Westlake Audio Lc3W10V ListenView|ウエストレイク

音楽の翳や、時代の陰を鳴らしわける

Westlake Audio Lc3W10V  ListenView

アメリカWestlake Audioのニアフィールドモニターの

コンシューマ版サウンドはいかに?

Westlake Audio Lc3W10V スピーカーのレビュー

DSC_1728

ミュージックラバーにこそ聴いてほしいアイテムがWestlake Audio Lc3W10V 

スピーカーを選ぶ時はショップで聴いてもわからない部分が多々あります。上流機や部屋など予測不可能ないろんなファクターがあって判断はなかなか難しい。例えばこのWestlake Audio Lc3W10V は佇まいも地味で音も一聴地味…………でも、よく聴いていると音楽のグルーヴ感、躍動感が伝わってくるスピーカーです。

短時間でのプレゼンスではわからない事も多々ありますね。今年行われたインターナショナルオーディオショーでも印象に残っていたスピーカーはYGのブースとLINN、Westlake Audioの3つでした。その中でも一番地味だったのがWestlake Audioでした。

2000年以降のモーダルJAZZとの相性

Gilad Hekselman / World Unspoken / Ltateset Record

Gilad Hekselman / World Unspoken / Ltateset Record

アメリカの音楽シーン、とりわけJAZZ。なかでもブルックリンなどに集まる若者達が時代の空気や自分たちの気持ち、立ち位置を即興する演奏においては911テロやカトリーナ台風、グローバリゼーションを感じさせるテーマが多くあります。演奏は内省的で浮遊感があり構造的。さらにユニゾン&アンサンブルしていく傾向。

僕は2010年から2018年の趣味の一つが2000年以降のJAZZ盤を聴くことで、結果2,500枚ほど入手しました。Youtubeなどでも聴いたりするとその数はとても多いのかもしれません。これらのソースを鳴らすのにスピーカーをとっかえひっかえして今に至ります^^)

Westlake Audio Lc3W10V

Westlake Audio Lc3W10V

2000年以降はインターネットが世界の都市に普及し、音楽の聴き方もかなり変わった時期ですね。SNSでは例えばアルメニアのミュージシャンともネット上での友達になれます。。。世界的なJAZZドラマーに自分が書いた記事を紹介してもらう事も出来ます^^

Westlake Audio Lc3W10V   試聴システム

Westlake Audio Lc3W10V 試聴システム

今回、Westlake Audio Lc3W10V をレビューするにあたって、一番最初に聴いた盤が2008年リリースのGilad Hekselman / World Unspoken / Ltateset Record(JAZZギター)。制作には日本の方も深くかかわっています。内省的でメロディックな演奏が多く、練ったコンポジションで進んでいく演奏です。一般的なJAZZでいうテーマ-ソロまわし-爆発的な即興はありません。僕なりの解釈やミュージシャンとの話しから感じるのは、確かだと思っていたものへの疑問や常識の瓦解の中で今の時代を象徴しているとも言えます。ある意味LIVEである、という事です。

2000年以降はアメリカの911、日本では311、中東ではアラブの春やシリア、気候変動など、現実は前途洋々な社会ではなく、とてもダークな色合いであったと思います。今のJAZZは1950年代のようにアフリカ系アメリカ人をアングロサクソンがプロデュースして売り出すというケースはあまりありません。また、東ヨーロッパや中東などのJAZZミュージシャンが自分達のルーツを踏まえた演奏しています。米国でのヒップホップのラップの内容も能天気なものはほとんどありません。

Westlake Audio Lc3W10V

Westlake Audio Lc3W10V

こうした2000年以降の演奏にフィットするスピーカーの最右翼がWestlake Audioのスピーカーです。ボーカルトラックなどにも当てはまるでしょう。ワイドレンジではなく分解能も中庸なのですが、グローバル化する世界のルーツ回帰にちかい翳みたいなものを上手く表現します。スピーカーの素性から基本的には音楽の鼓動やグルーヴ感を鳴らすスピーカーでもあります。

Westlake Audio Lc3W10V |Bi-Wireケーブル付属

Westlake Audio Lc3W10V |Bi-Wireケーブル付属

Brian Blade / Perceptual / BLUENOTEなどは6人の演奏で、4トラック目の「Croked Creek」は隠れた名曲^^;で吹け上がるユニゾンや和音、カート・ローゼンウィンケルの超モーダルなソロ、なんとも言えない寂寥感など聴きどころ満載です。Westlake Audio Lc3W10V は東海岸のJAZZやブラックミュージック、東欧の音楽などにとても親和性があると思います。

Brian Blade / Perceptual / Bluenote

Brian Blade / Perceptual / BLUENOTE

ECMのJacob Youngなどの演奏もかなりハマります。あのダークなトーンをじっくり聴かせるスピーカーはそう多くはないような気がします。

意外な線では、弦楽四重奏 Brandis Quartett / Beethoven Op.132などの曲想に合うような表現も得意だと言えます。上手くないホーンタイプのスピーカーでは聴けない盤。

Brandis Quartett / Beethoven Op.132

Brandis Quartett / Beethoven Op.132

ボーカルトラックは概ねいずれもとても良いです^^声の密度感が印象的で濃密サウンド製造機です^^ 元々1970年代から80年代にかけたマイケルジャクソン、マドンナ、プリンスらのレコーディングスタジオで活躍していたブランド。。。

Westlake Audio Lc3W10V

Westlake Audio Lc3W10V

Westlake Audio Lc3W10V のサイズ感

ウエストレイクLC3W10Vのサイズは約高61㎝ x 幅30㎝x奥行35.5cmで小型です。現在はVFになってます。一番高い時で280万円のプライスが付いていました^^;

LC3w10vの前面面積はJBL4311系などより小さい感じです(デザイン的には凝縮感があるとも言えます)。Westlake AudioもJBLと同じくロサンゼルスで誕生したメーカーですがサウンドの志向がちがいます。Westlake Audio Lc3W10V はどちらかと言うと地味でダークな表現でのグラデーションにハッとさせられるところがあります。トゥイーターがソフトドーム系で他ユニットも新素材的なものは皆無です。

Westlake Audio Lc3W10V

Westlake Audio Lc3W10V|エッジなどはかなり劣化しくい素材が選択されています。

サイズに戻りますが高さが60㎝程で横幅30cmなので6畳や8畳でも大きさは感じないサイズ感です。トールボーイのようなスタイルではないため、元より剛性があるプロポーションと言えるでしょうか。重量は33㎏体積比率の重さはかなりです。

デザイン的にもサランネットを外した時の顔つきがなんともいい顔。無骨な感じにゴールドのネジ類がカッコイイ^^)

Westlake Audio Lc3W10V

Westlake Audio Lc3W10V

一聴した感覚は以前に入荷したWestlake Audio Lc3W12V(30cmウーファー)とあまり変わらない印象。10Vの方がウーファーが軽い分だけレンジ抑え目の速い音(LOW)かもしれません。

Westlake Audio Lc3W10V

Westlake Audio Lc3W10V

Westlake Audio Lc3W10V

Westlake Audio Lc3W10V

Westlake Audio Lc3W10V ListenView sp