Mark Levinson ML-2L レストア録6  EIコア

憂鬱なOLD Mark Levinson 整備録 ~6~

Mark Levinson ML-2L(mono power amp)maintenance EIコア型フルレストア!


フル整備(フルレストア)へ、予定変更したML2L

いつも同じ様なメカメカしい写真ですが、ML2LのEIコア型エキポシモデルと言われる、ML2Lマニアの方にとっては涎モノのパワーアンプ。今回はこちらのでっかい電解コンデンサーの状態も現在の数値から余命2、3年程ではないかと、予測できる状況である事が発覚!正直このコンデンサー2個だけで10万円程します- -; ステレオペアで20諭吉さまです。今回はこちらも交換しますので、このEIコア型のML2Lはフルレストアとなります。当然、各ボードの劣化パーツや劣化ハンダ箇所や引きなおし含めて整備済みです。

EIコア型エキポシモデルのコンデンサー全交換

EIコア型エキポシモデルのコンデンサー

すべての大容量電解コンデンサーも交換

左側の4本の電解コンデンサーはもドライアップ状態スレスレの物もあり、内部の電解液の状態も怪しい状況ですのでSPRAGUE製の同規格パーツへ交換しました。じつは前回の修理された時に付けられていた電解コンデンサーは、ML2Lサービスマニュアルとは異なる容量の物がついていましたので「アイスキャンディー」だったわけです。今回はマニュアル通りに本来あるべき容量としSPRAGUE製の同規格パーツとしました。大きなコンデンサーは8月に国内へ輸入となる予定です。

レビンソンML2Lの正規スプラグ製コンデンサー

正規スプラグ製コンデンサー(実計測値はマニュアル通りのペアCH分)

大きな電解コンデンサー2つの交換を除いた、実測定値(カタログ計測値ではありません)S/N-100dBで恐るべし数値です。CDが実質96dBですので、相当に良い結果です。前々回と比較すると差がある事がわかるかと思います。他のボード類は同じレストアをしていますので、個体差もありますが設計年代のちがいや素材の違い等もあると思われます。EIコア型の人気の所以です。トロイダルトランスでも未整備の個体よりもマシです。(2016年9月18日現在 フルレストア後の最終的な結果はトランスによる差はありません。)

ML2LのSNと歪率の計測値

ML2LのSNと歪率の計測値

今回のMark Levinson ML2Lのレストア(フルレストア)は次から次とパーツの劣化が見つかったり、動作状態が定まらず、次々とパーツを取り寄せる事になっていますが、国内だけでは満足な数が揃わないため、海外へ発注していました。タイムラグがあるため時間がかかっている状況です。まだ大物は8月になるので、再度調整となります。おそらく納品迄に4回ほど調整し、その都度エージングするという工程となります。

外装は新品同様とはなりませんが(ブラック電磁塗装をご希望の場合は可能です、但し、全てバラします)、トランジスタを全てモトローラ生産ラインの同一ロット選別品へ交換し、平滑コンデンサーの6本(片CH当り)を新品に交換し、レギュレーターボードとオーディオボードのレストア、劣化配線材の引き直し、アースのやり直し等々中身は新品に限りなく近くなるML2Lです。


今回交換した劣化パーツはカテゴリーに区分けし交換日・箇所等をお付けしますので、売却される事があっても通常のML2Lより遥かに高額な買取となります。現時点では履歴や交換パーツの質等から国内で稼働するML2Lの中では一番高い評価が付与できる個体です。

・・・整備担当の執念と熱意、パーフェクト主義には頭が下がります。寛容にお待ち頂いているお客様、誠にありがとうございます。