PHILIPS LHH2000
【フィリップスCD-M0ドライブメカ】の
オーバーホール整備
2連コントローラーを装備したPHILIPS LHH2000の
フィリップスドライブメカM0搭載機のオーバーホール。
PHILIPS LHH2000 |フィリップス CDM-0モデルのオーバーホール整備
PHILIPS LHH2000を2台所有の方のCDM-0版のオーバーホール整備です。
もう一つの個体と聴き比べるとサウンドの差が出ます。
特にダイナミックさ、サウンドステージの精度、音像の彫り、
見通しなどあらゆる部分で個体差がありました。
・・・それでも、劣化部品を交換し、調整した整備版と比べるとかなり落ちます。。。
さらに、機能的にはローディングの速さなどもこちらの方が良い状態でした。
70分を超えるCD盤の読み込みや1→10トラック送曲などの速さに違いが出ます。
PHILIPS LHH2000は製造からかなりの年数、40年程の期間を
経ていますので、個体差が大きく出るモデルです。
上記写真は電源部やD/A変換基板、出力基板、制御基板など
PHILIPS LHH2000のモジュール式の各基板です。
これらの基板を丹念に整備していきます。
PHILIPS LHH2000はドイツCarl Zeiss製の3枚レンズが
奢られたCDプレーヤー。昨今のプラスティックレンズ製とは
長期間における精度や耐久性がちがいます。
そもそもこれも40年前!
40年前にCDメディアを普及すべき、オランダPHILIPS社が製造した
プロ用レーザーダイオードの精度や耐久性は恐るべきモノでした。
下記はPHILIPS LHH2000の電源基板ですが、コンデンサーは純正ですが
完全に容量抜けしています。
これでも、もう一台の個体より良かったのですが、
これでは本来のエネルギー感は出ません。
PHILIPS LHH2000は、流石に分厚いイイ基板が使用されています。
基板を眺めていると感じるのは練った設計で、プロフェッショナルな設計・・・
40年前に豊富な人材から選りすぐりのスタッフが携わった証しかなと思ったりします。
ご依頼頂いたこの個体は珍しくPHILIPS LHH2000用の2連コントローラーでした。
こちらも分解整備を行います。スイッチ部分は40年分の埃を除去。
コントローラーのサイドパネルのプラスティックは割れた破片の再利用と、
破片がない部分は成型して再現しました。
1KHzの正弦波も歪率もOKです。
おおよそオーバーホール整備が終わり、これから初期のエージングを兼ねた
動作テスト&調整へ移行します。