STUDER D730MK2 フルレストア整備+α Restore Upgrade

STUDER D730MK2 フルレストア整備&アップグレード プラスα

更新:2017.3.24

STUDER ばかりのメンテLOGとなっていますが、アンプ系も行っていますのでまとまり次第随時LOGいたします!

STUDER D730MK2 整備前の現状把握。

STUDER D730MK2 整備前の現状把握。

STUDER D730MK2 フルレストア整備&アップグレード プラスα 概要

こちらのSTUDER D730MK2は音楽制作のプロの方からのご依頼品。整備概要はレストアと専用高精度クロック搭載(別トランス)&Parallel Standです。サウンドの好みや録音ミキシングで使用される現場のSTUDER機サウンドの傾向など難度が高いオーダーです….. D730MK2に搭載可能なPHLIPSセレクション:スターマーク TDA1547がみつかれば搭載することもご検討。

STUDER D730MK2の現状【2017.2.2】

まずは現状ですが、ふつうに再生はできております。問題は若干ドライブメカがずれています。演奏が終わりカバースイッチをリリースすると若干ですがドライブメカ本体が動く症状がありました。

STUDER D730MK2のドライブメカのズレ。

STUDER D730MK2のドライブメカのズレ。

現在、メイン基板に表面実装されているコンデンサーを取り外し計測しています。表面実装されたコンデンサーは下記のモノです。約3㎜のサイズです。これが並んでいて容量抜けが始まる兆候で、記載容量より多めに出ています。

STUDER D730MK2の表面実装パーツ。

STUDER D730MK2の表面実装パーツの一部。

このコンデンサー部品を大幅にグレードUPします。この部品にしている意味があるかないかはヒアリングしないとわかりませんが、おそらく当時のSTUDER社に何らかの事情があったんだろうと思います。

修理 STUDER D730MK2の測定中の表面実装パーツ(一部)

STUDER D730MK2の測定中の表面実装パーツ(一部)

相当小さいパーツでD730(下の写真はD730個体の基板)当時から使用されています。ほぼコンピュータの基板ですね!

D730_整備中写真_2

他お客様からご依頼の不動STUDER D730の基板劣化部の修理

STUDER A730から変わった部分は随所にあります。やはり同一ブランドの業務用CDプレーヤーですが造りや時代性がサウンドにもあらわれているようです。


2017.2.26 STUDER D730MK2 UPグレード

STUDER D730MK2のアナログ回路部と電源周りの整備、アップグレード模様です。

電源部の三端子レギュレーター3個共を新品パーツへ交換

電源部の三端子レギュレーター3個共を新品パーツへ交換

電源部への負荷対策です。下の写真はコンデンサーを変更交換しています。

アナログ回路部のコンデンサー交換

アナログ回路部のコンデンサー交換

D730MK2のアナログ回路部のコンデンサーですが、純正比20倍程のパーツ。ゴールドのコンデンサーはMHz帯域までを保証する某アメリカハイエンド・プリアンプのフラグシップ機などに搭載されているカップリングコンデンサー。

D730MKⅡ_クロックUPマシン。狂気とも思えるアナログ回路。BB製オペアンプが14個搭載。

D730MK2 クロックUPマシン。BB製オペアンプをダブル化にして14個搭載。

増幅系アンプ1個(純正@300)の純正品から、BB製オペアンプのダブル化実装。通常1万円~1万4千円で販売しているパーツ。旧MLASアンプのBB製は3千円でしたので、D730MK2では別モノのアナログ回路の完成(サウンドの傾向はCDSグループ)。STUDER業務用コンソール機材を考えればこの位してもいいでしょう!これでサウンドが圧倒的に良くならなければ意味がありません。

これらの発熱がすごいでのヒートシンクを内部に新規製作していきます。どれぐらい耐久性があるか慎重になります。。。


2017.3.10  STUDER D730MK2 THE モンスター!

STUDER D730MKⅡ クロックUP。ヴィンテージ部品(部品状態GOOD)も織り交ぜて

STUDER D730MKⅡ クロックUP。ヴィンテージ部品(部品状態GOOD)も織り交ぜた仕様。裏側にIC基板がびっしりあり複層基板です。

明日から試聴ルームでランニングテストいたしますが、技術担当曰く『怪物ができたかも…』とのこと。
オペアンプなどを最新版BBと90年代ヴィンテージBBを混ぜてあります。どれだけ凄まじいのかWILSON AUDIO System5 SPとWILSON AUDIO ニアフィールドモニター、JBL Hartsfieldを織り交ぜて7日間ドライブしてみます。ちょうどFM Acoustics FM245の納品動作チェック・調整の最終と重なりますので、どこまで怪物なのか楽しみです。

STUDER D730MK2はかなり攻め込んだ仕様なので、この段階で駄目だしができるといいのですが。ちょうど何もしていない中古A730が2台あるので比較もしたいと思います。この整備レストア費用で通常ショップ様で販売している中古D730MK2が余裕で購入できます^^;;  圧倒的に抜群のサウンドと耐久性がないと納品はしません(….できません)!

下記がこの仕様のスペック一部ですが、相当優秀です。左右がビシッとあっています。

D730MK2_調整調整中。1Khz左右共歪率0.01%台。

D730MK2_調整調整中。1Khz左右共歪率0.01%台。

D730_MKⅡ_調整調整中写真_正弦波も左右綺麗に観察されました

D730_MKⅡ_調整調整中写真_1

劇場演出空間技術協会『CDProAudio Acoustics Technical CD』にて1Khz_基準信号などを再生。

おそらくここまでの性能を維持しているSTUDER D730MK2は極少数でしょう!地道に表面実装パーツを新規交換したことが効いていますね。実はこの表面実装パーツ交換も秘密があります!とうぜん設計回路の規定容量ながら本体サイズをアップし、部品精度と余裕度をもたせてあります。

一般ユーザー様へほぼ同じ仕様のSTUDER A730(本体込860,000円)はある程度はご満足いただけているようですので、AとDの違いを聴き込んでみたいと思います。近々A730 フルレストア整備+UPグレード高精度クロック仕様のお客様レビューも掲載予定です。


2017.3.10  STUDER D730MK2 再調整

5日間程、ランニングテストを行いました。出力ゲインを高く設定しているため、CD盤の録音レベルによっては歪む盤もありました。現在どんな盤でも歪まない、しかし、高目のゲインになるようレーザーダイオードの出力値を調整中です。

2017.3.24 STUDER D730MK2

ゲイン設定の再調整後、5日程経過。どんなCDでも大丈夫な状態になりました。ゲインは調整幅の中で最も高く設定しています。週末問題ない場合はご納品準備といたします!パラレルスタンドは40㎜径のインレットも使用できる仕様としました。

STUDER D730MK2 交換部品 約100点ほど

STUDER D730MK2 交換部品 約100点ほど

STUDER D730 MK2 修理整備

STUDER D730 MK2の交換済オペアンプ

STUDER D730 MK2の交換済コンデンサー類

STUDER D730 MK2の交換済コンデンサー類