青春の、KRELL。
KRELL PRE AMPLIFIER PAM2,PAM3,KSL,KRC2
Dan D’Agostinoがデザインした1980年代から90年代の
OLDクレルと言われるKRELLプリアンプの魅力は何だろう?
当時、マークレビンソンよりいつも少し安かったKRELL。
こう言ってしまうと実もフタもないが、確かに25年程前の、
都内のオーディオ店のハイエンドコーナー並ぶUSEDハイエンド機を眺めると、、、
Jeff Rowland 旧々コヒレンスやMark Levinson ML7L、ML1L、celloなどが展示されていた。
だいたい48万円から80万円あたりのプライス。
そんな中で【KRELL PAM2 中古価格288,000円】とかは魅力的だった。
個人的に一生賢明に調べる。当時はインターネットなんかないし、
学生にとってハイエンド試聴の敷居は遙かに高かった。
とにかく、クレルの20万円台というUSEDプライスは魅力だった。
なぜ安いのか、その理由はわからなかった。
PAM2は完全モノラルでイギリスのPenny&Giles(P&G)製のボリュームが
2つもある。しかも電源も2つある。なのに安い。
当時マークレビンソンの素っ気ないML1Lは中古価格で48万円もしていた。
初めて手に入れたハイエンド機がKRELL PAM2・・・留年していたので学生だった^^
自作ALTEC A5の入口がクレルになった。
KRELLに繋いだパワーアンプはあまり覚えていないが、
確かLUXのMQ70という真空管のヤツかYAMAHAのB4とかだったと思う。
PAM2に替え音を出した瞬間は冷静にイイか悪いかの判断は出来なくて、
2個のボリュームを回したり、電源スイッチがない・・・
当時の日本製品にはない、独特な雰囲気を佇まいなどなど、カッコよかった。
友人(今はレストアなど手伝ってもらっている)はMLのボディに入った
金田式アンプを使っていた。素晴らしいサウンドだった記憶がある。
あれからOLDクレルの製品は覚えてないほど入手した記憶・・・15台ほどか??
KSA50などは4機は買ったと思います^^ KSA100やKMA100,KSA200,KSA80なども・・・
PAM2,KRS2,PAM3,KSP7・・・CDPやMD1、SPB32・・・
ちなみに、当時のcelloはとても高く全く選択肢には入ってこなかった・・・
今でも残る疑問は、当時なぜクレルのUSED価格が安かったか?
現在だとOLD KRELLの内部部品を見比べたりすると、安くなる理由は
わからないというところが正直なところ。
クレルは代理店が頻繁に変わったことやブランド力、
日本人好み、みたいな部分もあったのかも。
今となれば多くのヴィンテージハイエンド機の代理店は変わってしまっているけど。
KRELL PAM3,KSL,KRC2プリアンプ
さて、最近よく入荷しましたクレルプリアンプの簡易レビューをご紹介!
それぞれに個性があって面白いです。
KRELL KSLプリアンプ
クレルの世界戦略機だと考えられるプリアンプで、
とてもコスパが高いプリアンプですね。国内定価45万円ほど。
サウンドはエントリーモデルらしく、ポップスやボーカルものを
楽しく聴かせてくれるモデル。
当時のハイエンド機らしい顔立ちでもあります。
こちらはぱっと見、40個ほどの部品が交換されています。良心的な整備だと思います。
メイン基板はオーディオグレードのものへ。右側のボードがオプションのPHONO基板で、
おそらく当時のSPRAGUEからVishay/Roedersteinへ交換されています。
KRELL PAM3 プリアンプ
KRELL PAM2やKRSなどを経て製作されたフラグシッププリアンプ。
CD音源が注目されはじめた時期でCD入力にはフィルター機能があります。
現在はスルーの設定にしています。
サウンドは温度感が高くDan D’Agostinoが好きだったサウンドではないかと推測します。
整然としたメイン基板で左右CHがはっきり分かれています。
部品一つ一つにもコストがかかったもの。
消耗しやすいコンデンサーは交換されています。
ある種のブランドパーツで構成されたプリアンプで、
ML7Lなんかと近いのかもしれません(回路は全く違います)・・・
電源ユニット部は左右独立式です。消費電力は僅かですが
片CH 6800μF×2の容量とメタルTRなど・・・
温度感あるサウンドのカギだと思います。
KRELL KRC2 プリアンプ
KBLやKRCなどこの辺りのモデルからクレルトーンが、
アグレッシブに変わりました。JAZZなんかにはピッタリなサウンドです。
特にHiゲインに設定するとよりエネルギッシュ!
パッと見た感じがKSLと似てますが、一つ一つの部品が高いものになってます^^
オペアンプはMotorola製やリレーはオムロン製など航空・医療系パーツが使われています。
当時クレルデジタル社があり、そうした影響もあったのかもしれません。
OLDクレルの時代のプリアンプは、今もやはりコスパが高く、
好きなブランドです。
【番外】
クレルはKSA100やKMA100、KSA50などの初期パワーアンプ(MK2も含む)でも
有名になりましたが、MK2が付く付かないでイイ悪いがあるわけではありません。
MK2でもしっかりオーバーホール整備をすると生まれ変わります。
注目すべきは「トランス」です。初期型の中でもちがいがあります。
他メーカーのパワーアンプでも同じ様相の機種もあります。
クレルデジタル社のMD1やMD10 CDトランスポート、これは中身が凄い!と思います。
今欲しい1台です!売ってください^^
当然、既に古いのでしっかり整備しないと駄目なのですが、
ベースが良いのでオーバーホール、もしくはチューニングすると
いいマシンになるかなと思います。
DACはKRELL SPB32とSPB64の2台があるとJAZZ、クラシックなどに
振り分ける楽しみができます。
MD1やMD10は内部が凄くて、軍事系技術者を引き抜いてつくった会社だけあり、
中身に想像以上にコストがかかっています。。