新旧ヴィンテージハイエンド マークレヴィンソン・プリアンプetc.を聴いてみよう!
Vintage Highend-PREAMP|ML1L,LNP2L,No.38L,No.32L,VIOLA CADENZA,LINN kontrol SE/dps
1977年頃~2007年頃までのMark Levinsonプリアンプと、
VIOLA、LINNプリアンプの試聴。
年に一度ぐらい、入荷したプリアンプの5、6機種ほどを同一条件で試聴することがあって、
今回も何台か入荷しているので聴いてみた!
・・・特にコレが良いとか悪いという順位付けはせずに。
不思議と日本は学校から会社まで何でもランキングや優劣をつけたがる。
住みたい街ランキングとか就職希望ランキングとかも・・・
とにかくランキング付けが好きで『ベスト1』とか『〇〇第一位』、
みたいなのは刺さるのだろうか?もしくは選択目の自信のなさの裏返し??

VIOLA CADENZA ,Mark Levinson LNP2L,No.32L,ML-1L,38L|中古マークレビンソン
趣味のものはランキングじゃなく、、その状態(状況)や、
好きか嫌い、カッコいいかダサいか、みたいな感じが決め手の実際だと思う。
自分が過去に平均的に良さそうだ、雑誌の評価が良さそうだから………
みたいなものを買ってきた記憶はない!たぶん笑
・・・という視点も、、交え今回はプリアンプを聴いてみた。

Listen View music cd
試聴盤は下記…….
1.RACHMANINOV, S.: Piano Concertos Nos. 2 and 3/Grammophon
Zilberstein, Berlin Philharmonic, Abbado)|ラフマニノフ ピアノ協奏曲2番
⇒オールデジタルラインでの収録からマスタリングのDDD盤でそんなによくない。。
2. Kari Bremnes/månestein/OMAGATOKI<ノルウェー女性のボーカルもの>
⇒ハイクオリティなプロダクト
3. Bobo Stenson /Contra la Indecisión/ECM<ピアノトリオ>
⇒当時最先端のマスタリング盤
4.Brian Blade & The Fellowship Band / Perceptual / BLUENOTE<コンテンポラリージャズ>
⇒2000年以降の新しいブルーノートのコンポジションもの
Bobo Stenson /Contra la Indecisión/ECMは、過去にJAZZ JAPAN誌で
寺島靖国氏と録音マスタリングについて対談させて頂いた盤と同じ。

Vintage-highend preamp Listen View
上流機はMark Levinson No.390SL⇒プリアンプ⇒パワーアンプはLINN klimax SOLO⇒
スピーカーはJBLS9800 MGというライン。
Mark Levinson ML-1Lプリアンプ|オーバーホール整備済のListen View

Mark Levinson ML1L|マークレビンソンML1L 中古プリアンプ|オーバーホール整備済
まず最初に聴いたのが久しぶりに入荷した、Mark Levinson ML-1L。
このプリアンプは回路のシンプルさからくる、と思われる、どストレートなサウンドに尽きる!

Mark Levinson ML1L|オーバーホール整備済
久しぶりに聴くML1Lはエネルギー感あるプリアンプで正直驚いた。
サウンドが力強く音がぐっと前に出てくる。ライブ的な感覚!
現在でも存在理由が明確にあると思わせる個性を聴かせるから面白い。
ノルウェーの女子ボーカルモノのKari Bremnes/månestein/OMAGATOKIの
センター定位の揺るがなさは主人公にしっかりスポットライトが当たっている狙いがよくわかる。

Mark Levinson ML1L|マークレビンソンML1L 中古プリアンプ|オーバーホール整備済
2018年リリースのECMピアノトリオBobo Stenson /Contra la Indecisión/ECMの
2トラック目はドラムス、シンバルの多彩な音色やタムやバスドラの位置関係、
スペース感も合わせて感じさせてくる。さらにドラムスセットだけでも
マイクの位置関係もわかるよでびっくり。
ラフマニノフ ピアノ協奏曲2番は元々良いマスタリングではない感じで、
それがやっぱり良くないwと思わせるところが脚色がないと思わせる。
管も入るコンテンポラリージャズのBrian Blade & The Fellowship Band / Perceptual / BLUENOTEは
昔のBLUENOTEのソロ回しの腕自慢的な演奏はなく、すべてコンポジットな演奏の盤。
ユニゾンの分厚さ、グルーヴ感などかなりグイグイとドライブがかかり雰囲気あり!
この盤ではゲインを2ステップ上げた。

