普段の試聴盤など。
オーディオ試聴時やセットする時の試聴盤あれこれ。ボーカル、JAZZ、シンフォニー。
JBL DD66000 Everestを購入された
お客さまのセットとほぼ同じセットでのレビューなど
たまたま、今回JBL DD66000 Everestを購入されたお客さまのメイン機器とほぼ同じがセット在庫していたので繋いでみました。
お客さまにご購入頂いたアイテムはデジタルプレーヤー、プリアンプ、パワーアンプ、スピーカーです(いつもありがとうございます)!納品の際に何枚か持参すると思うので一度予習をしてみたいと思います。入荷したcello ENCORE 1MΩ Lなどの動作がOKだったので、サウンド面での状態把握もかねて。
Miles DavisとMahler No.5は入手から30年程になります(プレス違いも何枚かあります)。下2枚はGilfemaとイスラエルのギタリストRotem Sivan。いずれも今、ブルックリンで活躍するミュージシャン達の盤でRotem Sivan盤はSTUDERのA80やノイマンヴィンテージマイクなどで録音された盤。上2枚はミキサーの腕が抜群に光った盤。いずれもマイクアレンジが絶妙。
cello ENCORE 1MΩ Lはバランス⇒RCA変換した接続でMark Levinsonのモノラルパワー(XLR)へいきます。RCA端子は抜き差しする際でも、アース側が最後まで残る特別なノイトリック製端子。ケーブルはコスパが恐ろしく高い、あるドイツ製ケーブル。Mark Levinson No.20.5LからJBL DD66000 EverestはFM Acoustics FLS5。ジャンパーはFM Acoustics FLS3です。機器はすべてAC交流機を通して低歪(0.03%)の100Vをつくり給電。
最初に昼間ですが、Milrs Davis / Kind of Blue / CBS この盤の演奏的なポイントは多数あります。僕が昔書いたLOGを下に抜粋。ポイントはモーダルとバップの狭間、さらに空間性に尽きると思います。時代感も重要。この盤は演奏におけるコントラストがはっきりでてそれがオーディオ的な面白さにつながります。
「Blue in green」は旋法主体というより、コードチェンジによる曲(そんな感じを受ける、テンションありの変な区切り?)だと思いますが、より移動間の希薄なトーンはマイルス以上。ビル・エバンスのバッキングとちょっと歪んだような和声。。。この曲・演奏に関してはピアノトリオとマイルスだけの方が純度が上がったのではと思ったりします。少し歪んだように感じるビル・エバンスの音(半音階フレーズ?)は、後のリーダー作でも頻繁に登場します。
※実質、Blue in Greenはすべてビル・エバンスの作曲だと思います。マイルスは「こんな曲にしてほしいよ云々」的な伝達で。
「Flamenco scketches」この曲もピアノが光ってます。これもビル・エバンスの作曲だと思いますが・・・音数の少なさで空間を描いていく、墨汁をにじませていく感じはマイルスとビル・エバンスだけ。。日本の墨絵を比喩にしたライナーノーツは有名です。サックスをなぜ音量を大きくして収録したか、、、この意図は不明と感じてしまいますが、現実感もしくは既定路線に戻る瞬間かもしれません(セールスのためか)。後にコルトレーンもこの理論体系を会得し、ハードな練習と独自のコード理論で後世まで影響を残していきます。
「So what」で残されてる映像では、コルトレーンのソロがはじまった時、ポーズなのかマイルスは興味なそうに煙草を喫いながら誰かと話してるしw マイルスは自らの音が活きるスタイルの模索として、バップの呪縛から抜け出し、新しい響きを確立する意欲的な作品(後に失敗作と言及)で、一番嵌っていたビル・エバンスを収録後、そっこーで解雇します。自身で辞めたのかもしれませんが、肌の色や何やらあったのかもしれません。
単純に言うと陰と陽、フロートとテンション。サウンド面でも演奏面においてもクローズUPされてきます。この盤は演奏者達の「方言」がちがうといっても言いかもしれません。聴くとすぐわかるはず。Miles DavisとBill Evansはモーダルで音数少なく空間性が高い。コルトレーンとキャノンボールは言いたい事をたくさん説明するバップ。このコントラストがダイナミックな差として表現できるか否かがオーディオ的なおもしろさです。
JBL DD66000 Everestはこういった差を明確に表現します。しかも等身大サイズと等身大ダイナミズムで!じつはテンションとフロートを巧く表現するJBLは少ないです。さらに緩急をLIVE同様のダイナミズムで聴かせるスピーカーはそう多くないと言えます。LIVE会場のSRを思えば答えは簡単。さらにMagicoなどのTOPモデルなど。。。こちらを立てればあちらが立たないと言う事が、やはりあるのです。
ECMのMarcin Wasilewskiなど。
ポーランドのピアニスト Marcin Wasilewski(p)リーダーのECM盤。JAZZのトリオ盤。2000年代のJAZZ。ジャズは生まれた背景から現在進行形というのが一つの定石です。この盤はもう10年前になりますが(笑)
ECM一連のMarcin Wasilewski盤は録音からマスタリングまでステファノ・アメリオが携わっています(NY録音盤はちがったかな?)。サウンド的な粒立ちの良さとエアー感は世界TOPクラスのクオリティ。内向的なピアノトリオが好きな方は一度聴かれてみてください。JBL DD66000 Everestではシンバルが空間で波紋として広がっていく、粒子までわかるような分解能。広く深い3次元的な空間性はオーディオ的な楽しみがあるかもしれません。
Gilfema/ obliqsound バークリー主席卒業生達の盤
オレンジ色の盤は現代JAZZに多大な影響を与えているバークリーを主席で卒業した面々のユニットだったGilfema。ハンガリーや西ベナン出身のミュージシャン達Lionel Loueke (g,vo) 、Massimo Biolcati (b)、Ferenc Nemeth (ds) 。この盤のレーベルobliq soundは何しろ音が良い。そして最先端のユニットを送り出していたレーベル。
実はコンテンポラリーは昔のジャズの様にアメリカだけではなくポーランド、ハンガリー、イスラエル、アフリカなど世界中から逸材が集まっている。たしかにその表現はかなり難しいのでとっつきにくいですが、その語法が肌でわかると面白くなります。
cello ENCORE 1MΩ Lのサウンド
cello ENCORE 1MΩ Lのサウンドはやはり艶やかでアンニュイ。ゲイン・ポジションで表情がガラッと変わるサウンド。たしかにNo.26系の方が男っぽいのかもしれませんが、複雑な翳みたいな屈折した部分はCELLOならでは。
次回はクラシックとボーカル系試聴盤をじっくりご紹介します。オーディオと試聴盤は人其々あります。十人十色。
お客様がいらっしゃると面白い盤を知る事もできますね!