憂鬱なOLD Mark Levinson 整備録 ~9~ 

Mark Levinson ML-2L(mono power amp)maintenance/整備

ML2Lトロイダル・コア型の発熱とEIコア型の微小ハム音解消!

ML-2L リレー交換

ML-2Lの発熱原因

先日、この整備録を読んでトロイダル型の購入をご検討頂いている方から『問題は解消しましたか?』というご質問がありました。

トロイダル型のML-2Lで起きた底板部抵抗器の発熱は各部を再度点検したところ、最終的にメイン基板のダイオード、およびリレー不良が原因だろうと予測し、ひとまず使える代替えリレーで実験し、再度8Ω負荷のダミー装置を構成し、11台のDMMで動作測定シミュレーションしたところ問題ない状況となりました。さらにメイン基板部のダイオードを交換し動作は安定しております。

ML-2L 底面

主な原因としてはリレーの不良により、電流が流れなくて良いところへ流れてしまった結果、底面付近に装着されているセメント抵抗が通常より発熱した状態。底板部を確認していないとわからない部分ですが、おそらくこうした症状はこのML-2Lだけではないはずです。ヴィンテージA級パワーアンプの多くは似たような状況かと思います。リレー不良による過電流は他のパワーアンプでも起こりがちです。リレーが入手できずジャンクとなるヴィンテージ・ハイエンドが多い事も残念です。オリジナルパーツも汎用できる部品もあるんです!

ML-2L ダイオード。トランジスタアンプ誕生時と同仕様のパーツ。

EIコア型のML-2Lも同様にリレーとダイオードを交換します。代替部品は国内でも揃いますが、純正に準じた部品にしたいのでアメリカから取り寄せ中です。ダイオードに関しては、流石にトランジスタアンプ誕生時の1960年代のパーツでは流石に性能・精度ともガタ落ちなため、安定度の高いハイスピード型ダイオードへ交換、部品コストは10倍程となりますが適材適所です。入荷は9月初旬……………………….

現段階で2セットのML-2Lはカタログ数値よりS/N比も歪率も良く、実パワーもジョン・カールが設計した40wに近い状態。特にS/Nの実測値は驚くべき数値で基本設計が極めて良かったという事が実感できます。トランスによる差は極めて小さい事も発見です。
ML-2Lがパワーを振り絞るその動作状況は”攻めた設計”をしたアンプならではのもので、当時のMLASがオーディオ界へ投じた一石は大きかった事でしょう。特にメーカーのアンプ設計者がML-2lの各部の電圧、電流を計測した時は驚かれたのではないでしょうか。

これまで整備録としてご紹介させて頂いた内容はごくごく僅かですが、読んで頂きご予約頂きました事、誠に感謝いたします。ご納品までもうしばらくお待ちください。

【追記】2016.8.29 ML2L 4台をフルレストア

ML2L(トロイダル型)はお客さまのご要望で、メイン平滑コンデンサー4個を含め、他8本も新品交換する事になりました。オリジナルパーツで整備マニュアル通りの規定容量のパーツです。12本のコンデンサーで中古 No.27L程…….. 今回のML2l 2セットで妥協した部分はありません。過去の修理履歴の粗を再修理したり、部品をマッチングをしたり、整備マニュアル以外の部品が付いているものを正常化したりと、、、、、今回のML2L 2セットは世界最高峰の2ペア!?だと思います。

輸入した新品パーツでも規定値以外の部品は使いませんでした。また国内で全てのパーツを揃える事は不可能です。今回以上の整備の余地は、オリジナルのデッドストックのトランスを2ペア分見つけ、その状態を精査し搭載する、新品の筐体へ載せ替える以外はありません。ごく稀にML2Lの新品筐体が海外で販売される事もあります(超高額)。

今回のML2l(4台)は海外の方からも複数のお問い合わせを頂いておりましたが、日本国内の方が鳴らして頂けるとの事で将来的なメンテナンスサービスも行わせて頂きます。MLAS時代のプリ&パワーアンプは、どれでもフルレストア(世界レベルで….)できるノウハウが蓄積されたと思います。

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