Mark Levinson ML1L|マークレビンソンML1L 中古プリアンプ|オーバーホール整備済
たしかにゲイン設定(NFB量の可変)によっては若干の粗さ(勢い!)が
あると感じるケースもあるが、製造年代を抜きにML1Lの際立つ個性は凄いなと感じる。
Mark Levinson LNP-2Lプリアンプ|オーバーホール整備済のListen View

Mark Levinson LNP2L|オーバーホール整備済
このMark Levinson LNP2Lは後期版で消耗部品を交換したオーバーホール整備版。
最初に女子ボーカルもののKari Bremnes/månestein/OMAGATOKI。
メモには『素晴らしい!』『LOWの深さ』と記載。
マークレビンソンLNP2Lはいずれもハイの帯域に若干の艶っ気と響きに余韻を感じさせる個性が
あるように思う(あくまで今回聴いたプリアンプの中で)。
それがさきほどのメモにつながる感じだろうか。。
ECMピアノトリオBobo Stenson /Contra la Indecisiónはホールトーンの響きが
若干ながい気もするが、それが妙なリアルさやライブ感を感じさせる。
ドラムスのブラシワークやシンバルの種類もリアルで音色が増えたような感覚。
ML1Lではあまり気がつかなかった暗騒音が伝わってくる。

Mark Levinson LNP2L|マークレビンソンLNP2L 中古プリアンプ|オーバーホール整備
ラフマニノフ ピアノ協奏曲2番はステージのサイズ感が大きく、
オケ全体の柔らかさや第一ヴァイオリンの優雅さなど”意外性”ある感じ。
ある程度はプリアンプ側で音楽的に聴かせようとしているような感じ。
この辺りはMark Levinson LNP-2Lの魅力なのかも。
トーンコントロールは使用しませんでしたが、積極的に使いこなしていい機能でしょう!
ちなみにトーンコントロールはパラメトリックな特性となり音質劣化はほぼなし。。
なんと言っても佇まいがカッコいいのがLNP2Lかと。。
時代を超えた存在感はなかなかですよ!!

Mark Levinson LNP-2L|中古マークレヴィンソン・プリアンプLNP-2L(写真は別の個体)
2000年にリリーズされたBLUENOTEコンテンポラリージャズを代表する、
Brian Blade & The Fellowship Band / Perceptual
この盤は今の空気感を孕むコンポジションで2000年以降の時代のテーマや色を濃く表現。。
スタジオはニューヨークのリバーサイドスタジオで収録。
この盤のテーマの根底には人種差別や銃の乱射事件などが背景で、
ストーリーのように展開されていく盤。
中でも好きなのが4トラック目の5/4拍子の「Crooked creek」の憂いある序章から
7人のメンバーで吹けあがっていていくドライブ感・・・
ML1Lでは前に出てくるグルーヴ感印象的だったけど、
LNP2Lではまろやかさがプラスされ押し出し感は若干後退(一般的)。
影も感じさせる憂いある表現はコンポーザーの狙いを巧く表現しているんだと思う。
Mark Levinson No.32L プリアンプのListen View

Mark Levinson No.32L 正規品|元箱・付属品|中古マークレビンソン・リファレンス・プリアンプ
1999年に登場したMark Levinson No.32L。今回聴くモデルは最終OSが搭載された個体だから、
おそらく2005年ぐらいに販売されたのかと思う。
最初にボーカルモノのKari Bremnes/månestein/OMAGATOKIはナチュラルに尽きる。
なにかコレっていうアレが見つからない。
この盤レーベルの録音&マスタリングはクレバーで個性ある機器の
特徴を浮かび上がらせる事が多いがNo.32L固有の色がほぼわからない。
強いて言えばLOWの量感とソリッド感のバランス。声が若干、わずかに硬い???
でもこれがこの盤の本質ではないかとも思ったりするほどナチュラル。

