過去は捨てることできず、時間は止まらない。
しかし、未来は今決めることができる。
cello PERFORMANCEとcello PERFORMANCE MK2と、チェロ・オーディオ・パレットと。
5年前に知り合ったお客さまがパワーアンプを選びに来られた。
東北道~圏央道~中央道 朝5時起きで、
2時間ほどの滞在で日帰りで中央道~圏央道~東北道で帰途に。
何度目かの甲府ANNEX。
菓子折りを3つ携え、伝統工芸の茶筒のお土産。
ヤラレタ・・・
お客さまは20代の頃にSS誌に掲載され、Mark Levinson氏にも何度も会っている兵。
考える、どうしたら満たされる選択をして頂けるか。
納得いく廃れない未来の粒を見つけられるか。
視聴スピーカーや距離、ソースの順番やリピートパターン、空調を合わせる。
聴かれる音楽と、購入頂いた数多くのアイテム達を想像する。
ご予約頂いているcello AUDIO PALETTE(OH)とも合わせる。

お客様のリスニングルーム(仮)

お客様のリスニングルーム(仮)
4年、5年前に何人かのお客さま達が、海のモノとも山のモノとも知れない
Audio Dripperの未来を決めたのではと、今になって思う。
最近よく思うのは、店はお客さまに育てられ、鍛えてもらってると感じるようになってから、
感謝の想いが湧いてくる。コロナ禍で閑だからではない^^;
僕が電話で話す時間が1日3,4時間ほどになる時はざらにある。ある種のリモートワーク・・・
とにかく、これまでの生活スタイルから「新しい生活様式」へと変わろうとしている世界において、
下の写真のようなパワーアンプは全く縁がないだろうと思う。
素っ気ない四角いアルミの箱。ナンだかわからない箱。

cello PERFORMANCEとcello PERFORMANCE MK2パワーアンプ
ところが、だ。
薄いアルミ板できた箱だが、、、現役の国内自動車メーカーの金属加工部品を数億円の機械で
くり抜き製造する工場を経営する人間が驚いた精緻極まるサイズ出しと加工技術で成り立つ四角形。
ダウンライトが複雑に反射する微妙な気配のハンドメイドなヘアライン仕上げ。
テキストロン・カムカー社のトルクスボルトの配列はまるで一定のリズムを刻むかのように。
正面につく「cello」のロゴは当時のMark Levinsonの彼女の手でエッチングされたそうだ。
一人か二人なのかはわからないが、とにかく美しくカワイイ女子達が描いた。

cello AUDIO PERFORMANCE
まるで意図されていない様で、ボルトを敢えて隠さない、
とても深く巧みなデザインがされている削ぎ落したかのような箱。
外観のデザインすら眼中にないよ、というレトリック。
わかりやすくはないね。
ところが、だ。
この4つアルミの箱がしかるべき配列で置かれていると、
不思議に胸の真ん中あたりで音楽が鳴ってくる。
ある種のアイコンとでもいうか、スイッチか。これがヒートシンクむき出しの
MLASかもしれないし、アルミ削り出し筐体のAyreかもしれないし。
貴方にとってピンくればそれは何でもイイ。
誰も、貴方のホントの心の中まではわからない。

cello PERFORMANCE&cello PERFORMANCE MK2
とにかく、cello PERFORMANCE。それと、
cello PERFORMANCE MK2のどちらが、どうなのか問題?
チェロに限らずオーディオに限らず、プロダクトの宿命みたいなもので、
コンセプトを継承することがあり、それがシグネチャーやMK2といったカタチ。
今回のcello パフォーマンスもまったくカタチが同じで中身が若干異なる。
下はチェロパフォーマンスMK2の電源部。手前のケースにトランスとチョークコイルが格納。
アルミケースの周りには遮音材が貼ってある。工夫がみられる。
1980年代後半から最終的には500万円を超えていく・・・

cello パフォーマンス MK2の電源部
下はチェロ・パフォーマンスの電源部。EIコアがむき出し!
以前にも掲載しましたがデカい!電源制御部の回路はまったく同じ。
中身を見てすっからかんじゃない!と思うのはまだまだです^^

中古チェロ|cello PERFORMANCEパワーアンプ 中古|EIコアモデル
出力トランジスタが入る内部は上部からはほぼ全く同じレイアウト。
冷却ファンは左⇒右へ送風される。たしか60WまでA級動作だけど、
筐体はほんのり熱くなる程度。

