Playback Designs
MPS-5 SACD&DAC MPD-5X
のサウンドは、如何に。
スチューダー社に在籍していた
Andreas Koch(アンドレアス・コッチ)氏のデジタルガジェット。
正直に書くと、Playbac k Designs DAC MPD-5Xが入荷して、
聴いた時間は入荷数日の数時間程でした。
その後、1週間に1度ほど電源を入れて動作させる、感じ。
普段取り扱うデジタルプレーヤーやオーバーホール整備の
ご依頼の多くがSTUDER社、WADIA、PHILIPS、LINNなどのCDプレーヤーが占めます。
コロナ禍のせいか多い時は1か月間で約10台程のCDプレーヤーのOH整備を行っています。
3日から5日の動作確認期間をとるとほぼ、オーバーホール整備ご依頼機を
聴いている時間がながくなります。
そのせいで………プレイバック・デザインズのDACはほとんど聴いていませんでした。
もう一つのワケとしては、デザインが好みではない・
(今はこのさっぱりした近未来ないで立ちにも慣れて信頼感すら覚えます^^)。
誤解があるといけないですが、マテリアルな質感は繊細でともても高い!のです。
ディテールデザインの精度はとても精緻。
フォルム全体を見ると、武骨なスチューダー機などとは異なる質感・・・・
最近、Playback Designs MPS-5 SACD-CDが入荷し、数時間ほど聴いている時に
とても良い感じで、これはどんな人が設計したのだろう?という興味が湧いた。
Andreas Koch(アンドレアス・コッチ)氏はSTUDER社に在籍し、
48chデジタルレコーダーを担当していたらしい。
という事を最近知った次第^^;
で、Playbac k Designs DAC MPD-5Xと接続した時のサウンドのリッチネス感・・・
僕の中では2010年代のデジタルプレーヤーとして、とても良い感触が得られました。
Playbac k DesignsのSACD&DAC MPS-5とMPD-5X
MPS-5 SACD-CDプレーヤーからドライブメカを削除すると、
ほぼ、DAC MPD-5Xとなります。
各々単体で聴いてもナチュラルで程よい温度感があり、ソノリティを感じる、
もしくは薫るようなサウンド。
じつは現代デジタルプレーヤーを聴いてもあまり感じないサウンドでもあります。
昨年聴いたcello R-DACとのレビュー時はORACLE CD2000 CD Transportとの
組み合わせだったと思いますが、今回はPlaybac k Designs同士の組み合わせ。
聴いたソースは全く同じもの。
MPS-5 SACDプレーヤー(電源UPグレード)単体でも
充分に情報量&分解能があり、エッジをや輪郭を際立たせない”新世代”なアプローチ。
マーラー四楽章のソリストとオーケストラの位置関係は精緻。
ふわっとした香る質感が心良い。
迫真性もあるし、諦観するような表現も雰囲気ありです。
Rotem Syvan(g)のアナログ録音された2010年以降のコンテンポラリージャズの
シンバルの多彩な音色などを聴くとPlaybac k Designsの良さが光る!
特にデジタル録音を使いこなした2010年以降のソースにおいては
STUDERなどのプレーヤーと世代のちがいが出てくるのかなと思ったりします。
ハード的には通常であればD/AコンバーターIC(マルチになっていたり)ですが、
Playbac k Designs MPS-5とMPD-5Xはディスクリート回路で組んでいることも
音色の多彩さや色彩、音楽の”雰囲気”などのグラデーションに寄与しているのかと思ったりします。
おそらく一番大きい要因は、設計者のAndreas Koch(アンドレアス・コッチ)氏が
スチューダ社在籍中に、録音に深く関する48chデジタルレコーダーに携わっていたことが
関係あるかもしれません。
MPS-5 SACD-CDプレーヤーをトランスポートとして、
D/AコンバーターをDAC MPD-5Xにすると、電源部の余裕なのか、
サウンド全体の余裕度、余韻や艶っけなどがUPする感じです。
まったく同じDAC回路だから”倍”とはならないと思いますが、明らかに
余裕度が出てくるのが面白いところ。僅かな余裕が音楽の場に影響してくる感じ。
現在、甲府ANNEX店のデモプレーヤーがPlayback Designs MPS-5 SACD-CD &
Playbac k Designs DAC MPD-5Xになる事が多いです^^
Andreas Koch(アンドレアス・コッチ)氏のプロフ 代理店WEBサイトから抜粋
スイス生まれスイス育ちのアンドレアスさんが自国に戻ってまず手がけたのが、48チャンネルのデジタル・マルチチャンネル・レコーダーの設計だったそう。これはソニーが開発した(最初は24チャンネルの)固定ヘッド式デジタル・レコーダーで、磁気テープを使うものだったが、ぼくは仕事でこの48チャンネル・デジタル・レコーダー(3348と呼ばれていた)を当時よく使っていた。
そして以前の24チャンネル(3324)モデルに比べて、3348は飛躍的に音質が向上していて驚いた、という経験があった。もちろんそれがアンドレアスさんの手になるものだったことは、今回お会いして初めて知ったのだが。
やがてアンドレアスさんは、ソニー・フロリダに移り、プロ用のミキシング・コンソールを開発したそうで、これは初耳だった。その後ソニー・サンフランシスコに移って、世界初のDSD録音編集機SONOMAの開発を手がけることになるが、このあたりまでくるとご存知の方も多いでしょう。ぼくたちがDSD技術の成果であるSACDという素晴らしいメディアの恩恵を享受できているのは、言ってみれば、アンドレアスさんの研究開発の成果なのである。
従ってSACDをこよなく愛するぼくが、アンドレアスさんが設計したSACDプレーヤー MPS-5を購入したのは必然でもあった。 周辺ではにわかにファイル・オーディオの機運も盛り上がりつつあった時期だが、ぼくは「人生最後のSACDプレーヤー」との思いでMPS-5の購入に踏み切ったのだった。
そして大いに満足している。
MPS-5は本当に一生モノと言いたい極めて優れたSACDプレーヤーで、本当に買ってよかった。 しかもたいそう扱いやすい、いや使うのが楽しいユーザーフレンドリーな製品だ。 ナスペックのHP(ホームページ)にはアンドレアスさんの言葉として「オーディオファイルだけでなく音楽愛好家にも楽しんで頂けるように意識して製品化しました」とあるが、それが全く嘘でないことは使えば使うほどによく分かる。 だからPlayback Designs(プレイバック・デザインズ)初のSACDプレーヤーが、ステレオサウンドのグランプリを受賞したのは全くもって当然のように思える。