Mark Levinson No.20.6L フルレストア整備 No.4

Mark Levinson No.20.6L フルレストア整備 No.4

Mark levinson No.20.6Lのフルレストア・オーバーホール作業です。

まだまだ輸入されていない部品が多数あるため、待ちの状態ですが、

現在、現状の部品を計測しながらレギュレーターボードや、

トランジスタの交換作業に入っています。マーキングは製造時に行っているもの。

整備・修理マークレビンソンNo.20.6L 交換済部品

マークレビンソンNo.20.6L交換済部品の一部(194個)

写真はまだごく一部ですが、写っていない範囲も含めて194個のパーツです。製造時から装着されていたトランジスタを見てピンとくる方もいらっしゃるかもしれませんが、現在も入手可能なモトローラ生産ライン品です。ただし、製造年代がちがっています。今回は同一のラインで製造されたものをマッチングさせ、実動作シミュレーションを行い、全トランジスタの動作をすべて調整する予定です(200個予定)。製造時にペアでここまでの事を行ったかどうかはわかりませんが、やってみる予定です(航空系の計器整備オペレーションと同じ手法)。この20.6Lのレストアを依頼された方はML-2Lレストア時の計測機器や手法だけで依頼されています。

マークレビンソンのコンデンサー。液漏れし蒸発した状態

容量測定では規定容量1500μF⇒14.4μF いくつかは蒸発した状態となっていました。

上のコンデンサーの写真は中の液体が漏れ出て蒸発して粉状になっていました。ケースは膨張しています。測定結果は容量抜け状態です。20年経過していますので、A級アンプだけではなくAB級アンプも同様です。他お客様のレビンソン20.6Lも同様だったそうです。これでもそれなりに納得いく音が出ていたのです!数千工程・全部品の一個々と取り付けられた状態・ハンダ状態を全てチェックしています。劣化部品と劣化症状が確認された部品、高電圧と大電流を扱う部品は慎重にチェックします。現在部品が手に入らないものはオーバーホールを行います。

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マークレビンソンN0.20.6Lの底面パターン(ネジの緩み)

上の写真が底面のパターンですが、ネジがほとんど緩んでいました。基板まわりの歪みの原因で連結ボードの固定も怪しい状態だったので、緩まない仕様とします。

マークレビンソン20.6Lの電源基板

マークレビンソン20.6Lの電源部基板

上記は電源ボードです。先日こちらの部品をすべて計測しました。

電源部のコンデンサー220μF→256μF

電源部のコンデンサー220μF→256μF


Mark Levinson No.20.6Lの部品の入荷状況次第で進捗が変わってきますが、まだまだ先は長いです。確保する必要がある部品点数は300~400程になるかもしれません。

過去に行ったML2Lや同時代のMark levinson No.27Lでも同様ですが、全部品のハンダをやり直します。No.20.6Lも同様です。おそらく1千5百カ所程?…….ただし、音色変化があるため、やり方はオリジナルハンダを活かす方法を選択します。ハンダによる音色変化がない工夫が必要です。ハンダの割れや剥がれは完全に修復しオリジナルハンダの音色を損なわない方法で基板パターンの劣化があれば修復。あくまでレストレーション作業ですので流れ作業の様な制約はありません。充分なスケジュールを頂いておりますので、粗い作業もNGです。

次回の更新は来年になるかもしれませんが、発注した部品の多くは国内に到着(予定よりおしてます)しているものと思います。

ML-2L他レビンソンプリアンプなどのお問い合わせを頂いておりますが、Mark Levinson 20.6Lの大規模なレストア&オーバーホールは、このペアが初めてではないかとのことでした。時間とコスト(トランスや基板・筐体以外)がかかりますので、通常修理なら代理店様で良いと思います。


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