Mark Levinson No.32L|マークレビンソン中古プリアンプ
ECMピアノトリオBobo Stenson /Contra la Indecisiónは今回のベストな表現!
メモには『すべてがわかる、ソリッド』と記載。
おそらくECM系の盤はどれを聴いてもかなりのレベルで表現するものかと思われる。
ラフマニノフ ピアノ協奏曲2番は不思議と情報量が多く精緻でスケール感もある。
演奏ではなく、、、音質的にはどちらかと言うと平板なデジタル、
録音デジタルマスタリングの象徴でもあるイマイチな盤かと……….
その今イチ感もちゃんと伝えてくるが、No.32Lは巧く聴かせる。

Mark Levinson No.32L&Mark Levinson LNP2L|中古マークレビンソン・プリアンプ
Brian Blade & The Fellowship Band / Perceptual のコンテンポラリージャズは
2管のリード楽器にギターとピアノのコード楽器にリズム隊が織りなす
重厚なアンサンブルは緻密!この感覚はNo.32Lで特に感じる。
さらに全奏ではサウンドステージが天井まで駆け上がるように広がる感じも快感!
今回のセットはMark Levinson No.390SL⇒プリアンプ~LINN klimax SOLO⇒JBLS9800MG
というパターン。私的にJBLのスピーカーの中では理に情を兼ねたると思うスピーカー。

JBL K2 S9800 MG(グレイモデル)中古スピーカー|代理店整備
今回、へえ~と思ったプリアンプがNo.38L。このセットの場合、コスパがすこぶる高い!
Mark Levinson No.38L プリアンプのListen View

Mark Levinson No.38L|マークレビンソン38Lプリアンプ
1994年に登場したマークレビンソンのフラグシップ機がNo.38L。
今だとあまり人気がないようですが、今回聴き比べると20万台の中古価格で購入できる
としたらコスパが高いプリアンプだなぁ~!と感じた一台。
女性ボーカルのKari Bremnes/månestein/OMAGATOKIは程よい温度感があり、
北欧ノルウェーの仄暗さもイメージさせるトーン。
ECMピアノトリオBobo Stenson /Contra la Indecisiónは遠近感がかなり明瞭になり
スポットライトが当たる部分とのコントラストがつくようなイメージ・・・
コスパ高し!
ラフマニノフ ピアノ協奏曲2番は女性ピアニスト(Lilya Zilberstein)だと
思わせるタッチが伝わる表現。最初の印象がコレというのも珍しい??
2000年にリリースされたBrian Blade & The Fellowship Band / Perceptualの
浮遊感は独特なものでカート・ローゼンウイケルらしい演奏がよく表現される。
柔軟な表現・・・レビンソンらしくないとも言えるのかこの辺が不人気な理由なのかな?
なんとなく未来が見通しにくい時代の音楽を聴くプリアンプとして、
フィットする気がするのは自分だけだろうか・・・
ここからレビンソン以外のプリアンプを聴いてみよう!
LINN klimax kontrol SE/dps ver.UP プリアンプのListen View
個人でもLINN klimax kontrol を所有してLINN klimax SOLOで、
LINN KOMRI or B&W800というパターン。
なのでLINN klimax kontrol SE/dpsは僕が持っているプリより上級機となる。

LINN klimax kontrol SE/dps ver.up プリアンプ
今回のマークレビソンの森の中ではいかに聴こえるか?は興味深い。
まずはノルウェーの女子ボーカルモノのKari Bremnes/månestein/OMAGATOKI
『いい!』とメモ。かなり良い印象だったので、LINN SONDEK CD12 MK3でも聴いた。
さらに良く、2倍以上するプレーヤーの違いは確実にあったので元に戻して試聴。
今日で2日目………………………………… 自分の耳を鍛える?ためのw
ECMピアノトリオBobo Stenson /Contra la Indecisión盤。この盤でのメモは
『充分!』『ECMに合うね』と。毎月購入する盤がECMで、
一連のLINNのシステムと佇まいからしてあう。もちろんオーディオ機器は特定のレーベルや
音楽に偏るわけではないが自分が好きな分野ならどんどん偏ってもいい笑
平均的にいいより何かがドカッと得意なモノの方が魅力的でもある。

