時~19時30分
電話|東京 03-5809-3401 , 甲府ANNEX 070-5081-8877
メールでお問合わせ info@audiodripper.jp
Visit is a reservation system
■ご試聴は1組様だけでじっくりお聴きできますので事前にご予約ください。