Sonus Faber Guarneri Homage【ソナスファベール ガルネリ オマージュ】
すくっと佇む、イタリアの伊達男、いや麗しの……
真冬なみの寒さがやってきて、室内の湿度計は50%~40%を指すようになりました。この時季になるとスピーカーが嬉々として歌うように感じるのは気のせいでしょうか?
この1週間ほどメインスピーカーのポジションに居座るのはイタリアのSonus Faber Guarnri Homage。横幅20cmほどで、高さはスタンド込みで1m20cmほど。ガルネリ・オマージュの魅力はなんと言ってもこの居ずまい。エレクタ・アマトールの立ち姿も魅力的かつ有機的。ガルネリ・オマージュは大理石の脚元からスタンド、バッフル面をリュートを思わせる縦のラインでまとめる。俗にいう8頭身美人のような佇まい。
Sonus Faber Guarnri Homageの8頭身美人的音楽表現。
すらりとした脚にレザーを纏った小さなボディはウォールナットやメープル、ライムウッドなど42ピースの無垢材から成るキャビネット。接着剤も自然素材のニカワを使用。しかし、すこしスマートすぎやしないかと、思ったりもします。
8頭身美人であるなら、その肌質も美しくあってほしいもの^^! Sonus Faber Guarnri Homageの唯一の弱点が”肌の弱さ”かもしれません。天然仕上げの表面・内部が白濁する症状。しかし、単なる白濁と思ってはいけません!天然素材による歴史。
まろみを帯びた表面仕上げはFranco Serblin氏がクレモナのガルネリ職人と過ごし体得したとか。亜麻仁油や蜂ニカワ、ワインアルコール、ガンボージ、コーバル樹脂、オイルバンなどで仕上げられている。要はヴァイオリンと同じ。今回のガルネリオマージュはまあまあ美しい状態を保っていると思います。打痕などもなくスマートな立ち居振る舞い。マエストロが仕上げた作品のような質感。
キャビネット内部は銅板や鉛でチューニングされている。平行面が一切ないためスタンディングウェィブが起こらない設計。クロスは2.5KHzの-6dB/octというシンプルさ。
この1週間はFM Acousticsのご試聴があったため、お客様のご要望に応じてスピーカーをセットしましたが、ガルネリオマージュは活躍してくれたと思います。小さなサイズながら30畳程の空間に音楽を大きく解き放ってくれるスピーカー。例え狭い空間であっても置かれた壁面のワイドいっぱい、天地いっぱいに音が空間を立体的に演出する伊達なスピーカー。
脚の長さ(スタンド)から腰高なイメージがあるかと思いますが、Sonus Faber Guarnri HomageのバックにあるKlangfilm EURODYNやJBLHartsfieldよりLOWのレンジは伸びています!量感もそこそこ。小さいスピーカーにありがちな詰まった鳴り方ではない。メメントも同様の印象でSonus FaberのFranco Serblinの音決めの巧さです。
共通項はクラフトマン・アートシップ。
NAGRA PL-Lをご持参された方の時はkiso acousticもお持込みされました。脱線しますが、モノは軽いとは言え「情熱」ですね。私はこういう方達が大好きです。選ぶために貪欲である事が自分の理想への近道です。たとえ店頭とご自分のリスニングルームとのサウンド・イメージが離れていたとしてもいいのです。パズルのワンピースをいくつも集めて近づける作業は地道です。
ちなみにこの時のNAGRA PL-Lとkiso acousticはしなやかでやわらかで響きが良く知的。もしかするとSonus Faber Guarnri Homageはイタリアの血統があると思わせるに充分な差。この時のNAGRAとKISOは、私にとっても記憶にのこるサウンドでした。
NAGRAやKISO、Sonus Faber Guarnri Homageに共通する点は「クラフトマン・アートシップ」でしょうか。クラフトだけでは充分ではありません。テクノロジーだけでもまだまだ。そこにはARTが必要です。感性が必須です。プロダクトにおいては今後ますます重要になってくると思います。
ARTは表面的なデザインという意味ではありません。モノづくりにおける発想や手法すべての根幹に関わる事です。もちろんコスメティックなデザインは重要ですが、コンセプトがビシッと決まっていれば自ずとそのインテリジェンスやパッションはカタチにあらわれます。Franco Serblinの情熱は先述した素材や仕上げ、全体のイメージなど統一されたコンセプト、ロマンからでき上がった作品といえるプロダクト。モノづくりは、関わった人々の叡智の縮図で、国柄や人柄も出るようです。
コンテンポラリーJAZZもイケるぞ!Sonus Faber Guarnri Homage
Sonus Faber Guarnri Homageで大切な事ですが、意外とクラシック以外もイケるという事。ドライブするアンプにもよりますが、FM Acoustics FM255などは比較的おとなしいガルネリオマージュでJAZZのハイを積極的に鳴らし、描き分けてくれます。ノイマンのマイクで録り、STUDER A80アナログデッキで録った最新のブルックリン音源のシンバルの叩き分け、アタック等も新鮮かつ熱さをもって聴かせてくれます。
Mark Levinson ML-2L(EIコア)レストア版ではボーカルモノの質感はとてもなまめかしくて、高さも充分あるサウンドスケープ。ステージで歌う姿のあわせ鏡。
女性ボーカルの吐息に限ってはちょっとやそっとで負けません^^! 女っぷりと伊達さは最新モードを着たスピーカーにも引けをとらない8頭身美人です。どでかいホーンスピーカーの存在感をさらっとかわす在り様も粋!
冬の寒さと都会の肌寒さから帰宅し部屋の温度がほどよく温まる頃、Sonus Faberで聴く音楽は至上のよろこびの一つ。オーディオの贅沢な愉しみ。
■Sonus Faber Guarneri Homage 正規品 6か月保証 【ご成約 ありがとうございました】
Sonus Faber Guarneri Homage 佇まいの優美さは初期のFranco Serblinの作品。