LINN Klimax SOLO|今回セットしたパワーアンプ
ラフマニノフ ピアノ協奏曲2番はスピーカー奥に展開し、サウンドステージが小さい。
しかし、プリアンプの変更ガラガラとサウンドステージのサイズ感が変化する。
しかも盤によってそのサイズ感が変わるのも面白い。
この盤に限ってLINN klimax kontrol SE/dpsで聴くラフマニノフは小じんまりする。
もしかすると今イチなDDD盤として一番正しい表現なのかも知れない…….

LINN klimax kontrol プリアンプ
現代のブルーノート盤、Brian Blade & The Fellowship Band / Perceptualの
4トラック目「Crooked creek」はひじょうにアンニュイなで細やか。
フォルテはタイトに吹けあがっていくLINNらしいサウンド。
古いBLUENOTEのハードバップをこれで聴きたい気にはならいかな・・・
VIOLA CADENZA プリアンプのListen View

VIOLA CADENZA プリアンプ|中古ビオラ カデンツァ
最後に聴くプリアンプがVIOLA CADENZA 。
ヴィオラはcelloの回路デザイナーのトムコランジェロとポールジェイソンが
中心になって起こしたメーカーで今回聴くプリアンプのカデンツァは
cello Encore 1MΩ のモディファイ版と言えるモデル。かなり似通った回路(部品はかなりちがう)。
下記は別個体ですが、クローズド・モジュール化されているわけではない。

VIOLA CADENZA、美しいサーキットデザイン
1枚目の女性ボーカル|Kari Bremnes/månestein/OMAGATOKIは
空間感やエア感が印象的でしかもリアルな描写。唇の摩擦音などもリアル。
丁寧な仕事(マスタリング)で出来上がったプロダクトだと感じるプリアンプなので、
いろんなソースの特徴をしっかり出してくれるだろう。
ECMピアノトリオBobo Stenson /Contra la Indecisión盤は繊細な空間感が立体的に感じる描写。
出力ゲインが若干低い?とメモ。その代わり聴感上のS/Nが高く静けさが際立つ。
ラフマニノフ ピアノ協奏曲2番は第一ヴァイオリンの滑らかさが印象的で艶感もある。
全体的にタッチがソフトになったような印象。
これまでのプリアンプに比べてこの盤がすんなり聴けるようになった。
とは言え、VIOLA CADENZAは、やはり消耗部品が散見するので、
本領はオーバーホール整備後だと思う・・・気になる点がいくつある。

VIOLA CADENZA プリアンプ|中古ビオラ カデンツァ|オーバーホール整備サービス
今回の試聴で最後に聴く盤はBLUENOTEのBrian Blade / Perceptual……….
4トラック目「Crooked creek」はやはり静けさやS/N感が優れている。
今回聴いたプリの中では一番設計が新しいのか、、
当時のハイエンドプリアンプが目指した方向性があるのかも。
静けさは重要なファクター?

Vitage highend Preamp Listen View
久しぶりに複数台のプリアンプを聴いて感じたのは、
いずれも個性があり一つとして同じ表情がない、ということだろう。
ML6のながれにあるML1Lのエネルギーに満ちた圧し出し感は唯一のもの。
LNP2Lの艶やかさや個性も音楽を魅力的にするファクター、あのデザイン!はカッコいい。
No.32Lのある種の万能感と緊張感あるデザインは秀逸。
No.38Lのあの仄暗さは今の音楽の空気感をはらむし、
LINN klimax kontrol SE/dpsのクレバーな表現はこの中でも好きな一台。
VIOLA CADENZAの静けさは現代ハイエンドにも通じるサウンド…………..
どれか一台に決めるのは至難のワザで、苦しくも愉しいパズル!!
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お電話でお問合わせ 03-5809-3401(13:00~19:30)
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