お客様ご納品|ATC SCM50Tsl 自身の音楽力を問われるスピーカー

|お客様ご納品|

ATC SCM50Tsl 

聴き手の音楽力も問われるスピーカー。


楽器を弾く人やLiveで音楽を聴かれる方とオーディオマニアでは聴き方がちがう。

世界で一番、耳がいい国民が住む英国のモニタースピーカーメーカー|ATC SCM50Tsl

ATC SCM50Tsl mint nagano

自分のオーディオのはじまりは、アルトサックスをやっていて、

ある時オーネット・コールマンを聴きそのレコードに合わせて演奏したい、

という欲望が募って、高校生の頃JBL2425Jや075を入手!(当時買える限界のJBLでした)

ウーファーはシステムコンポのスピーカーを代用w

音のクオリティなんか二の次で”エネルギー感”と”キレ”に

自分のアルトの音を合わせたいという欲だけ・・・・

ATC SCM50Tsl30周年記念モデル|中古ATCスピーカー

ATC SCM50Tsl30周年記念モデル|ATCスピーカー

不安と期待が交錯するATC SCM50Tsl

ATC SCM50Tslを購入されたお客様は30年以上のキャリアがあるオーディオファイルの方。

過去に楽器を演奏し、LIVEへよく行かれるそうだ。

今はハイエンドスピーカーとJBL4343Aをご使用。

・・・が、不思議とお電話で何度もATC SCM50Tslのサウンドを確かめられた。

その理由は過去にお付き合いのある何店かのショップ店員や友人から

ATCは鳴らしにくいので辞めた方がいい、というアドバイスが多数あったから、

だそうだ。

僕はまったく逆でハーモニックなサウンドやコード分解力はすごいものがあると思っていた。

特にLOWはホールや会場の空気感も感じる・・・生のホールやLIVE会場でのあの空気感だ。

あくまで”音の分解能”ではない。低域が出るとかでもない(実際はかなり下まで伸びる)。

然るべきスピーカーならそういう枝葉は、後からぶっちゃけどうにでもなる。

スピーカーで一番、肝心なのは「音楽力」に尽きる。

音楽のコードフロー、楽器のグラデーション、会場(演奏場)のエア感など。

マイクの質やマスタリング、エンジニアの意図など・・・・

音楽力とは音楽の本質やプ音楽ロダクトの背景にあるものを鳴らす…..みたいなコト。

jbl4343b

ATC SCM50Tslをご納品させて頂いたお客様がJBL他2種類のスピーカーを使用されていて、

有名なハイエンドスピーカーも聴かせて頂いた。

ピアノトリオ・・・・LOWの量は出ているがウッドベースがエレキベースになっている。

測定上はフラットで30Hz位は出ているかもしれないがグラデーション不足。

右手が上で左手が下の変則的なカタチのピアノを弾いているイメージ。

シンバルがアルミ箔になっている・・・

帯域の速度感が異なる・・・

そして、サウンドステージがとても小さく音離れが悪い。

ピアノトリオを30秒ぐらい聴いた印象・・・

 

