cello AUDIO PALETTE(チェロ プリアンプ

ミュージックレストアラー、

cello AUDIO PALETTE初期を

プリアンプ化するとどうなるか?

音楽の温度感とテンションをコントロールするcello社初のプロダクト。
cello パレットはリチャード・バウエンの研究に基づいたプロダクトだった
Mark Levinson&Tom Colangelo & Richard S. Burwen

cello AUDIO PALETTE、他USEDチェロ アンプ

cello AUDIO PALETTE、他USEDチェロ アンプ

 

Dennis Drake – Polygram デニスドレイク – ポリグラム・レコード

「celloは堅実なステレオイメージング、広いサウンドステージ、
そしてそれがもたらす非常に素晴らしい奥行きが本当に好きです。

これらは私達プロが使用するための音質です。私達はより古いRod Stewart(ロッド・スチュワート)のリマスターで使った。cello AUDIO PALETTEは本当に彼の声を生き返らせるように見えました:5kHzコントロールは素晴らしい仕事をしました。マスターテープでの演奏と比較してボーカルでの演奏:そのコントロールのカーブは、トラック内のボーカルバランスを調整するのに優れています。パレットは優れた音楽の正確さを体現する高度な工学標準に基づいて構築されています。」
「パフォーマンスアンプは私達のモニタリングシステムのステレオサウンドフィールドを全体に取り入れました。新しい次元でより深くそしてより厳密な楽器の感覚はすぐにわかります。スタジオで何時間も使用した後、私はまだ楽なことに驚いています。」
Polygramレコードはcello AUDIO PALETTE、Audio Suite、cello AUDIO PERFORMANCEパフォーマンスアンプを使用

 

チェロ社初のプロダクトcello AUDIO PALETTE(チェロ・オーディオ・パレット)

cello AUDIO PALETTE(チェロ・オーディオ・パレット)初期プリアンプとして鳴らすとどうなるか?1系統の入力と1系統のLINE出力、パラメトリックイコライザー、入力ゲインコントロール、位相切替えなどのプリアンプとしても使用できます。約6,000個のパーツからなるパレット。

こちらの個体は国内では有名な修理会社で整備されていましたが、国産電子部品で修理されていたため、音色に違和感がありやり直ししました。この個体だけでなく多くのハイエンドプリアンプなどでもあります。オリジナル部品でも劣化していては意味がありません。交換する場合は部品選択に注意が必要です。

celloPALETTEの内部

elloPALETTEの内部。パラメトリックイコライザーは独立基板と固定抵抗切替式

ちなみに廉価板のcello Palette Preampとは全く別物。パレットプリの基板やイコライザ基板、使用部品などを比べるとcello PALETTEの凄さがわかります(そもそも比べてはいけません^^)。ちなみにcello ENCORE 1MΩとcello Palette Preampでもcello ENCORE や1MΩの方が良いです。内部を見れば一目瞭然!同一ブランドの価格には意味があります。Audio Dripperではパレットプリの買取はしていません。

cello PALETTE Preamp(チフェロ社の廉価版イコライザープリ)

cello PALETTE Preamp(チェロ社の廉価版イコライザープリ)

下の写真はcello ENCORE 1MΩですがcello PALETTE Preampと違いこちらも充実した内容。リファレンスシリーズとの大きな違いは電源部にあります。

cello ENCORE 1MΩ L プリアンプの内部基板

cello ENCORE 1MΩ L プリアンプの内部基板

cello PALETTEを比較するならcello  SUITEでしょうか。コントロール幅でcello AUDIO PALETTE。フォノ入力やAUXなどの入力バリエーションではcello AUDIO SUITE。

cello AUDIO PALETTE&cello AUDIO SUITE

cello AUDIO PALETTE&cello AUDIO SUITE 、cello ENCORE 1MΩ

cello AUDIO PALETTEのデビューはアメリカの録音・マスタリング現場。こうした現場で鍛えられたと言っても過言ないでしょう。業務機を標榜した機器は多数ありますが狂気めいたモノを発するようなプロダクトはそう多くないかもしれません。。。米国内ではスタジオ向けのカタログも充実していました。

cello palettecello p

Dennis Drake のスタジオcello

 

cello PALETTEのパラメトリックイコライザーの魅惑度

cello PALETTEのイコライザー部は通常のグラフィック・イコライザーではありません。対象周波数の周辺帯域を可変するパラメトリックイコライザーです。6バンドのパラメトリックイコライザー「cello AUDIO PALETTE」です。左右インプットゲイン、メインアウトプットボリュームもすべて左右独立59点固定抵抗切替式!驚きの拘りよう。

cello AUDIO PALETTE、パラメトリック・イコライザーはRichard S. Burwen(リチャード・バウエン)の研究に基づいて製品化したライブ録音やマスタリング用の製品です、米国用スタジオカタログには記載されていました。バウエンはバウエンモジュールで有名なデザイナーですね。

6バンドのパラメトリックイコライザー「cello AUDIO PALETTE」

6バンドのパラメトリックイコライザー「cello AUDIO PALETTE」

パラメトリックイコライザーは15Hz、120Hz、500Hz、2kHz、5kHz、25kHzという周波数になってます。面白いのは可聴帯域以外の周波数も設けてある事ですが、低域側の周波数15Hzはダブついた低域の処理や輪郭がはっきりしないLowのルームアコースティックにも有効です。25kHzのイコライジングは自然の録音で撮れたエア感やマスタリングで追加された倍音・余韻の響きのコントロールなどサウンド全体に艶やかさをもたらします。

左右独立59点固定抵抗切替式!

