【更新】プリアンプListen View!そして……….
darTZeel NHB-18NS & Mark Levinson No.32L & LINN klimax kontrol SE/dps ver.UP
darTZeel NHB-18NSとMark Levinson No.32Lのアフターアワーズ。
お客様がオーディオ機器をご試聴の時は決まってルームの左後ろ端に居ます。
決して、、見張っているわけではありません^^
その左端が定位置で凡そのサウンドを確認しています。たまにセンターでも
確認させて頂きますが、だいたい左後方端っこで変更した機器のサウンドや音楽を聴きながら
メールなどをご返信させて頂いています。
慣れるとそんな偏った場所でもサウンドの違いや変化は明快にわかります。
今回の変化は特に興味深いもの………….
その主役は、スイスのdarTZeel NHB-18NS。
darTZeel NHB-18NSに興味を持ったのはスタジオ機器などで採用されたりする
プラグイン式のセパレート構造の内部や使われている部品などから。
今回の試聴はお客様のご希望からMark Levinson No.32Lがメインで試聴がはじまりました。
No.32Lは朝沼予史宏氏、細谷信二氏、柳沢功力氏、山本浩二氏など多くのオーディオ評論家の方々の
仕事場で活躍したようです。山中敬三氏もご存命ならNo.32Lが部屋に鎮座していたかもしれません。
今回のNo.32Lは外観の状態や付属品の手袋、元箱などが揃っていて、
元オーナー様が大切にご使用されてきた個体である事は充分に伝わります。
仕事柄、オーバーホール依頼や販売品などかなりのNo.32Lを見たり、音を聴いていると…..
若干、消耗や劣化している電子部品がいくつかある事がなんとなくわかります。
裏面や側面などの状態から外観の状態はAクラスである事もわかります。
もちろん不具合はないのでこのままでもいいのですが…..なるべく新品時と同じ音を!と思います。
実際No.52Lとオーバーホール後のNo.32Lとの比較試聴でクオリティ的な優劣を
つけるのはなかなか困難でした……….例えるならスポットライトが当て方やコンダクターのちがい、
ホールのちがい、そうした差異なのだろうと思います。
あるジャンルの音楽では32Lが俄然良く鳴ったし、その逆もあり………..
でも、きっと新しいのは進化しているのだろうと思います。
新たな時代になれば既知を超えた発想や人材も豊かになると期待していますが、
内部を眺めていると時代の流れなのか、ブランドは同じでも搭載されている電子部品が
小さくなりコストダウンもあってコトはそう単純じゃなそうですが、良くなっていくと期待したいです!
今回のMark Levinson No.32Lも納品前に上記ぐらいのパーツを交換する事になるでしょう。
逆に言うと、交換していないNo.32Lは実力の7割ぐらいの力でダルく鳴っていると思っても問題ないのかもw
なぜなら、オーバーホール依頼で入荷するほとんどのNo.32Lが今一つ吹っ切れてなそうな感じや
なにか胃が悪そうな感じだから・・・・何台も聴いているとある傾向があるようです。
とにかくリファレンス機、Mark Levinson No.32L……………
32Lを繋ぐとシステム全体から静かで忍しが漲るように感じる。
なにか前面に立って目立たつことはないけどヒタヒタ忍び寄ってくるような塩梅。
音楽のダークさを震えるように凍み通すように鳴らせる……..しかしNo.32Lの実力はこんなもんじゃない。
駄目な部品を刷新すれば世界は変わる、ってぐらい変わります、もちろん良い方向で。
『オリジナル部品を変えたら音が変わりますよね』・・・
いや、音や状態は新品時からずっと変わり続けています。エージングが済んで巧く鳴るように上がり、
緩やかに消耗し穏やかに下降していく。。やがて一部のコンデンサなどは規定容量が貯められなかったり、
トランジスタ近辺のアルミ電解コンデンサは酷い場合は電解液が駄々漏れ、基板を汚す、
その内基板上や複層基板なら内部に浸透し長期の熱で炭化しEND・・・
また長期の経過で増幅率が落ちて揃ってないトランジスタなどが悪さするetc….
