The 傑作。
Stephens Trusonic 206 AXA&P52キャビネット
音楽で弾むってこうだろ!とおしえてくれる1950年代のTru-Sonic
Stephens Trusonicの傑作ユニット!
アメリカ・カリフォルニア州カルバーシティにあったスピーカーメーカーStephens Tru-Sonic,.Inc.は1940年代にW.E製トーキーシステムの性能に満足がいかなかった映画配給会社MGM社のために、ジム・ランシングらと共にシャーラーホーン・トーキーシステムを完成させたメンバーの一人が起したスピーカーメーカー。当時このシステムはアカデミー賞を受賞しています。
Charles EamesのHiFi=Stephens Tru-Sonic
Charles Eames(チャールズ・イームズ)は1945年頃からアメリカ発のモダニズムをリードしたクリエイターで現在でもMidcentury modernデザインは人気があり、当時のオリジナル家具は数十万から数百万円で取引されています。ドイツではDieter Ramsのモダン家具やBraun製のHiFiシステムは人気。
世界では、Midcentury-modern HiFiのメジャーであるけれど。
Stephens Tru-Sonicはいち早く家庭内のモダンな家具としてのスピーカーをコンセプトし、販売していたメーカーです。有名なのは「 Eames-designed enclosure for Stephens Tru-Sonic System」ですが、他にも「Eams-office」など多数の傑作スピーカーが目白押し!数多のモダンデザインスピーカーが製造されました。ミッドセンチュリーのスピーカーとしてはJBLと双璧です。
当時のJBLはハーマンミラー社と強力なユニットをもとにAlvin Lustingのデザインでよりプリミティブでミニマルなスピーカーを製造。これらがHartsfieldをフラグシップとするC40やC38、C36ですね。Hartsfieldの側板の厚みはC40などの前面枠とほぼ同一です。
Tru-sonicのスピーカーは日本国内では代理店がなかったせいでほとんど知られていませんが、15インチウーファーの103LXはJBL社の150-4Cと同じで、コーン紙はStephens Tru-Sonic社が製造し供給していました。大型のマルチセルラホーンやドライバーも製造していたメーカーです。特に103LXは巨大なアルニコマグネットを搭載したユニットで当時のAltec 515を彷彿とするものでした。
Stephens Trusonic 206 AXA
そして、このStephens Trusonic 206 AXA&P52キャビネットはモニタースピーカーとしての位置づけです。
サウンドは………..傑作!
演奏をされる方や音楽Loverにとってはわかってもらえそうな『音楽力』。昨年お取扱いしたRCA LC1Aを彷彿するサウンド。やはりなんと言ってもキモは15インチ同軸型ユニットTrusonic 206AXの能力によるところが大です。巨大なマグネットで駆動。サックスのリードのささくれ感やアウトフレーズなど”やくざ”な演出をそれらしく聴かせる大人っぽさ、巧さがあるシステム。ギターではピッキングの強弱・角度や指の太さ強さなども感じられる感度。やはり音楽全体を捉えてグルーヴさせるセンスは抜群!
速く弾むLOWと瑞々しいHiのバランスは、天性のもの。入荷当日のポン置きですら素性の良さが伝わるサウンド。ドライバーは1インチで、ホーンがマルチセルラ型ホーンとなります。JBL Olympus初期モデルにも通じる『これで充分』的な世界。
キャビネットは年季が入ったオール米松材で響きまくります。でも、嫌な濁った鈍い響き方がしません。ベースラインの奔り方や銅鳴の深さと引きはアコースティックなサウンド。ヴィンテージスピーカーは5、60セットは自分のモノとして聴いていますので、これがどういうサウンドかは充分に知っているつもりです。……….ただ、日本国内ではめちゃめちゃマイナーなスピーカー^^;;