LHH2000を踏襲した民生機、PHILIPS LHH1000のオーバーホール整備
数十個のコンデンサ液漏れ、基板浸食があったジャンク手前のPHILIPS LHH1000、蘇生術!!
よく電源が入っていたPHILIPS LHH1000・・・・
1988年に販売されたPHILIPS LHH1000。PHILIPS LHH2000を模範にして、
日本マランツが製造したと思われます。欧州と日本製パーツが多数混在しているセット。
このセットはPHILIPS CDM1の読み取りがNGになり、オーバーホール整備ご依頼。
内部を開けるとすごくて、、、コンデンサ類の液漏れが激しい状態でした。
ジャンク手前の状況と言ってもいいでしょうか。
上がLHH1002(DAC)のメインに入っていたコンデンサで下はCDトランスポートの
LHH1001に使われていたコンデンサです。この状況から基板パターンにも漏れていました。
この個体が使用されていた環境が比較的涼しく低湿の環境だったのでこれで済んでいるのかもしれません。。
下記はDACユニットです。充実した電源部でトランスはアナログ、デジタル、
電源コントロール系とわかれています。
PHILIPS LHH1000|LHH1002 DAコンバーター
セパレート基板で部屋に分かれている内部。この時代にしてはこだわった造りです!
カタログのコピペをすると・・・
16ビット4倍オーバーサンプリング・デジタルフィルターを採用しており、デジタルフィルターとD/Aコンバーターのマッチングを向上して精度を高めた”Aバージョン”LSIであるSAA7220P/B TDA1541Aを搭載しています。このLSIは従来のSAA7220 TDA1541をさらに改良したもの云々・・・
DAコンバーターですが、PHILIPS/STUDER系同様にアナログ出力部が充実してます。
トランスはEIコアトランスとなっています。
LHH2000でも使用された部品が散見していますね。
コンデンサの消耗・破損・液漏れが酷いのは全部ですが、中でも電源部は基板パターンまで及んでいます。
よく動いてました・・・・・
30年以上前のコンデンサはないためVishayBC/Roederstein製へ交換。
仮にあったとしても30年前の乾電池と同じく、、静電容量がとれずカタチだけのオリジナル・・・
主要なコンデンサはほぼ全滅です。特に日本製、薄いブルーはSTUDERでも使用されています。
PHILIPS LHH1001|CDトランスポートのオーバーホール整備。
ドライブメカがPHILIPSCDM1が搭載されたLHH1001 CDトランスポート。こちらは読み込みNGですが、
レーザーダイオードは消耗していないため完全分解OHを行いました。
LHH1001CDトランスポートの内部ですが、ゆったり作られています。ドライブメカが凄い!
レンズは独ローデンストック製(ガラス製)・・・コストがかかっています
CDM1の制御基板でここの部品も交換します。
最近は微調整を行っても経年劣化のせいか全体の剛性がとれず、
宅配便のショックでズレることがあり、苦労しています。
ただCDM1はアルミダイカストフレームなのでズレ発生率が低いです、たぶん。
ローデンストックが入ったCDM1のレーザーが消耗することは稀です(何台かに1台はNGになります)。
下記はPHILIPS LHH1000・1001のデジタル出力。
オーバーホール整備がほぼ終わり、現在最終ランニングテストを行っています。
DAコンバーターからの左右CH同時出力電圧の計測:CD1KHz 左CH 0.573%と
右CH 0.584%と誤差範囲に調整。歪率はカタログ値と同様です。
・・・古いCDプレーヤーはこの段階で再調整や整備が必要になる事が多くなってきています。
80年代~90年代前半に販売されたCDプレーヤーの購入を考えている方は、
動作していてもいつ壊れてしまうかわからないほど中身がボロボロだと覚悟されてください。
それでも欲しい音があるなら、ある種の覚悟の上でご購入されればいいと思います。
・・・とは言え、プラスティックレンズを使っていないコストがかかった、
PHILIPS CDM1系スイングアームのサウンドは格別です!
微細研磨クリーニングした端子類。製造から約35年ほど経過・・・
電源部コンデンサだけではなく信号系回路基板で使用されている
コンデンサも酷い状態になっていました。
この個体は湿度や気温とも低い地域でしたが、経年劣化は過酷です。
こうした状態はこの個体だけが特殊ではなく多くの機器で起こっています。
現在、こんなの販売中です、STUDER A725 CDM1 オーバーホール整備版
ご試聴日時:水・木・金・土 13~19時
電話|東京 03-5809-3401 , 甲府ANNEX 070-5081-8877
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