音楽都市.2 LINN KOMRI Review
LINN CD12 MK3 CD Player&LINN Klimax KONTROL&SOLOシリーズ、
PHILIPS LHH2000もセット。
LINN KOMRI のサウンド。
まずは配送時の破損などの確認のためLINN KOMRIを
JBL S9800の隣にセットしてまずは音出し。
1時間ほど聴かずに音出し。
………..正直、あまりパッとしない。
こんなハズはない。。。。。。。。
曇り空のようなくぐもった音。
翌日お客さんが他機器のご視聴にB&WやJBLではなく、LINN KOMRIを選ばれた。
試聴後に昨日入荷したことなどを説明。
御世辞か,,,『30分ぐらいでどんどん音が良くなってきました』と感想。
変化はあったが目的の機種の比較も出来たとの事で良かったですが、、、
試聴室奥のデスクで聴いても試聴機器(デジタル機器)の差がかなり分かる鳴り方。
ソースの癖などもよく伝わってくる・・・
お客様のご試聴が終わった夜から木製ベースに載せ、スパイクで固定。
これだけでもかなりの変化。
さらに仰角をつける。視聴室との相性はこの方が音がワイドにオープンに開かれる感じで良い。
ソナスのメメントより仰角はないがスピーカーが若干、上を仰ぐイメージ。
スピーカーケーブルをMark Levinson/cello純正からバイワイヤリングのPADへ交換。
本当はスピーカー間をもう少し開けたいが後ろは壁面から3m。ワイドは2m以上開くセット。
入力機器はLINN SONDEK CD12 24bit MK3、プリアンプをLINN klimax kontrol SE/dps、
パワーアンプはLINN SOLO のオールLINNのシステム。個人的にとても好きなセット!
このセットより凄いセットはたくさんあると思いますが、、、
音楽が大好きな子供でも、どなたにでも高品質なサウンドを保証するセット。
そして、このフォルム!!アルミ削り出しのクールなエスプリ感が今もカッコいい。
LINNのシステムでほぼ丸一日鳴らし、びみょーなセッティング変更。
トライ&エラーはオーディオの醍醐味で、何かを変えると、変わる。
高価なケーブルを使用するとそれ相応に変化量が出てくる。
ラインケーブルなどは1メーターあたり3千円しないものばかりを使用する。
それでも変化していく。
たくさんの変化の中から自分の好きなサウンドとピタッと合う(探す)。
スピーカーの音像やサウンドステージのサイズ感に関わる一番大きな変化は
”スピーカー間”と角度、聴く位置など。一度セットしてから馴染むまでの時間や微調整などを
考えるとパッとは無理で、じっくり楽しめる要素じゃないかと思います。
今回は距離などはBOSCHなどのレーザー計測器で簡易計測。
試聴・・・・・Gilad Hekselman/HOMES/Verona
さて、短い葛藤で…ようやく鳴りだしてきたLINN KOMRI。
一番最初と比べてもかなり目覚めたLINN フラグシップ!
Gilad Hekselman(ギラド・へクセルマン)/HOMESの節々で
おっと!思わせるサウンド。2トラック目、上の動画『Verona』冒頭シンバルのシズル感、
パフっとなるハイハット、ジュワーんとなる真鍮感、、、空気が揺れるようなバスドラ。
2010年辺りからの世界に漂う空気感・・・浮遊するモーダル・ロマンなコンポジション。
派手な演奏ではありませんが、この演奏の陰影感が巧く提示するスピーカーそう多くなく、、、
あっけらかんと鳴ったり、何やっているかわかりにくかったり潰れたりするものもままあったり・・・
KOMRIは中東や東欧の若いジャズミュージシャン達が、
N.Y.ブルックリンで表現する今を、同時代のサウンドで解釈するスピーカー。
人それぞれ聴きたい音や音楽は千差万別なので今の気分に合う音楽で楽しめればいい・・・・
ちなみにギラッド・へクセルマン「HOMES」のレーベルはクラシックレーベルの
Harmonia Mundiのジャズレーベル、Jazz Villageからの2015年リリース盤。
とてもヨーロッパ~中東の響きがするコンテンポラリージャズ。
このあたりの2010年以降の若手のジャズマン、特にヨーロッパや中東のメンツが
やっているジャズとLINN Klimaxシリーズの相性は良い感じ。
音だけではなくタフさや”使い勝手”も含めて。
去年公演中止になった弦楽四重奏 KRONOS QUARTET /BLACK ANGELS などの
空間を切り裂くようなアコースティックなエッジ感、明確な音像定位は抜群。
ECM系のピアノトリオは十八番でしょうか!!
おそらく過去最高の可能性を感じるスピーカーかも、、、恐るべしLINNコムリ。
陰影感や暗さ、スカルプチャルな造形感、その中でホーンとは異なる性質の
浸透圧があるスーパートゥイーター領域。
すべては音楽が音楽で在るかのようなスピーカー。
・・・ちなみにソロピアノのサイズ感独り感や
大編成のオーケストラも得意でホールトーンや
サウンドステージ感は見事です。
LINN KOMRIのいい個体があったらおススメです!
音楽には、、、音楽の根っこには時代の空気感というか感性….
共時性みたいなのを感じてて、BTSにもやはり今を感じるし、
エレクトリックマイルスにもあの時代の空気を感じることができる。
時代との共振性は音楽にはあるけど、オーディオはちょっと難しい複雑系。
プロダクト工業製品のオーディオはベーシックな部分の電子部品のコストダウンもあって、
複雑で、、、昔は良かったのか今がいいのか・・・・・・
LINN KOMRIのマテリアル・・・・ウーファー2発は専用アクティブで
dpsパワーアンプ内蔵(ダイナミックパワーサプライ最終版)のため、
駆動力やマッチング面から解放される!ことは大きい。
スピーカーはローレンジをどう折り合いをつけるか・・・
ということはいつまでもつき纏うテーマ。
KOMRIは振動版が比較的軽いミッドレンジから上のドライバーをじっくり鳴らせるので
スピーカーのクオリティを引き出しやすい、のかもしれません。
ドライバー部分、中高音域は「4Kアコースティックアレイ」と呼ばれかなりリジットな造り。
このユニット解像度と歪感のなさ、S/Nの高さはかなりのもの。。
エネルギー感も感じさせるもので、ATCの100㎜のスコーカーの解像度をUPさせて感じだろうか。
今思いだしたが、LINNではKOMRIは『モニタースピーカー』と呼んでいた気がした。
ということでCDプレーヤーをスタジオ機器でもあったPHILIPS LHH2000へ。
PHILIPS LHH2000にするとアウトプットゲインが上がり、全体的に圧が出てくる。。
圧し出し感が強くサウンドの輪郭が強い。14BITというところも影響しているのか、
LINN SONDEK CD12の繊細で品を感じさせるLINNらしい纏まり感とは異なる方向性を
示してくれる。どちらもいいから困る(苦笑)
(最近では(笑)や「w」を「草」や「森」と言うらしいです)
とにかく、PHILIPS LHH2000の圧が強いサウンドもしっかり表現してくる
LINN KOMRI は懐がめっぽう深い。
表現も単調ではないし、どんどんいろんな盤を聴きたくなる・・・・
あらためて音楽を聴きたくなったり、知りたくなるスピーカーLINN KOMRI。
音楽都市 LINN KOMRI