KRELL KRS2 コントロールアンプ・フル整備
KRELL KRS2の整備ログです。1980~90年代オーディオに勢いがあった、
と言われた時代のKRELL・クレル・リファレンスシリーズのコントロールアンプです。
当時のパワーアンプも弩級でしたね!
KRS2もサウンドは厚く、人によっては熱すぎと感じる方もいらっしゃるかもしれません。
内部パーツをフレッシュにして向う10年お聴ききできるよう整備します!
上記写真のKRS2はコントロール部、電源部、トランス部の3筐体になっています。現在このようなプリアンプを生産するとおそらく当時の2倍以上のコストがかかるのではと思います。現在、ご購入されたお客様のご要望でレストア整備を行っています。
KRELL KRS2 プリアンプ メインボード整備
上記はメインボードに付属しているコンデンサーで内部で左右ch各々4個計8個すべてNG部品となりました。これがEROメタライズド・ポリカーボネイド・フィルムコンデンサー(MKC1862)等だと当時の定価がグッと上がったのかもしれません。
KRS2の前々モデルのクレル PAM2にはおそらく10μFのものが左右2個づつ搭載されていましたが数が少ないんですね。KRELL最初期モデルは3個づつでした。実は回路が似ていますがコンストラクションの違いからKRS2と考え方の違いがわかります。音色もPAM2時代とは異なり、グッと力強さが出てくる傾向があるようです。
PAM2の左右振り分けが奥行方向に左右CHが並びます。ボリュームは左右独立した1連からステレオの2連となります。基本的には同一です。取り回しなどから音質差はでてくるかもしれませんね。
メインボード部の劣化部品。米から輸入したVISHAYドイツ製コンデンサーへ交換。小型ヒートシンクはFET用です。基板や搭載部品などを見ていると当時のKRELLは健全で良心的なメーカーであることがわかります!
KRS2スペクトロールボリュームの状態
全体をバラしボリュームの状態を計測。いくつかの点でガリが発生しました。
当時のクレル最高峰だった完全左右別筐体のKRSになると、コントロール部なのにちょっとしたパワーアンプ並みの大容量のカップリングコンデンサーが左右で8個入ります。その部品は形状から十数年で経年劣化が出てくるタイプのものです。KRELL KRCあたりからガラッと変わり、ICチップが増えます。OLD KRELLにも時代変遷があり、Mark Levinson以上にサウンドの傾向がことなり、合わせていく楽しみもあるプリアンプ・シリーズですね。クレルの当時のオーナーはDan D’Agostino(ダン・ダゴスティーノ)でモデルによって個性が際立つ面白さがありました。
2017.3.28. KRS2 ボリュームの分解整備
スペクトロール製2連ボリュームからのガリが取りきれないため、分解OHする必要があります。
2017.3.30. KRS2 調整箇所
Krell KRS2の調整箇所は、、、、なんと14箇所もあります。
ちょっと、相当に難儀な作業です………………………..