じっくり聴く、ジェフローランド。
Jeff Rowland Listen View プリアンプ
Jeff Rowland Design Group
Consummate , Criterion , Synergy
Jeff Rowland D.G.|ジェフローランド プリアンプ3機種&パワーアンプ
年末年始の休みに、2日ほど試聴スペースで聴き比べたJeff Rowlandプリアンプ、3機種。
1970年代中盤あたりか脚光を浴び始めたいわゆるハイエンドオーディオや
ピュアオーディオ。アメリカではベトナム戦争にほとほと飽き飽きした世代が、
各ジャンルで新しい考え方や生き方、在り方を示し始めた時代…………
オーディオ分野ではマークレビンソンのスタジオ機器に脚光が当たり始めた時代。。
レビンソンはSS誌のインタビューでECMのポール・ブレイ(P)達との演奏や
ライフスタイルに未来を見出せずスタジオプロダクトへ転身したとこたえていました。
当初はチックコリアのワールドツアー用に収めたML2(10ペア)や
LNP2がアンプとなったML5などのデッキ(STUDER A80RCベース)などをリリース。
後に(同時期?)LNP2として一般市場にも登場。
過去のオーディオ機器とは若干異なる背景から誕生してきたとも言えます。。
1970年代~80年代初頭にネルソン・パスのスレッショルドや
ダン・ダゴスティーノのKRELLなど多数のハイエンドブランドが登場。
Jeff Rowland D.G. は最初は『ローランド・リサーチ』として、
1985年に大型モノラル・パワーアンプモデル7などを発売しました。
たしか1台60㎏あったはず!
プリアンプはモジュール式のコヒレンスで魅力的でした。
ジェフローランド氏はベジタリアンというイメージがあって、
アンプ内部のレイアウトも理路整然としたもの。
同時代のクレルとは正反対だったように思います。
デビュー当時のサウンドは個体差もあると思いますが、温度感もあり
ゆったりした傾向があったように思います。
今回初めに聴いたのはJeff Rowland Consummateプリアンプ。
パワーアンプはモノラルのJeff Rowland D.G. Model 201、
スピーカーはWilson Audio SYSTEM 7。
・・・当時はJeff Rowland D.G. やWilson Audioは大場商事が代理店で
プロダクト観が似ていたのかもしれません。
Jeff Rowland Consummate Listen View|ジェフローランド コンスメイト
名前は『コンスメイト』ですべての増幅段はクラスA動作のプリアンプ。
このプリのスゴイのは別筐体の電源部で2トランス構成で非常に充実した内容と、
USEDプライスのバランスでしょうか・・・・
ハイエンドプリアンプの入門機的価格ですがオーディオ評論家 傅 信幸氏の
リファレンスプリでもありました。
今回聴いたJeff Rowland Criterion(クライテリオン)と
Jeff Rowland Synergy(シナジー)の中では
コンスメイトは音が前に出てくる傾向が心地よいもの!
温度感が他のジェフプリアンプより高く感じるのは気のせいか……..
たしかにクライテリオンほど精緻な微細な表現ではないかもしれませんが、
とにかくサウンドが前に出てくる楽しさがあって音楽、特にポップスやJAZZが楽しい。
Elina Garanca/Bel cantoの13トラック目の
『マオメット2世: 第2幕 三重唱:この最期の瞬間にあって』は
ある程度整理した表現だけど、3重唱がしっかり指さしできるように
スピーカー間に定位する様はさすが^^
なんと言っても Marcin Wasilewski/En attendant/ECM盤の
シンバルの厚みや余韻は特筆!です。珍しいくらい熱いと思います。
Jeff Rowland Criterion Listen View|ジェフローランド クライテリオン
クライテリオンは前回入荷時にもよくヒアリングしました。
前回の個体同様の印象で端正で理知的な感じ。サウンドステージも広く、深く、
ハイエンドプリアンプの王道とも言えそうなサウンド^^
押し付ける感じやクセや音造りで聴かせたりというわかりやすい”手管”を感じさせない、
言わば玄人?好みがするプロダクトかと思います。
先ほどのElina Garanca/Bel cantoの13トラック目の
『マオメット2世: 第2幕 三重唱:この最期の瞬間にあって』は、
ホールの空気感や気配なども感じさせ、ある種の哀しみや諦観なども
感じさせてくれるところは流石!
一方で Marcin Wasilewskiトリオの冴えた感じはコンスメイトでは
あまり感じなかった表現でもあります。
Jeff Rowland Synergy Listen View|ジェフローランド シナジー
シナジーはこれまで入門機的な感じでわりとあっさりした
音造りなのかと思ってましたが、、、、
ゲインの調整でかなり表情が変わってきました。
アウトプットトランスが内蔵したモデルで、入力側やソースにもよりますが、
「INPUT TERM」を600Ωにし「GAIN」をアップしていくと
ひじょうに歌う!プリアンプになってきます。
このシナジーは販売済みですが、トランス内臓のシナジーは
面白い選択の一台となるでしょう!
Jeff Rowlandのプリアンプ&パワーアンプは
今でも純粋なハイエンドブランドとして会社が
存在(おそらく)していることが凄いです。
Jeff Rowland 氏の意思が純粋にプロダクトへ反映しているところが、
稀有なブランドと言えるでしょうか。