憂鬱なOLD Mark Levinson 整備録 ~7~
Mark Levinson ML-2L(mono power amp)maintenance EIコア型フルレストア ステレオ再生チェック
フルレストア8割完成のML2Lの音だし
大きな電解コンデンサー(4個)が日本に到着する迄に各部の調整を兼ねたステレオペアでの音出しと計測が終わりました。技術担当者いわくは、正常真価したようです。下の写真は交換部品の一部ですが、これにメインの電源部コンデンサーが加わります。交換部品だけでも相当な重さになりますね。。
ML-2L(EIコア)交換部品の概要
- ブロック型電解コンデンサー・・・8個
- チューブラ型電解コンデンサー・・・・13個
- タンタルコンデンサー・・・2個
- 多回転サーメットトリマー・・・・・13個
- モトローラTO-3片型パワートランジスター・・・24個
- 小型トランジスター・・・40個
- 固定型コンデンサー・・・・12個
- フイルムコンデンサー・・・・6個
- 小型トランジスター用スペーサー・・・4個
- TO-3型絶縁板・・・・24枚
- ネジ・・・・7個
- ネジ用スペーサー・・・7個
- 内部スピーカーターミナル配線
- ※メインブロック型電解コンデンサー・・・4個
- 他
合計:172パーツの交換、レギュレーター基板、オーディオ基盤の修正、底面ハンダクラッシュの修正、アースの修正、etc
8月初旬に最後の部品SPRAGUE製のビッグなコンデンサー(純正品と同一)がアメリカから到着すれば、レストア作業の目処がつきます。何度も書きましたがステレオ・ペアを同一品で揃えていくとなると日本国内では全く揃いません。一部の交換ならもっと早く済んでいましたが、ここが一番スケジュールの押すところ。しかもパーツは必要な個数分ではなく、相当数余分に入手し、測定し選別作業があります。30年前の部品は精度が悪く使い物になる物が極めて少なく、当時のオリジナル部品から同一パーツを探っていく作業も尋常ではありません。またサービスマニュアルに明確な記載のない調整箇所等もあり、一筋縄ではいきません。1台のML2Lの状況把握・調整にDMMを最高15台を使用した仮想動作シミュレーターを作る事は通常ではないかもしれません。
実際の作業は困難で過去の修理跡や左右CH間に合わせパーツ等の影響もありました(4台のML2L全てで)。ステレオペアで山頂が見えてきたところでしょうか。最初に書いていました、2セット目のML-2L(トロイダル型)の整備となります。
ここまで出来た事はお客さまのご理解があったからでしょう!ご持参頂いた夏用アンプの整備も行わせて頂きます。