最新CDトランスポート×
ヴィンテージD/Aコンバーター マトリクス
東京丸の内。新しいビルと古いビルが融合し奥行きあるオフィス街がひろがる。ツルっとした清潔な面持ちだけではない表情。新しい街の新しい商業施設は新鮮ではあるけど画一的すぎて雑多で妖しい店やスペースがない。店主というもより数字に追われる人々の希求する視線……時にモノゴトは複雑でザラっとした手触りでハッとする。
最近、お客様からふとした事で伺う言葉『音はキレイなんだけど・・・』分解能やハイまで綺麗に伸びたサウンド………それでも、ナニかが足りない、と感じる感覚。
いつも何かが少しだけ足りてない状態がしあかもしれませんが。。
今回ピックアップするCDトランスポートはORACLE CD2000 MK4 CD Transport、Chord Blu&Coda、KRELL MD2やSTUDER D730MK2、D731とcello R-DAC Reference DACとGOLDMUND Mimesis 10DAC、DCSなど。
2019年で4世代目を迎えるORACLE CD2000 MK4 CD Transport
まずORACLE CD2000 MK4 CD Transport。理詰めな設計が優雅なデザインとして結実。リビングなどに置くとオブジェのようにクールに映えるCDトランスポート。DACはcello R-DACとセット。サウンドはCD媒体で聴ける極上なランクかもしれません。分解能の高さをナチュラルにほぐす余裕があるCDトランスポート。
STUDER D730MK2レストア版を&水平スタンドをCDトランスポートとして聴く。
STUDER D730MK2のレストア版はサウンドのクオリティ面からはORACLE CD2000 MK4 CD Transportと変わりません。アルミダイカストベースのPHILIPS CDM4を分解整備し、レーザーダイオード出力が新品同様のため、そお悪くないハズでオラクルのCDトランスポートとの差は音色…..と言ったところか。ただ余韻や倍音はORACLE CD2000 MK4 CD Transportがよく出ていると思います。実体感などはSTUDER D730MK2があるかもしれません。
もし今回、STUDER 727(CDM1メカ)のフルレストア版があったらおもしろかったかもしれません。
クレルデジタルMD1の弟機、KRELL MD2 CDトランスポート。
PHILIPS CDM4をドライブメカとしたMD2。国内では未販売のもの。MD1やMD10 と比較するとシャーシの造りなどはかなり落ちます。サウンドは同じドライブメカのSTUDER D730MK2をより分厚くナローにしたサウンド。トランスポートでがありますがかなりの差があります。現代のHiFi機を聴かれる方にはとてもナローと感じるかもしれません。ただ同一環境下で比較しなければ良いサウンドです。
コンパクトなCHORD blu&coda CD Transportを聴く。
CHORD blu&coda CD Transportもcello R-DACでセット。デザイン的な面白さはありますがユーティリティ的には改善の余地がありそうな部分があります。サウンドは中庸でこの中ではUSED価格也です。
STUDER D731フルチューニング版をセット。
このSTUDER D731はクロックUPしないバージョンでのフルチューニング版でオペアンプなどにバーブラウンを使用。単体としても十分に聴ける仕様です。デジタル出力時もSTUDER D730MK2同様のキャラクターで使い勝手がデッキタイプとなっています。
視聴で聴いたソースは下記です。Miles Davis盤は最近リマスタリングされたものと古い盤を聴きました。基本的には演者の存在感とライブ会場の広さと高さに注目しました。マイルスのミュートtp時の高さと演者との距離感などでORACLE CD2000 MK4 CD TransportとSTUDER D730MK2は甲乙つけがたいものがありました。
CDトランスポートの違いは聴かれる音楽などでもチョイスが変わります。贅沢できるならデジタルオーディオを趣味的に突き詰めたORACLE CD2000 MK4 CD Transportという選択。スタジオやマスタリングエンジニア御用達のSTUDER D730MK2の2台体制が面白い。
オーディオはその時点の理想的な佇まい(音&デザイン)をパズルのように組み上げ、音楽によっては1ピースだけを変え、気分によってまた戻す。そういう繰り返しなのですが、そこに自分が聴く音楽や音楽的な経験なども合わさるマトリクス。
・・・サウンド全体で言えば部屋や音量も含まれてきたりするので、かなり複雑で面白いパズルかも。
Audio Dripper 清田亮一