Sonus faber Electa Amatorと
McIntosh MC2500、Marantz7のSoundscape
居心地の良さは、きっとサウンドにも顕れる。
東京湾が一望できる男の城に、TANNOY コーナーヨーク(RED)やMarantz 10やMarantz8、JBL L100、LHH2000などが空間に溶け込む佇まいで音楽を奏でる午後。東京と四国で仕事をされている方の東京リスニングスペース。
お客さまはFMの音がお好きらしくMarantz 10Bを2台ご所有。1台は世界的にも希少な初期モデルで、コンデンサーの数からしてちがいます。以前はHartsfieldをモノラルで鳴らしていたそうです。今回はSonus faber Electa AmatorとMcIntosh MC2500、B&Oラックをご納品させて頂きました。
お客さまのリスニングルームに漂う空気感はオーディオ好きの方々のリスニングルームとは趣きがちがい、無垢のダイニングテーブルにThorens TD124やPHILIPS LHH2000、Marantz #7(600番台)などが無造作に、意図的に、理知的にパズルのようにレイアウトされていました。意外にも使い勝手はひじょうに良さそうです。
オーディオを部屋の中でどう位置づけるかは意外と難しい事。音だけを求心的に追求する事もまちがいではありません。自分だけの「リスニングルーム」という極めてプライベートな空間の中で濃密な時間×空間を生み出す事は密やかな愉しみ。リビングルームでライフスタイルと共存するカタチでサウンドスケープを育む事も楽しい(制約のなかでのチャレンジ!)。
音が良いとか悪いは二の次で、それはなんとかするとして、その空間でどんな時間が流れるかは決まったセオリーはないのですが、やはり居ずまいや佇まいとして溢れ出てきます。それはオーディオの組み合わせや音楽、音量、照明、インテリアを含めたものでしょうか。高級なモノだけがすべてではありません。モノからコトへと言われて久しいですが、オーディオこそ、そういう部分が重要なのかもしれません。
今回ご購入頂いた、Sonus faber Electa Amatorはデビュー当時から今も色褪せないデザインとクラフトマンシップに惚れられたそうです。じつはこのSonus faber Electa Amatorは販売予定はありませんでした。状態がとても良かったので、しばらくはヨーロッパ・ダイレクトラジエータスピーカーのデモ機として考えていました。
現在のサウンドはリスニングルームのサイズ感や容積とスピーカーサイズが程よく調和していると思います。スピーカーケーブルはBeldenをご使用ですが、聴かれる音楽からノイマンやTELEFUNKENなどのヴィンテージケーブルも面白うそうです。
パワーアンプのMcIntosh MC2500はSonus faber Electa Amatorを余裕綽綽でドライブしています。S/Nは良い個体でしたので静けさもありました。
JBL幻のドライバー570
お客さまが以前に鳴らされていたJBL Hartsfieldに搭載されていたユニットはJBL製の570モデル。励磁型にもできる超貴重なドライバー。ランシング氏が生前に10台だけ製造し、当時のアメリカの映画配給会社に納品された中の1つだそうです。以前は2ペア所有されていたランシング・フリーク。サウンドは中音域の太さと温度感が別格なのだそうです。個人的にJBLのドライバーは30ペアは使ったと思いますが、570は初めて見ました。ケースは通常のJBL375の素材とまったくちがいます。貴重なモノがこの世にまだある事がうれしい!またいつか、midcentury modernとしてのハーツフィールドを楽しまれてください!
2回目のご訪問時にお客さまがSonus faber Electa Amatorを撫でられたお姿はフランコ・セルブリンのデビュー作の由来でもある”親友”を思いだしました。親友以上の相棒になって頂ければとてもうれしく思います。12月30日のご予約賜りました。