東京港区白金台『ANSNAM cedar』で、1Roomオーディオ屋さん。

東京港区白金台『ANSNAM cedar』で、

1Roomオーディオ屋さんはじまります、

8月中旬頃から。

数年前にウチのサイトを見られて、オーディオがナニがわからなくてもおいでになり、B&Oのヴィンテージラックを買われたANSNAM cedarの代表 中野さん。じつは甲府ANNEXにも遊びに来て頂いた根っからの好きモノ。

その彼のこだわりが詰まった港区白金台アトリエの小さな1画を間借りしてオシャレオーディオ屋をはじめるコトにしました。普段のAudio Dripperで扱わないような小粋なエッジが効いたアイテムを予定!もちろんカルロ=リーバのシャツやヨーロッパ各地の生地屋や繊維工房まで押しかけて輸入して国内屈指の職人が作ったジャケットやパンツも選べたりオーダーできます。

↑このスペースの奥にある10畳程のスペースをRC造のリスニングルームやリビングルームに想定してセットします。これまでも1セット….今はスピーカーだけポツンと置いてもらってますが、もう少し置きます。いっぱい置きます^^/ 正式なオープンは8月の中旬ぐらいですが決めてません。夏休みなどの間隙を縫いつつ休みつつオープンします。

【抜粋】 ANSNAM cedarの服作り

「ところで、デニムって、どういう織り方なんですか?」
彼の第一声だ。
この生地を作ろうと、話を持ち掛けた時の職人さんの第一声だ。
2013年5月、薫風の季。

大量生産するが為にライン化され、発展してきたその製造は、あまりに規定が多く、規格に縛られ、規模も大きい。新しい何か、まだ見ぬものを作るには、とかく規制が多すぎた。
いくら拘りを詰めても、詰めても、見た目が結局普通のデニムになってしまう。何度か試作をした。けれど、失敗、というか悪くないけど、気分が乗らない。こんなならリーバイスでいいし。
で、放置を決めた。

それから幾年か過ぎ、2013年。古い友人である長田から、ラオス土産だ、と手紡ぎの泥染糸を貰った。多分、いや絶対に手を抜かれたこの土産は、ひと束1ドルしない。長年に渡って、大事に培われた友情。プライスレスな二人の信頼関係は、その金額には反映されていないようだった。

がしかし、それがこのデニム作り再考のきっかけと成る。

冒頭に登場した職人さんに渡し、早速に試し織る。すると、紡ぎのムラが多すぎて、所々が弱く、糸切れを起こしてしまった。が、ツラは良い。
結局、このネタはボツになるのだが、しっかりと紡がれた糸に置き換えたらどうなるだろうかと。しかも泥染じゃなくて、同じような原理で染まったインディゴロープ染色なら?

日本国産の手紡ぎ糸、クオリティは高い。青森で紡いでもらってる。「ひよっこ」の豊子、めちゃ良かった。めんこい。
これなら織機に乗る。そしてもちろん力強い、のだけれども、一つの糸の個性なので、生地になった時、深みがもう少し足らない。いや、十分よ、そうなんだけれど、何と言うかこれは、安定感、ぬくもり、ホームメイド感。ウチ、そうゆーんちゃうやん。
不確定で、異なる要素をはらむことで、気持ちのバランスを揺らがせる。衝突のエネルギーをデザインに昇華する、的な。そんな攻めのブランド、アンスナム。
で、追加投入に選んだのは、ガラ紡糸。それをロープ染色したインディゴ(この染めロットが問題で、しばらく生産できなかったの。それが解決されたの)。

このガラ紡糸と、本藍染した青森手紡ぎ糸を、一本づつ交互に配置し、経糸にした。緯は撚度を上げた綿糸を用いて、綿100%のデニムながら伸縮性をもたせた。そして、経糸に負担が掛からないよう、生地端のセルビッチ列には特別な絹紡糸を。7ミリの幅で。これは強度のバランスを取る為だ。ポリエステルでは硬すぎるし、綿糸では負けてしまう。
これを、超スローに織って行く。
一日中、手作業で付きっきり。例によって、古い織機。遅いの。普段はフランスの某C社のツイードを織っている工場だ。そりゃあ、デニムの織り組織を知る由もなかったろう。

織り上がった生地は、細長い畳の部屋で巻く。なぜか手で。
その後、「ひよっこ」の優子ちゃんが出身の、秋田県に生地が送られる。そこで浴槽に浸けながら強縮させる。手で。
こんなにも様々な手をかけられて、最後は福井県へ。大事に大事に作られた生地。ふんわり風合い抜群。のそれを、一気に、消す。
タンパク質コーティングだ。

そもそも、このデニムの制作コンセプトは、中国雲南省ミャオ族の民族衣装だ。アンスナム発足時に出会った、テキスタイルデザイナーの新井さんに見せてもらった、その衣装が根幹となっている。
その衣装で使われる素材。本藍染された生地に、牛の血と卵白を混ぜて塗り、棍棒で叩く。そうして本藍に重なるように、独特の光沢と張りを出していた。その美しさたるや。

それがベースだから、買ったよね。牛の血。上野の韓国食材のお店で手に入れた。でもね、無理よ。さすがに。そこまで出来ない、アンスナム、そこまで攻めきれない。

と、いうわけで、最終的に、いつもなんでもやってくれる福井の加工屋さんにお願いして、プロテインの粉を溶いたやつをコーティングしてもらったわけ。(実は、牛の血も頼んでみたんだけんど、ソッコーで断られるよね。そうですよね、お父さん)

そして、やっとデニム生地完成。以前は、ミャオ族と同じように製品完成後、ハンマーで叩き、生地をフラットにし、ダマになった糸を破裂させ、芯の白を出したりした。が、当時いたマンションの鉄骨は、その打音をビル全体に響かせ、住民たちをとんでもなく怒らせた。そしてさらに、一度洗濯すると、その加工の効果は跡形もなく消えた。だもんで、そこはもうスキップ。

縫製前に、絹紡糸のセルビッチを半分に折り、コバステッチを入れて細くする。
それから一枚一枚、埼玉で、それぞれのオーダーに合わせて、裁断し、縫製が始まる。

結局、このデニムに於いて、名産地、岡山での工程が一つもなくなった。
傍流に他ならない。そして、そもそも、これはデニムなのだろうかという話。 

デニム生地 抜粋

ANSNAM cedar 中野さんが選ぶ糸や生地は世界中……….ミラノやコモ湖周辺、南仏まで行き素材を造る工房で職人と話し、見て、仕入れる日本では浜松や青森、山梨などの職人が染めたり織ったりする超ハイエンドな製造方法。ご興味がある方はぜひおいでください。おもしろいです。

ANSNAM cedarではこの7月9日にチェロとコンテンポラリーダンスを融合したパフォーマンスを開催されます。マイクなしのアコースティックな響きが堪能できるLIVEになると思います。興味がある方は問合せください。本日時点(6月27日時)で少し残りがあるそうです。


Audio Dripper×ANSNAM cedar (アンスナム・シダー)
108-0071 東京都港区白金台5-13-14 2階

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