特に小さい電解コンデンサは時間経過と発熱と劣化の相関性は「アレニウスの法則10℃2倍則」に従い
オリジナル部品であっても回路図やレギュレーションを無視し変質し気がつかないうちに
新品時の性能が発揮できなくなります。しかしその変化は緩やかなので気がつきません。
お客さまの中にもいろんな分野の技術者の方がいらっしゃってお話をしているとほぼ先刻承知な事です。
なので、消耗した部品を新しくしてあげる事でかなり、かなり!甦ります。
過去20台以上オーバーホール整備したNo.32Lは、かなり甦りました。
話が脱線しまくっていますが、
下は自動車事業部でパーツ開発中のフルノーマル車のタイヤ(ミシュラン・パイロットスポーツCUP2)で、
今年11月25日に新品へ交換し12月10日時点で、サーキットを3回(30分×4本)走行した純正タイヤです。
キャンバーやトー等のアライメントがノーマルのままである事も関係しますが、ここまで外側が消耗すると
ハンドリングが激変してきます。新品では大丈夫だった横Gに耐えられなくなり滑るようなってしまいます。
同一スピードを稼ごうとハンドルをきり増しするとさらに抉れて来ます。
このクルマではサーキットのストレートエンドで時速280kキロから90キロほどまでに
減速しコーナーに入ります、、、5キロ弱のコースを周回すると実質 約1時間30分ほどでタイヤは消耗します。
敵は「熱」と横Gです。気温10度でも表面が溶けていきます。。
オーディオ機器も実は同じで、サーキットを走るタイヤ程極端ではありませんが、
長時間、稼働(発熱)する事で純正部品の性能は緩やかに落ちていきます。
もちろん必要な発熱もありますが……………..消耗部品新品にする、交換する、調整する、
整備する、という事で性能は維持できます。
Mark Levinson No.32Lも消耗部品を交換していくと、また甦り第一線レベルまで追い込めます!
このNo.32Lは外観の状態がすこぶる良く、考えようによっては消耗したサウンドと甦ったサウンドの
両方が愉しめる贅沢なリファレンス・プリアンプと言えます!
次に聴いたのがLINN klimax kontrol SE.dps ver,UP。
LINNのシステムは僕個人のプライベートシステムでLINN klimax kontrol 初期やTWIN、SOLO、
KOMRIなどで聴いていて好きなブランドです。
今回の試聴時はSE/DPSアップグレード版でした。
パワーアンプのSOLOと相まって過不足がないサウンド。いつもの中庸の美。
No.32Lから切り替わると若干華やぐ軽さも感じるような。プリアンプの価格はざっくり1/2になります。
この価格差×サウンドは誰もが感じるのか?気になるところです。
個人的には確かに”感じる”がユーティリティなど有り余る優位性もあると思っています。
また、これまで何台も扱ったきた中古 LINN klimax kontrolプリアンプの凄さは
一度も不具合が出た個体がないという事です。
現在LINN社でがプリアンプがラインナップされていませんが、オーディオシステムの頭脳は
プリアンプだと思うので復活して欲しいなと思います。
メーカーのある種の意図であることは充分に分かった上で。
最後に聴いたdarTZeel NHB-18NSのサウンド。
ダールジールのプリアンプはお客様にに、こんな機種もありますよ的に鳴らしてみました……..
