TOKYO Main Speaker ATC SCM50Tsl

メインスピーカーの変更:

JBL DD66000⇒ATC SCM50Tsl

 

大型ホーンスピーカーからダイレクトラジエター型スピーカーへ。

東京柳橋試聴室がオープンしてから4年程、これまでアンプなどの視聴で活躍していた

メインスピーカーはすべて10㎝ダイアフラム&15インチウーファーを搭載した

大型ホーン・スピーカーでした。

今回、はじめてコーン紙メインのスピーカーをメインにしてみようと思います。

ATC SCM50Tsl

ATC SCM50Tsl

JBL DD66000のサウンドとATC SCM50Tsl

ATC SCM50Tslの入荷当初のサウンドは爽やかなサウンドでサイズ感や仕上げの良さもあり、お洒落なリビングにふさわしいスピーカーというイメージでした。特にクラシックなどのアンサンブルやユニゾンがとても良いし、ピアノのサイズ感もよく出るスピーカーでした。しかし、一般的な評価である密度感あるエネルギッシュなサウンドとは思いませんでした。

その理由は後ろにある『JBL DD66000』の存在。

このDD66000で3セット目の入荷になるのですが、音の密度感やエネルギー度は相当なもので、通常入手可能な完成形のスピーカーでDD66000の密度感&エネルギーを上回るスピーカーはそうないと思います。かなりセッティングを詰めたATC SCM50Tslよりも、圧倒的にDD66000のサウンドプレジャーが勝っています。

たしかに2倍以上の価格差もあるのですが。大型スピーカーで贅沢なユニットはエネルギー密度にアドバンテージがあります。

Audio Dripper|東京 柳橋試聴ルームAudio Dripper|東京 柳橋試聴ルーム

そこまで【密度感】にこだわる事はないだろう、とも思います。が、どんなにサウンドステージが立体的で精緻でも、エネルギー度がある音の前では霞みます。その理由は生のヴァイオリンを間近で聴くとそのエネルギーに驚く事と同じかもしれません。生の楽器はとてもダイナミックでエネルギッシュだからです。

一般的な製品(音源パッケージ)になると生のエネルギー感が影を潜めまとまりある音楽となるような気がします。

Owner 清田亮一 Hartsfield&JBL DD66000 中古スピーカー

JBL Hartsfield&JBL DD66000

しかし、横幅1メートル程のスピーカー2本をご自分の部屋やリビングに入れられる方はそんなに多くはいらっしゃらないので、東京柳橋ルームはトールボーイ型のATC SCM50Tslをメインスピーカーとして活躍させてみようと思います。

ATCは元々スタジオのモニタースピーカーとしての実力もあるので、音源ならびに上流機器の変化もとてもよく出すはず。店頭デモスピーカーとして活躍できる部分でもあります。

ATC SCM50Tslの鳴らし方

ATC SCM50Tslの素性が良いのは充分わかったのですが、やはり鳴らし方が難しいスピーカーでした。

ATC SCM50Tsl30周年記念モデル|中古ATCスピーカー

ATC SCM50Tsl30周年記念モデル

ATC SCM50Tslは壁面への距離が1m程しかないため、広い水平指向性を壁面から絞るようにセットし、壁面1次反射を極力抑える(遅らせる)セットにします。付属のスパイクは必ず使用された方がいいです。スパイク受けでもセットしましたが、現在はボードの上に直刺しです^^

スピーカの垂直方向の角度ですが若干後ろを下げてバッフル面を斜め上向きにセットします。バッフル面が重くリアが軽いため、転倒防止と対面の反射角をオフセットするためです。

ATC SCM50Tslのスパイク(ボードの上でも良いです)

ATC SCM50Tslのスパイク、前後で高さを変えています。

一番のキモはトライワイヤリングできるスピーカーケーブルの配線。純正は金属製のジャンパープレートですが、これは確認用でしかないかもしれません。おそらくこれだと本領を発揮しません^^

次に下記のようなジャンパーケーブルとジャンパープレートの2枚重ね。まあ悪くないですがまだまだです。ちなみにアンプからの配線をウーファー側にするかミッドレンジにするかなどでサウンドがかなり変わります。下の写真ではHOTをウーファー、COLDをミッドレンジへという配線。

QED sp

次に、トライワイヤリングです。1ペア分で16個のバナナプラグが必要です(バナナプラグはスピーカー端子内部で圧着する機構が付いたものを選択)。

試しの製作はBELDENケーブル

試しの製作はBELDENケーブル

とてもメンドウなんですが、シングルアンプからトライワイヤリングできるケーブルを試作。下の写真はATC SCM50Tslを2本、パワーアンプと接続するケーブルです。

ATCトライワイヤ

ちなみに ATC SCM100PSL はシングルワイヤですね。

イギリス ATC SCM100PSL スピーカー(エレクトリ・シリアル連番)

イギリス ATC SCM100PSL スピーカー(エレクトリ・シリアル連番)

ウーファーに埃が付くダンプ材などは塗ってありません(サランネット付属)

さっそく、試聴。BELDENのメーター250円と450円のスタジオ用ケーブルですが、鳴りっぷりが変わりました。なんと言ってもATCらしい”密度感”が聴けます!!そして音場感の精度も上がりレイアウトやリバーブ具合がよくわかります。ユーザー様は然るべきケーブルを使用されればいいと思います。ケーブル次第でもっとよく鳴ることでしょう!

ATC全般に言えますがミッドレンジをどう駆動するか、SCM50ではウーファーもしっかり駆動する事で音楽のベースがしっかりし、サウンド全体の密度感が生まれるようです。密度感が出てくると自然とエア感が表現できて、結果的にサウンドステージの情報が出てきます。そうなると立体感とエネルギー度の両立が目論めますね。

ATC SCM50Tsl used sp

トライワイヤリングの一番の変化は音の濃さ、濃度がUPしたことでしょうか。まだJBL DD66000の領域ではありませんが、この物量ではなかなかのもの。おそらくシングアンプではなく、3台(モノラルなら6台)のアンプにするとさらに充実してくると思われます。

もし個人で楽しむなら……..3台のアンプならcelloならcello ENCORE Powerやmono×3セット計6台や、Mark LevinsonならNo.20L、ML2L、No.29Lなども面白そうです。バイアンプでも良さそうです。

ここ2週間ほど、ころころと鳴り方を変えるATC SCM50Tslは興味深いものです。

ATC SCM50Tslのトライワイヤリング

ATC SCM50Tslのトライワイヤリング

もうすぐ同じ3WAYでよく似たユニット構成のcello Stradivari premiere が入荷予定ですので、もしかしたら・・・という可能性もありますが、、どういう個性があるか楽しみです!ひとまず東京柳橋ルームのメインスピーカーはATC SCM50Tslとなります。プリアンプやパワーアンプ、CDプレーヤーの個性をよく出しますのでご来店ください^^

used High end speaker