中古チェロ|cello PERFORMANCEパワーアンプ 中古|EIコアモデル
パフォーマンスとパフォーマンスMK2では暗騒音が若干ちがう。
個体差もあると思うが、対策されているMK2に静けさがある。箱鳴りがないのがMK2。
どちらも音楽が鳴れば気にならない状態の個体。
いずれにしてもパフォーマンスはトランス唸りやファン音に個体差があるので、
購入する際は視聴された方が良いかも・・・部屋が広い方は気にされなくてもいいかと。

cello Referenceシリーズ
ようやくサウンドの違いですが、おそらく明確にある。トランス形容が違うのだからあるハズ?!
過去の売買価格から市場的にはcello PERFORMANCE MK2が評価が高いんだと思う。
ざっくり、、、例えばボーカル系のソースが多くミッドレンジに厚みが欲しい方は初期パフォーマンスを。
全帯域でフラットなバランスや静けさを求める場合はパフォーマンスMK2に。
しかし、cello Referenceシリーズにはcello AUDIO PALETTEがあるので、
いずれの過不足を補う事ができる可能性がある。
それほど支配力が強いパラメトリックイコライザーでもある。
お客さまが持参された、何枚かのうち伊藤君子さんの「A Natural Woman」のボーカルソースは、
ある程度年齢をかさねた大人の女性の艶っぽさや優美さ、素敵な人生がどう表現されるか。
いずれのパワーアンプでも下の写真の中空にしっかり浮きスピーカーの存在がほぼなくなり、
主役の音像が存在感とともに浮き上がった(おそらく^^)
左右の壁間は約12メートル×高さ3メートルがサウンドステージとなって。
ミキシング~マスタリングされた各トラック、エフェクトがほぼわかる。
盤プロダクトのちがいは克明に描き切る。
そもそも一連のチェロ・リファレンス・シリーズはそのために存在した。
ちなみにUREIは別途JBL2インチドライバーとトゥイーターを追加した状態で
15インチダブルウーファーと相まってトータルインピーダンス的にはかなりキツイ状態。
同軸のコーンはE145を母体とするからJBL DD55000のウーファーと同じ。
さらにダブルウーファーなって1インチ&2インチのダブルドライバーになる勘定。
・・・UREIは1980年代に普及したモニタースピーカーで位相や時間軸を考慮した最初のモニター。
あくまで、ベーシックな鳴り方を確認する行為のためのツール。

cello PERFORMANCEの視聴環境
ボーカル帯域の生々しさや濃度は初期cello PERFORMANCEに密度感を感じ、
ミッドローはcello PERFORMANCE MK2に厚みと骨格がありドライブ力が備わる。
これはユニバーサルなタイプのスピーカーでも同様。艶やかな優美さはいずれも備わる。
トータルなバランスではMK2かもしれないが、ことボーカルソースの実存感は初期パフォーマンスか。
オペラのような大編成をバックにしたボーカルはMK2がスケールが出る傾向。
ただし人によって、部屋のサイズによって初期筐体の遮音など若干暗騒音が気になる場合もあるだろう。
冷静に聴くと、どこに焦点を当てるかで選択がわかれるのでは?と思う。
難しいのですが、上記は部屋サイズやアンプの個体差やスピーカーの違いを無視しているので
ごくわずかなファクターでしかないかも。
大げさかもしれませんが、人生は、一日は、いつも選択の連続で、
選択が積み重なって今となって、時間が過ぎてゆく。
今日一日を思い返してください。いくつ選択したでしょうか?
選択を放棄して過ぎる時間がいかに空虚か想像してみてほしい。
単にパワーアンプを選ぶという選択も大げさかもしれないけど、未来を決めるとも言える。
その選択枝でシステム全体のトーンが変わっていき、聴く音楽が変わり、
思考も変わっていく、かもしれない。勇気になるかもしれない。
メチャやる気が出るかもしれない・・・果てに仕事が変わる人もいる(笑)

お客様リスニングルーム(仮)
どんな選択にも好き嫌いや、その人自身の考え方が自ずと反映される。
ある意味では過去のあらゆるカテゴリーの選択が凝縮されてくる。
・・・過去から今、未来が選択の蓄積や連続系なら、
時代|音楽|テクノロジー、物欲、理想etc…
オーディオは大いなる選択のシミュレーションかもしれない。
東北道~圏央道~中央道 朝5時起きで、
2時間ほどの滞在で日帰りで中央道~圏央道~東北道で帰途に。
この方の選択は夢中の度合いがMAXで、オーディオに限らず人生を最高に楽しむ
ハッピーな選択スイッチがONになっているからだろう。
cello AUDIO PALETTEとcello AUDIO PERFORMANCEは
これから新しく建てるリスニングルームに招くそうだ。
一方で何も選択しないという選択もある。そうだとしても立ち止まるわけではなく、
今、自分の手元にある過去に選んできた道具で十分楽しめるという事も選択の一つ。
工夫次第で楽しめることもたくさんある。
てなコトを自分に置き換えると至極悩ましいコト!!物欲あるしイロイロある
夕暮れはまだまだもっと先だろう