PHLIPS LHH2000 restore

PHLIPS LHH2000 フルレストア整備録

現代でも根強いファンがいらっしゃるPHLIPS・フィリップス業務用CDプレーヤーLHH2000のUPグレード整備。

LHH2000 フルレストア整備予定の個体

PHLIPS LHH2000の現状。

1980年代に登場したPHLIPS LHH2000のレストア整備です。
今さらLHH2000と思われるオーディオマニアの方もいるでしょーうネ。Audio Dripper TOKYOのお客様では1セット1千万程のハイエンドプレーヤーや名機と言われるアナログプレーヤーも使ってもなおLHH2000を鳴らされている方もいらっしゃいます。CD-M1,CD-M0機2台使用など、現在3名の方が現役でご使用中!

LHH2000の空間濃度

今回フルレストアを行うLHH2000の現状のサウンドは、一言で「音場感性」が高いプレーヤー。一聴して唸るのが”大人っぽい音場感”です。わかりにくいのですが、演奏者の人数を数えたりするものではなく、ホールサイズを精緻に写実する音場感ではありません。

演奏者による出音の距離関係とその間の音際がとても濃密。演者間にながれる音がわかるような、、、インプロビゼーションする意味や呼応が分かるような感じで引き込まれてしまう奥行感が出ます。ハイエンドオーディオで言うトコロのサウンドステージとはまた異なるのかもしれませんが、音楽が鳴っている空間性がひじょうに艶っぽく、何等かの関係性がたちあらわれます。(意味不明ですみません)。

これに気がついたのはUPグレードした何台かのSTUDER機のランニングテスト時でした。実はかなりの部分でフルレストアしたSTUDER機の方が躍動感も、情報量もあります。楽器の抑揚や伸びが明らかにちがいます。LHH2000は一聴地味なんですね。ボヤっとしているというか……….個体の部品の経年劣化が相当ある状態でしょうか。抑揚やダイナミズム、楽器のエネルギー感や複雑な調性などはフレッシュなSTUDER機が数段上。特にゲインを上げたSTUDER機は凄まじいエネルギー感です。なのでコンテンポラリーJAZZなどは圧倒的にSTUDER機となります。上記の濃密な関係性においてはLHH2000の”性”なのか、あなどれません!

LHH2000のお客様はアナログプレーヤー4台を編成やレーベル毎にセットアップされクラシック音楽をメインにお聴きになっています。お客様にはフルレストアしたSTUDER機とLHH2000をご持参されたディスクで再生。LHH2000の良さとレストア整備したSTUDER機の良さをLHH2000のサウンドを土台として整備するイメージです。基本的には『PHLIPS LHH2000』としての良さや可能性を最大限に引き出すことが仕事となります。

中古 Phlips LHH2000 極上

LHH2000の課題

現在は純正LHH2000自体の発熱対策をどうするか、というところ。純正状態でも発熱がすごくあります。設計上も本体下部から上部へ空気を対流させるようになっています。が、内部の混み具合から相当に熱くなります。これは部品劣化を早める要因となる事でしょう。オペアンプなどを高精度なものへ変更したりダブル化を行った場合に課題となります。

PHLIPS LHH2000 専用stand

上の写真はLHH2000の底板部です。筐体本体を若干上げるフレームを製作。ここに自然空冷用の静音ファンを装着します。大型でゆっくり回るものを予定しています。寒い時期などは自然対流でも充分かもしれませんが、室温25度を超える時季になるとLHH2000の発熱は部品すら痛めかねない量。四隅の脚をフレームに若干落とし込みズレない設置。動作安定性や発熱をいかに逃がすかがカギでしょうか。

1985年~88年程に製造されたLHH2000の部品を規定値部品にすれば、現状より音が良く鳴る事は当たり前で、さらに当時の電子パーツブランドと同一ブランドでパーツグレードを上げる”塩梅”をヒアリングで決めて行けば、おそらく純正以上の分解能やダイナミズムを得る事は可能でしょう。しかし、PHLIPS LHH2000という機器本来の持ち味を崩してまで分解能や情報量、レンジ感を追いかける事は意味がありません。本来の持ち味である音楽が鳴る空間、鳴っている場の再現等をいかに現代レベルまで引き上げるかがポイント?音楽本来の時代性を映すプレーヤーになれば最高でしょう!


 

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