「ご自分でこのサウンドはお好きですか?」と聞くと「ノー」のお答え。

それはそうだろうと思う。相応なハイエンドなシステムで

音楽が伝わって来ないシステム・・・LOWも量は出るがグラデーションが

乏しいので一本調子。ビッグバンドもスモールバンドなサイズ感・・・

こうしたサウンドで鳴るお宅は多い事も事実。

ATC SCM50Tsl used mint

ATC SCM50Tslを鳴らす。

ATC SCM50Tslを”ワイド”を広げてほぼ正面向きのポン置き。

これだけで部屋に”音楽”が蘇る。

さっきと同じピアノトリオでも高校生のトリオとヨーロッパのプロほど違う。

ディレクターの意図が伝わってくる。

お客様にもそれはすぐに伝わったので、安心され喜ばれていた。

フィンランドバーチなのか?甘いなんとも言えない響きや余韻が音楽に効く感じ。

こういうテイストは分解能や解像度を歪、S/Nというわかりやすい指標を詰めても難しいだろうと思う。

スポーツカーなんかとも似ている。絶対性能かハンドリングフィールか?など。

特にスピーカーは音楽をよく知っている人達が製品の音決めをするか否か、

にかかっているのではないかと思う。

単純にスポット的にいい部品や純度の高いを使ってもいいワケではない。

75㎜ドーム型ミッドレンジスピーカー

75㎜ドーム型ミッドレンジスピーカー

鳴らしにくさでは言えば、Thiel CS5とかはこれ以上に鳴らしにくい。

ATCは100でも50でもLOWは充分に出る。

モニタースピーカーメーカーらしいスピーカーである。

エア感を撮るマイクからの音の違いや距離がわかるスピーカー。

オンマイクのバスドラにエア成分をどれだけ入れているかも。もちろんホールトーンも。

要はATCは音楽プロダクトで重要なことをしっかり聴けるということ。

さすがはモニタースピーカーメーカーが造ったモノ。

調整する時にそれがなんなのかがわかっていないとトンチンカンに

モノトーンでズンドコ鳴る。

 

弦高のウッドベースなのか否か開放弦か否か・・・

グランドピアノのサイズ感も伝わってくる、ATC SCM50Tslだとほぼ、すべてわかる。

複雑な和声が音楽にどんな効果をもたらすか、みたいなところも聴きとれます。

今回ご納品させて頂いたお客様宅で聴いたピアノとチェロのワンマイクのデュオ盤。

2人が呼吸で合わせて演奏する空気感が表現され、ピアノはオフ目のトラックを上げているなど、

ATC SCM50Tslへ変わっただけで音楽の表情が艶やかにわかる。

音楽を聴くならいいスピーカーだとあらためて気づかせてもらった。

・・・単純なオーディオ的な凄味はない。

ATC初期のモニタースピーカー

ATC初期のモニタースピーカー

ATC SCM50Tslは何店かのショップ店員の方は鳴らしにくいスピーカーと言われたそうだ。

僕の知り合いでかなり正確に表現したのはダイナミックオーディオの佐藤さん。

「下手に鳴らすと鳴らないスピーカー、

でも、いいアンプならサイズ以上の鳴り方がするスピーカーですよ」

彼はギターもプロ級・・・コード楽器を演奏する人は

オーディオ評価も正確だとあらためて感じる。

 

お客様宅のスペクトラルのアンプの性能が発揮されているサウンドなのか、

各ユニットの速度が完全に合っている印象。

鳴らしにくいATCを上手く鳴らすスペクトラルのアンプ。

ATC前のスピーカーと同じアンプなのか疑ってしまうサウンド・・・

 

さて、今回お客様のアンプとATC SCM50Tslはとても良い相性だったように思う。

スピーカー選びは見失うと迷路に迷う、流行で選ぶと数年後には古くなったり、

自分で買っていない他人のちょっと聴きの意見は参考にならない。

 

スピーカーはあくまで音楽が鳴る為の道具。だとすれば、音楽を知ることが近道かも。。

とにかく不安が消え、お客様がATCの良さをすぐわかったようで良かった!

azumino ATC SCM50Tsl

【ATC SCM50Tslご納品 数日後のお客様からのレビュー】

納品と調整が終わってから6時間以上聴きました。

ATCを使っている友人が来て聴いてもらうと、以前のスピーカーと比較して

次元がかわったような鳴り方になった。自分のATCももっと鳴るよう調整したい。

来月国内音響メーカーの方がいらっしゃるのが楽しみです。

とにかく音楽性が格段にあがって安心して聴けるようになりました。

聴くことが毎日楽しくなりました。


かなり控え目にレビューとして掲載しました。

ありがとうございました。

ただ、もっとよく鳴ります!!

室内のスピーカー面いっぱいに艶やかに

サウンドステージが広がるスピーカーです。

 

・・・2007年緯線のATCをお持ちの方、高く買い取ります!