KRELL MD CD Transport Restore

KRELL Digital  MD1 CDトランスポート、

米国軍事技術者達が携わったクレルデジタル。

MD1レストア整備

KRELL MD1 CD Transport

【中古レストア】KRELL MD1 CDトランスポート

【中古レストア】KRELL MD1 CDトランスポート

構造のKRELL MD1 CDトランスポート

自動車レースの最高峰フォーミュラ1(F1)マシンは外装とシャーシは別にできたモノコック構造。実はこのKRELL MD1も同様のコンストラクションを採用してます。またメイン基板と電源部、ドライブメカ制御基板はとてもゆったりと配置されています。サウンドは数あるCDトランスポートの中でも密度感の濃いサウンドでボリュームある中低域が特徴です。

KRELL MD1

KRELL MD1

チューブラー型のコンデンサーは既に劣化しきっていたため即交換します。国産コンデンサーは使用しません。

【中古レストア】KRELL MD1 CDトランスポートのレストア中

【中古レストア】KRELL MD1 CDトランスポートのレストア中

下の写真は右のPHILIPS CDM3を制御する基板です。ICも流通しているPHILIPS製です。大きな基板で高い整備性のため将来的な整備もやりやすいトランスポートです。もちろんCDM3のレーザーダイオードも新品へと交換する事も可能です。

KRELL MD1のサーボ基板

KRELL MD1のサーボ基板

下記の写真は以前の整備での瑕疵でコンデンサーと基板が半田付けがされていませんでした。

KRELL_MD-1_クロックUP用の電源の配線が、ハンダ付けされておりませんでした (2)

KRELL MD1サーボ基板の劣化パーツ交換

KRELL MD1サーボ基板の劣化パーツ交換

下の写真はKRELL MD1のメイン基板です。CD機器では珍しいメタルTRが使われ、ケース入りトロイダルトランスが使用されています。基板自体がしっかりしていますのでパターン劣化などは皆無です。

KRELL_MD-1_作業中写真_2

上記はデジタル出力波形ですが左右CHとも問題のない波形です。

【中古レストア】KRELL MD1 CDトランスポート

【中古レストア】KRELL MD1 CDトランスポート

【中古レストア】KRELL MD1 CDトランスポート

【中古レストア】KRELL MD1 CDトランスポート

90年代電子パーツが十分にコストをかけて製造されていた時代のクレルデジタル社のCDトランスポート。

KRELL MD1 CDトランスポート レビュー

ECMレーベルにおけるステファノ・アメリオ録音マスタリングのなかでもベスト盤ではないかと思われる、Bobo Stenson/Contra La Indecision/ECM をメインに古いMiles Davisや矢野顕子さんの盤などを試聴。

KRELL MD1 試聴盤「Bobo Stenson/Contra La Indecision/ECM 」など

KRELL MD1 試聴盤「Bobo Stenson/Contra La Indecision/ECM 」「Miles Davis/Kind of Blue/CBS」など

1990年代の録音はアナログ機材時代の録音ノウハウを引きずってデジタル録音をしていたせいでCDの音質が悪いという評価が多く散見しましたが、ヴィンテージマイクを織り交ぜた多彩なマイクアレンジ、A/D・D/A変換機器のユーティリティの高さ、NEAEヴィンテージ・ミキサーなどから現代では高いダイナミズムやS/N比、セパレーション、エア感、温度感を有機的なサウンドとしてまとめるエンジニアが登場してきています。

その中でも2018年1月にリリースされたBobo Stenson/Contra La Indecision/ECM のクオリティは高いものでオーディオ機器の試聴盤としても有用。2トラック目のシンバルの種類、厚み、どこを叩いているか、シンバルのレイアウト、バスドラムの落ち方(響き方)からエア感、アルコベースの音像&立体感など聴きどころが多いトラック。

たとえば英国コード社のCDトランスポートBlu&64DACだと演奏全体がフラットで多少遠景となる描写。精緻な音は良く出ています。KRELL MD1 CDトランスポート&Goldmund Mimesis 10DAC(電源ユニット別体)へ変更すると厚いサウンドと音色の濃やかさ響きの豊かさが出てきます。シンバルのエッジにスティックを止め当てた時の音とシンバルのフチを軽くアタックした時の音の違いが明瞭。こういうちがいはピアノでも同様です。Dennon盤のマーラー交響曲なども同様の感触。響きの厚みや艶がリッチになりますがこの辺りは表面実装ではない電子パーツが効いてくるのかもしれません。「Miles Davis/Kind of Blue/CBS」は圧巻。音階が不明慮になりがちなベースのマスタリングがよくわかります。マイクの違いや距離感、コンプのやり方有無、ミキシングコンソールの違いなども聴き分けられます。この辺りはKRELL MD1 CDトランスポートの劣化部品交換とRF出力などの調整、デジタル波形をみながらの調整が効いていると思われます。レストア前はこういうちがいは不明慮でした。

■KRELL Digital  MD1 CDトランスポート 正規品 定価¥1,488,000.  当社フルレストア版(CDM3ダイカスト)販売価格¥488,000.

付属品:本体、リモコン、CDマウントアダプタ、ACケーブル、整備書類、交換済部品