まずお客さまがご持参されたソースを聴いている、僕の定位置の左後方端つっこのサウンドでは
各トラックミックスダウンやマスタリングのちがいが如実にわかり、女性ボーカルの艶感、しなやか度、
色気、伸びやかさが格段と上がりました。
これがベスト盤なのだろうという事もわかる程の各トラックの音作りの特徴を
クローズアップしてくれたプリアンプ。もちろんステレオのセンターではなく部屋の端で聴いていてもです。
こんなにも違うのか。スイス、過去に混迷と混血が強いヨーロッパ人特有の地域のプロダクトは時に
スゴイものがあると。血というか文化の深度がそのままサウンドになっているかのような感覚です。
お客さまも『デザインが嫌いだから、聴きもしなかったけど……この中だとダールジールしか考えられない』と
漏らすほどにこのシステム(B&W800MATRIX)でのダールジールと『女子ボーカル』の相性は良かった。
その後個人的にJBL DD55000 Everestで聴きこんでもあの色気は変わらない。
逆に言うと色っぽさや艶が色なのか…..
アメリカのホーンスピーカーは時にあっけらかんと鳴らす感じがあり、その耳補正に5分ほ要するが、、、
ダールジールは古いアメリカのスピーカーともそれなりに相性が良く巧みに乗りこなしているような雰囲気。
それだけ個性が強いのかもしれませんが、ヘンなアクセントでキャラクターをつけているわけではなく、
総じて音楽力が高い印象。これはどのソースにも共通していました。
ではここで再度、Mark LevinsonNo.32Lへと戻す……………表現に緩みがなく非常に生真面目な印象になる。
悪くない。きっちりした中にある種の暗さが漂うがそれは人間らしくもあるような感じ。
darTZeel NHB-18NSと比べて地味目な表現に感じるがリファレンスらしいとも言えるのかも・・・・
今回僕が聴いたソースが下記となります。
各プリアンプの定価付けですがLINN klimax kontrol SE/dpsが約170万円、
Mark Levinson No.32Lが約300万円、darTZeel NHB-18NSが約520万円……こうして一気通貫して聴くと
世界観の違いとプライス感がほぼ出た結果かなと思います。
しかしdarTZeel NHB-18NSのオーディオ的にも精緻で大人っぽい潤いある表現はズルいなぁと思います。
とは言っても32Lの本気はオーバーホール整備後にわかるのでここではまだまだ(笑)
cello Encore 1MΩ Lとcello Encore 1MΩ PHONO
追加・・・アンコールの2台も別日の同条件で試聴。
2台ともしっかりオーバーホール整備と調整を終えた状態。
ちなみに販売前にオーバーホール整備をする理由は………..
単に良い状態との差が歴然とあって、50台以上のアンコールプリアンプに
接しているとわかってしまいます。。。最近では天板を開けてNGそうな部品を
指摘できるような感じ。。
肝心のサウンドですが、やはり陰影感とハイに若干の、ほんの僅かなシズル感をほんのり彩るのが
音楽にリアルさをもたらす感じはアンコールならでは。1MΩの初期はミッドレンジに厚みを感じ、
1MΩLはレンジ感の伸びを感じる差異。あくまで今回のセットなのでシステムが変わると
感じ方も変わるかもしれませんが、概ね印象は同じかと。
求める世界観に応じて選べばいいのかなと思います。
・・・・電源部に関するSPRAGUEは時間経過で100%消耗していき、
酷い時は液漏れを起こし、基板を駄目にしてThe ENDになるので整備内容が重要な要素。
内部を見ていると正しく整備してある個体は今後10、20年は聴けるのでは思います。
・・・・でもこうした視聴はとても楽しい!4時間ほどはあっと言う間に過ぎていきます!
あ、ご購入も可能ですのでどうぞよろしくお願いいたします。
ハイエンドプリアンプの買取り・下取りやオーバーホール整備、
ご購入はお任せください!
ご試聴日時:水・木・金・土 13~19時
電話|東京 03-5809-3401 , 甲府ANNEX 070-5081-8877
メールでお問合わせ audiodripper@gmail.com
Visit is a reservation system
ご試聴は1組様だけでじっくりお聴きできますので事前にご予約ください。
ご購入時は「ご購入・保証について」ページをご一読ください⇒
Audio Dripper (株)アイコステック 会社概要⇒