WADIA 9 DAC & WADIA 7 CD Transport Overhaul
WADIA最高峰、ワディア9&7の
オーバーホール整備。
Wadia7+9 デジタルプレーヤー(WADIA10含む)
1990年代初頭に登場した、Wadia7+9 デジタルプレーヤーとは?
WAADIA 7+9はCDプレーヤーが登場してから約10年後に登場した、
CDトランスポートとDAコンバーター。
凄いのはAT&T3210DSPチップ、2個でデジタル信号が処理され、
演算分解能は40ビット。またD/A変換部は片ch、
4基のBurr-Brown PCM63コリニアDACを搭載の完全フルバランス構成です。
とても余裕がある構成です。
特に凄い部分はハイエンドオーディオ機器で必ず登場するパーツ、
音色を決定するフルサイズのパーツを惜しみなく使っています。
こうしたパーツは現代ハイエンド機でも使用されていますが、
サイズが小さくなっている傾向があるように思えます。。
とにかくこの時代のWADIAフラグシップ機は凄いのですが………….
いかんせん消耗&劣化した部品もすごく多い、、、、
本当に健康な状態、新品に近い状態のWADIA 7&9はないと思います。
今回200個以上の消耗部品・劣化コンデンサを交換しましたが、
電源部などはサイズが大きいのでその影響は大です。
WADIA 7 CDトランスポートの修理・整備|本体上面
お送り頂いた段ボールに余裕がなく端子類が段ボール押す感じでヤバいかな?と思ってましたが無事でした。。
WADIA 7 CDトランスポートの修理・整備|本体底面
WADIA 7のドライブメカの中身、レーザーダイオードは新品同様の出力値でオリジナルのままです。
WADIA 7 CDトランスポートの修理・整備|ドライブメカの分解オーバーホール。
WADIA 7 CDトランスポートの修理・整備|ドライブメカの分解オーバーホール。
WADIA 7 CDトランスポートの修理・整備
ブロックコデンサは容量不足になっていました。電解コンデンサには液漏れもありました。
WAADIA 7 CDトランスポートの修理・整備|ドライブメカ制御基板のオーバーホール。
WADIA 7 CDトランスポートの修理・整備|出力部のオーバーホール。
電源部のブロックコンデンサも全て新品にしました。消耗が激しい部分です。
電源部のオーバーホール。
WADIA 9 DAコンバーターの修理・整備。
この基板………………ホント凄いですね。これで片チャンネル分です。
WADIA 9 DAコンバーターの修理・整備|メイン基板オーバーホール。
WADIA9 D/Aコンバーター部(電源込)だけで140個以上の劣化部品を交換しました。
WADIA 9 DAコンバーターの修理・整備|メイン基板オーバーホール。
上は元の基板、コンデンサの両端が膨らみ一部破損していました。下は交換済みです。
WADIA 9 DAコンバーターの修理・整備|メイン基板オーバーホール。
アルミブロック削り出しされた各部屋に片チャンネル、もしくはカテゴリー別に基板セパレート化されています。
WADIA 9 DAコンバーターの修理・整備|メイン基板オーバーホール。
WAADIA 9 DAコンバーターの修理・整備|DACチップ基板オーバーホール。
超一流の部品が整然と並んでいます。好き嫌いはあっても、これで音が悪いということはないでしょう。
現代機でもそうそうないでしょう!上の右・中の大きな部屋2つはアナログ出力基板です。
電源は別筐体になります。
WADIA7&9 1KHz 再生中の歪率|素晴らしい数値です!
WADIA7&9 1KHz オシロスコープの波形|綺麗な波形です。
WADIA 7+9は規模も大きなCDプレーヤーなので、中古や長年使用していると、、、
現在では消耗してくる部品や劣化パーツが多数でてきます。
これら全てを交換していくと、現代でも充分以上に通じるサウンドになります。
当時定価が2台で400万円程。今造ると1.5倍ぐらいにはなるかもしれません。
ハイクオリティな規格のデジタル機であっても、オーディオ的な基礎体力・・・
表面実装パーツやICなどが多用されてくると聴いてもつまんない音になってしまう
例が多いのかもしれません。
また当時の音響分野のデジタル系の人材の厚みも関係しているでしょう。
現代ですと優秀なデジタル系人材の大多数はネット系にいっています。
当たり前と言えば当たり前ですね・・・基板や部品を見ているとよくわかります。
この時代のWADIAは優秀な人材がふんだんの予算で贅沢な部品で
プロダクトを造れたいい時代だった感じがします!