cello ENCORE 1MΩ-Mark Levinson ML1

Mark Levinson ML1と

cello ENCORE 1MΩ LINE MK2

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OLD MLAS ML1と最終cello ENCORE 1MΩ L2のサウンド

cello ENCORE PREAMP 1MΩ L2

Mark Levinson ML1 & cello ENCORE 1MΩ LINE MK2

2台は20年ほどの期間経てMark Levinsonがディレクションしたプリアンプ。 ML1LはJC2の前身からJohn Curlが設計を担当。cello ENCORE 1MΩ L2はTom Colangeloが設計。ML7Lが前身にあったと言ってもいいでしょうか。いずれも音決めはMark Levinson氏の存在が大きかったと思われます。

audio listening cd

試聴盤はボーカルものでカリ・ブレムネス /GATE VED GATE、ピアノ協奏曲でBEETHOVEN No.4 アンドラーシュ・シフ(p)、ハイティンク指揮ドレスデン・シュターツカペレ。同じく4番でフリードリヒ・グルダ(p)、ホルスト・シュタイン指揮ウィーンフィル、JAZZピアノトリオはボボ・ステンソン/Contra La Indecision/ECMなどが試聴盤。

cello ENCORE 1MΩ LINE MK2 

チェロ・アンコールシリーズの最終期に近い仕様のライン専用プリアンプ。輸入元はRFエンタープライぜスからステラヴォックスへ変わってます。VIOLA CADENZAの初期モデルとも似た回路構成。完成度が高いプリアンプ言えるでしょうか。

cello ENCORE 1MΩ Line MK2 | 中古チェロ・アンコール・パワーサプライ

cello ENCORE 1MΩ Line MK2 | 中古チェロ・アンコール・パワーサプライ

ホール感や各楽器パートのコントラストを鮮やかに表現するピアノ協奏曲(BEETHOVEN No.4 アンドラーシュ・シフ(p)、ハイティンク指揮ドレスデン・シュターツカペレ)は瑞々しく力強さもあります。前後感を伴うヴァイオリンとチェロの音色、描き方やコントラストはニクい表現。

cello ENCORE 1MΩ L MK2の入力ゲインを+20へ設定すると”圧”を感じるサウンド。この盤だと+「15」ぐらいで良さそうです。シフのピアノも気品ある音色、木管楽器の漂うエア感も良い感じです。1970年代に録音されたフリードリヒ・グルダ(p)盤の厚みとハーモニーも聴き応えありです。ゲイン設定で表情を変えられるとこは音源や組み合わせるシステムで微調整できるファクターです。クラシック音源でコンサートホールのリッチなライブネスなども体感できるプリアンプ。

trial listening cd

女性ボーカルのカリ・ブレムネス /GATE VED GATE(ノルウェー)は甘みと陰影感、含みのある発声など深みあるサウンド。分解能や解像度という分かりやすさに訴求する表現ではない感じ。この盤の録音からマスタリングがとても良く、しっかりしたプロダクト。

cello ENCORE 1MΩ LINE MK2で『オッ!』と感じたのが、ボボ・ステンソン/Contra La Indecision/ECM。こちらも録音&マスタリングがいい盤ですが、音の粒立ちの良さとリッチネス。空間に音が立ち上がってくる感じ、消えてゆく音際にゾクっときます。ドラムスはシンバルの種類の鳴らし分けやパルシブなタム、リムショットはシャープ。分解能の高さも感じるセットです。

Mark Levinson ML-1L

中古レビンソン|Mark Levinson ML1L pre-amp PLS150&Woodcase used

Mark Levinson ML1 pre-amp PLS150&Woodcase used|中古マークレビンソンML1 プリアンプ

 John Curlが設計したJC2とほぼ同様のコンストラクションのML1。封印モジュールタイプのドライバー段となります。次期ML7L以降からオープンモジュールとなります。試聴時時のメモを見ると「圧」や「強」という単語が多かったようです。単体として聴くとそう強い音ではないんですが他のプリアンプと比較していくと強い硬度感あるサウンドと言えるかもしれません。

聴く音楽やシステムなどによってこうしたキャラクターをつける事もオーディオの楽しみかと思います。ピアノ協奏曲のゲイン設定は-3としました。一方でJAZZピアノトリオ、ボボ・ステンソン/Contra La Indecision/ECMの生々しさは冷静さを失う感覚があります。1970年代のピュアオーディオ、特にレビンソン特有の斬れ込んでいく感じは当時のプリ特有なのかもしれませんね。同時期のML6はさらに彫りが深い凛としたサウンドを聴かせてくれます。

Mark Levinson ML1L pre

マークレビンソン、チェロのプリアンプ全般に言えますが、ゲイン設定によるサウンドの感触(耳触)はかなり違うところです。聴かれる音楽によって積極的に変えると良いと思います。Mark Levinson LNP-2Lなどはメーターがあり音源によってかなり違います。ML1にはゲインのHiとLOWの切り替えがあり、こちらは出来るだけHiが良いと思います。

cello ENCORE 1MΩ&初期電源ユニットPLS150パワーサプライ|Mark Levinson ML1L pre-amp PLS150&Woodcase used|中古マークレビンソンML1L プリアンプ

同じ環境でMark Levinson LNP-2Lを聴くとML1を若干マイルドにした感触。倍音や余韻、声の厚みなども乗る感じです。ピアノ協奏曲に関してはホールサイズや会場の高さも感じます。女性ボーカルのカリ・ブレムネス /GATE VED GATE盤は声の“甘み”や”艶”が印象的でこの3台の中では一番あったように感じます。
(※いずれも製造から30年、40年経つプリアンプですので個体差があります)

部屋やシステムが異りますがcello Reference Seriesは厚みと艶、ダイナミズムを感じるサウンド。特にプリアンプをcello AUDIO SUITE⇒cello AUDIO PALETTEを整備・調整した個体は現代ハイエンド機とは異なる世界を表現してくれます。

cello system

初期レビンソンプリアンプMark Levinson ML1と最後期cello ENCORE 1MΩ LINE MK2は当然ながら共通項もありますが、時代也の解釈のちがいや表現の差、音の佇まいに個性があります。

このあたりのヴィンテージハイエンドはどちらが良いか、悪いかではなく好きか嫌いかで選んでいくオーディオだと思います。いずれも個体差があり、試聴環境やセットのごく一部の側面です。


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