左右独立式59点固定抵抗切替式(全部で9ケの左右独立式固定抵抗切替式ボリュームが付いてます。)

パレットの取り扱説明書にはパラメトリックイコライザーの調整の最初は「25KHz」のポイントから調整することが書かれています。編成の大きいクラシックシンフォニーなどは25kHzをプラスすることで透明感やスケール感がでてきます。JAZZなどは500Hzと5kHzの調整でミッドレンジの厚みとシンバルの重高音が手に入ります。

下記はパレットの内部ですが上部の独立セパレート化された基板は各帯域イコライジング専用の回路です。見えている部分は片CHのみで後部のトランジスタも同様。要は各帯域毎に独立したディスクリート回路が組まれているという事です。

cello AUDIO PALETTE used naibu

 

cello AUDIO PALETTEの取扱説明書

パラメトリックイコライザー各帯域の説明。

15Hz・・・ドラムやオルガンのペダル音やコントラバスの再低域をコントロール

120Hz・・・音に存在感と低域の暖かみを左右する

500Hz・・・暖かさをコントロールする。ピアノ録音から濁りを取る。薄いサウンドを厚くする

2kHz・・・声や楽器に影響する

5kHz・・・高域の中心帯域で影響大。25KHzと一緒に使うことで高域補正が可能

25kHz・・・空気感や倍音成分をコントロール。再生全体に影響を与える

cello AUDIO PALETTEの紙資料

cello AUDIO PALETTEの紙資料

各周波数を調整すると音楽に表情や陰影感をもたらす不思議なイコライザー。取り扱説明書にも何度も登場してきますが「暖かみ」というキーワード。この当時のcello社にとって音楽の温度感が重要なポイントであったと考えられます。ちなみにcello AUDIO PALETTEはA級動作のPP回路(100W)ですので通風の悪いラックに入れてはいけません。。

cello PALETTEのパラメトリックイコライザーがあれば下手なルームアコースティックはあまり必要ないかもしれません。

音楽とシステムのテンションとシステムをコントロールするcello PALETTE(パレット)のインプットゲイン

cello AUDIO PALETTEのインプットゲインは左右独立され-24dB~+5dBまであります。このゲイン調整もサウンド全体のテンションを左右します。聴かれる方によってはかなり大きな違いとなるかもしれません。古いJAZZ等の場合は歪まない程度にMAXまで上げてもいいかもしれません。囁くように歌う女性ボーカルなどの場合は-10等の設定も良いでしょう。この入力ゲイン設定も固定抵抗切替式です。

左右独立型 固定抵抗切替式のインプットゲインボリューム

左右独立型 固定抵抗切替式のインプットゲインボリューム

アブソルート・フェイズ調整(位相調整)の考え方も面白いもので、録音時に左右で位相が逆転(180度)していることを想定し左右別に細かな設定が可能となっています。

パワーアンプは同じくcello Performanceをフィッシャー接続で駆動しました。サウンドの傾向も厚みと温度感あるトーンでcello AUDIO PALETTEと似た傾向があります。

pre cello

cello AUDIO PALETTEをプリアンプ化する事でよりアクティブにコントロールできます。cello AUDIO PALETTEはチェロ社最初の製品で、サブネームは『ミュージック・レストアラー』でした。

音楽の温度感やテンションの高さや緩さをコントロール可能で、、、しかも音像などはとてもシャープに定位します。空間を彫刻したようなサウンドステージ……

6バンドのパラメトリックイコライザー「cello AUDIO PALETTE」

6バンドのパラメトリックイコライザー「cello AUDIO PALETTE」

cello AUDIO PALETTE used

初期型チェロ パレットは入出力ともフィッシャー端子1系統のみ

今回ご案内させて頂いたcello AUDIO PALETTEは見込み整備を行った個体で劣化部品の交換を含め左右音圧調整や音像の滲まないように調整しました。

※cello AUDIO PALETTE単体(MPS含まず)のみでも販売可能です、お問い合わせください。

cello AUDIO PALETTE(チェロ パレット)の整備ページ⇒

cello AUDIO PALETTE&cello audio suite&cello MPSの交換部品

cello AUDIO PALETTE&cello audio suite&cello MPSの交換部品

cello audio palette MI V

過去にオーダーを頂いた整備依頼 cello audio palette MI V