工業プロダクト、頂点の時期…..
入荷したMark Levinson No.26L &
cello Encore初期の整備前。
製造から30年以上経たプリアンプの健康状態とは・・・
先週入荷したMark Levinson No.26Lとcello Encore、もう1台No.26SLが入荷予定です。
製造年代が近いのでどんな状況か楽しみです。
80年代から90年代、ヴィンテージハイエンドプリの状態。
年間こうしたプリアンプはオーバーホール整備依頼やフルレストア、修理、買取、下取、販売などで
100台ぐらい目にするのではないかと思います。
接続する前に内部を確認すると、膨張や破裂寸前のコンデンサ、破裂したコンデンサ、
壊れた可変抵抗器、ハンダクラッシュ、ボリュームのガリなど。。。
回転系、DA変換、出力系など多岐に渡るCDプレーヤーなどよりシンプルではありますが、
やはり製造から40年近く経て修理だけを経てきたプリアンプで元気な個体はほぼない感じです。
多くのこうした個体の生気がなかったり、まとまりのないサウンドは
散々聴いているので聴きたくないのが本音(苦笑…)。
この辺はクルマと同じですよね。
どんな整備がしてあるか、わからないPorsche 911ターボSで
過酷なサーキットを走りたくないでしょう。
ちなみにこのPorsche 997 turbo sは10年前の車両で、新車時からポルシェセンターで整備されてきたものです。
パワーは530馬力・トルク700N.m・・・。
現状このまま富士スピードウェイなどで走行できます。。
おそらくラップタイムは1分56秒ぐらいだと思います。991ターボSで1分52秒ぐらいでしょうか。
また深夜、思い立って東京から青森もしくは大阪ぐらいのグランドツーリングも気軽に行けますね。
こちらの車両、自動車事業部で販売中です♪
・・・工業製品は、、、思い込みじゃなく、内部状態はもちろん部品の寿命や
整備状況を踏まえ、正しいメンテナンスがされていれば、いつも本来の力や性能で応えてくれます。
10年、20年、30年節目で整備していくことは、壊さず状態良くながく聴く秘訣でしょうか。
さて、製造27番目のcello Encore 初期型の状態は?
このチェロ・アンコールは27番目に製造された初期ロットで部品なども丁寧に選択され、
特別に製造されていることがわかります。電源部も初期ならではの部品チョイスがされた個体。
過去に修理をしたことが一度もないため、左右CHの部品が揃っています…………
揃っていますが、既に8個ほどのコンデンサは容量ゼロです。電解液が蒸発しています。
でも基板は概ね綺麗です。
内部のコンストラクションはとても美しいもので、アクリル天板などを造りたい程です!
各回路にRIFAメタライズド・ポリプロピレン・フィルム コンデンサーがハンパなく投入されてますね。
しかもサイズも最近の小さいものじゃなく余裕があるサイズ。
しっかり整備して計測・調整すれば現役で活躍できる部品とコンストラクションだと思いますよ。
工業プロダクトの頂点の時期……これを今作ると?
280万円ほどのプロダクトになるでしょうか?どうでしょう・・・
表面実装パーツやICはない航空・軍事用部品も使用されたディスクリート回路。
現代プリアンプと比較してもとてもコスパが高い、と思いますね。
過去、、、何度も比較していますが、部品の良さがサウンドに出ています。
消耗部品などしっかり交換整備すると初期アンコールはエネルギッシュなサウンドになります!
これから整備に入ります。
Mark Levinson No.26L の現状。
こちらのマークレビンソンNo.26Lは過去に修理履歴が2回あるようです。
純正コンデンサ、国産コンデンサなどが複数使用されています。
こちらはフルオーバーホール整備を行う予定です。コストの兼ね合いもあると思いますが、
当時のcelloと設計思想が異なる部分が垣間見えますね。
No.26Lもしっかり整備すると熱いサウンドでその存在意義がわかると思います。
コストダウンを顧みずにいい部品を使って造られていた時代の
プロダクトは現代でも充分通用する魅力があり、
その性能を発揮させるのは使い手のセンス次第なのかもしれません。