WADIA 16 CDプレーヤーレストア整備&
ピックアップ・レーザーダイオード新品交換
WADIA16のDAC部がサンプルデータに基いて独自の自然関数、
ディジマスターによる実補間を行っています。
今流行のAIではありませんがデータマイニング的パターン予測を行い、
復元された32倍リサンプリングデータをアナログ信号としてダイレクト出力しています。
WADIA 16の先進的なハイライト
WADIA16は一体式CDプレーヤーとしてはとても緻密なサウンドでその秘密は頑丈な筐体やドライブメカ、DACにあるようです。下記はWADIA16のDAC部概略抜粋です。
WADIA 16のDACはWADIA社が開発した独自のデコーディングコンピューターが搭載されています。従来のデジタルフィルターやアナログフィルターを応用した「補間方式」とは異なり、サンプルデータに基いて独自の自然関数”ディジマスター”による実補間を行っています。今流行のAIではありませんがデータマイニング的パターン予測を行い、復元された32倍リ・サンプリングデータをアナログ信号として出力。
ハード面では2基のスター社製「4パラレル高速DSPチップ」とBurrBrown社の「1702リニアDAC」を搭載して、56ビット80MIPSの演算処理能力で21ビット精度の分解能を保持。
当時110万円以上で販売されSTUDER D730MK2などと比較されてきたのではと思います。
WADIA16のレストア整備
今回2台目となるWADIA16のレストア整備。下は分解後のドライブメカサーボ基板の劣化パーツ整備。
WADIA 16のピックアップ・レーザーの新品交換
ピックアップ出力を測定したところ微妙に出力不足がありましたので、新品のピックアップと交換します。この当時のSTUDER D730MK2のPHILIPS CDM4なども出力不足を起こしている個体が多々あります。
1994年に登場したWADIA16、個体のシリアル番号も初期なので今後使用する場合のことを考えると交換をおすすめします。
装着する際に新規ピックアップの状態(電圧やアイパターンなど)もチェックします。測定器そのものや測定器のメンテ状態が重要。搭載するにあたり照射精度を厳密に調整します(PHILIPSドライブメカも同様)。この精度が重要で治具も造りました。
下記の測定結果も満足いける結果でした。
合計約90個程の電子パーツを交換した事になりました。こちらの試聴室での最終動作テストでもサウンドもかなりフレッシュな状態まで戻ったと思います。