Klangfilm EURODYN(クラングフィルム オイロダイン)

Klangfilm EURODYN Kl.L439、強さとやさしさ。

ある時代の沸点、熱狂の中心にあったスピーカー。

Klangfilm EURODYN Kl.L439【クラングフィルム オイロダイン】

スピーカーを古いとか新しいをほんの5,6年の短いタイムスパンで右往左往してもしょうがない。プロダクトでありながら、最先端やテクノロジーだけではない側面もあるのがスピーカーという代物。ドイツKlangfilmは1920年代からEurope(オイロッパ)、Europe Klarton(オイロッパ・クラルトン)、Euronor(オイロノール)を製造。W.E.より大規模なシステムを誇っていたブランド。

昨年2セット入ったSIMENS EURODYN(シーメンス オイロダイン)。

私がAudio Dripperをやる少し前に購入したスピーカーがJBL Hartsfieldでした。しばらくVitavox CN191やスタジオ用Genelecラージモニターと一緒に鳴らしていました。当初Audio Dripperは新宿拠点でスタジオ機器の取扱いが主でスタジオ丸ごとの買取やSTUDER機の整備を行ったりしていました。2年前の5月からコンシューマ機器を東日本橋と柳橋で扱いはじめた当初、入荷したのがSIMENSオイロダイン。これがとてもダンピングが良く弾むようなサウンドが印象的でHartsfieldが霞む程だった記憶があります。その後すぐもう1台入荷しましたが平面バッフルで扱いが難しいものでした。その時も音楽ソースを選ばないサウンドで、トゥイーターなどをプラスする気が失せる程まとまりあるサウンドで、公称15kHzでしたがあまり気にならない充実度。

SIMENS Klangfilm

今回のKlangfilm EURODYN Kl.L439【クラングフィルム オイロダイン】。

Klangfilm EURODYN(クラングフィルム オイロダイン)とシーメンスオイロダインと違いはドライバー磁石の大きさとドライバー本体のサイズや造りです。さらにネットワークなどの部材。フレームの造りもちがいます。サウンドもミッドローから上の充実ぶりがKlangfilm EURODYN。ドライバーユニットのKl.L302のバックキャビティやマグネットのタフな造りは圧巻。

ちなみに現在世界のハイエンドマーケットのトップエンドはホーン型とアレイ型が多数を占めます(日本国内は独自・・・)。特に耳の超えたヨーロッパのオーディオファイルはホーン型への取り組みやブランドも多数存在します。Klangfilm EURODYNのユニットはすべて鉄のフレームにマウントされホーンも同様で、マッス部分がリジットに取り付けられています。

Klangfilm EURODYN Kl.L302ドライバー、ホーンは金属製KL-LZ30T100

クラングフィルム・オイロダインのウーファーはKl.L406(アルニコ)。たしか1950年代初旬から製造されていたと思います。サウンドの躍動感はこのウーファーによるところが大きいのではと思います。実はこれをフルレンジとした時の音離れの良さは耳を疑う程!速い低音というサウンド。このウーファーも鉄フレームにリジットに取り付けられています。これによってドライバーとウーファーの振動モードが統一されるのではと思います。ホーンは厚みがあるアルミ鋳造でスフェリカル・カーブを採用(最近では円形ホーンのAvantgarde等が採用)。

Klangfilm EURODYN Kl.L406ウーファー

Klangfilm EURODYN Kl.L439【クラングフィルム オイロダイン】のスピーカーユニット

ネットワークはオイルコンデンサーなどが使われた500HzクロスのKl.LZ433です。部品構成から-12dB/octの減衰率でしょうか。シンプルです。

Klangfilm EURODYN ネットワークKl.LZ433

ドイツのあの時代、人の情熱をかきたてるKlangfilm EURODYNのサウンド。

あなたが音楽なら何でも聴く方で、一生スピーカーを変えたくないなら、Klangfilm EURODYNをおすすめします。 おそらく現在世界で販売されているスピーカーの中で1940年代から2017年の今でも世界で信用と憧れをもたれるスピーカーは稀有です。日本国内では少数派ですが世界各国、特にヨーロッパではW.E.以上の人気があります。これから20年先の未来に残っていくスピーカーは限られています。

精緻なサウンドステージ?分解能?オイロダインはそれ以上に世界の広さと深さを聴かせてくれます。音楽が何であるか、音楽がなぜ言語より遥か以前から在り、今も演奏されているのかを伝えきる音楽力を感じさせるスピーカーはそうありません。「音」が好きな場合はKlangfilm EURODYNはNG。他に良いスピーカーがあるかもしれません。

KlangfilmEURODYN Kl.L439

あなたがJAZZを聴くなら、イーストコーストの歪んだダークなサウンドから、変拍子とアンサンブル、コンセプチャルな現代コンテンポラリーJAZZまで期待に応えてくれます。ハイレゾ音源もサラッと鳴らします。周波数帯域が問題ではありません。音で重要な要素はダイナミズム、緩急です。Klangfilm EURODYNにJBL075などは不要かと思います。
あなたが、1930年代のモノラル音源時代のクラシック音楽を聴かれるなら、2nd WAR前後の時代の空気までもヒシヒシと感じ取れるでしょう。おそらくクラシックは作曲年代が聴いていると不思議と伝わってきます。シンフォニーはこのスピーカーを前にして語る事は野暮。

ボーカル音源はどうか?Klangfilmは1930年代、ある人間の声を人々の魂や意志、生き方を左右するために使われたスピーカーなので、生半可なスピーカーではまったく太刀打ちできないです。

ドイツが世界を巻き込んだ過去の戦禍の中で発展した工業機械はVW(ポルシェ)やBMW、Klangfilm、メルセデスなど錚々たるメンツ。特にKlangfilmはあのアジテーションのテンションを保つために、人の熱を狂喜までかきたてるために、良し悪しは別として人々の魂を揺さぶる道具として使われました。。。あの時代のドイツは異様だったのかもしれませんが、そこから生まれた機械に罪はありません。また戦争と技術発展、その後の利便性は今でも切り離されない事でもあります。

2017年のリビング空間で聴くKlangfilm EURODYNという1958年のスピーカー

Klangfilm EURODYNを販売するとなると価格はある程度になってしまいます。買取価格も300万円を超えますので、我慢ください!でも、若い方にチャレンジして欲しいスピーカー。これから20年鳴らしてあげてほしい。購入された方はいろんな方に聴かせてあげてほしいです。

終のスピーカーを探されている方にもふさわしいスピーカー。鳴らすアンプは最初は何でも良いでしょう!いずれスピーカーの声を聴き、スピーカーの求める音を聴いて、ステップアップしてください。

Klangfilm EURODYN【クラングフィルム・オイロダイン】

 

Klangfilm EURODYN Kl.L439【クラングフィルム オイロダイン】  1958年製 【ご成約  ありがとうございました】
平面バッフルへ変更する再の製作費は別途ASK 

ドライバーKl.L302、ウーファーKl.L406、ホーンKL-LZ30T100、ネットワークKl.LZ433
キャビネットサイズ:高120cm・横110cm・奥行51cm(米松積層材)


 

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