PHILIPS/STUDER系業務用
CDプレーヤーボード付属の
cello AUDIO SUITE S.V.のオーバーホール整備。
めずらしいP201ボードがついたcello AUDIO SUITE S.V.|チェロ スイート プリアンプ
cello AUDIO SUITE S.V.プリアンプの過去、2回の修理跡・・・
チェロ・スイートは製造販売から30年以上経てきていますので1,2度修理がされた個体が入荷してきます。
修理跡を見ると容量が異なるコンデンサで間に合わせていたり、大容量コンデンサのみ未交換だったり、
ハンダ剥離があったり、回路がパスされたり、著しく片チャンネルの電子パーツが変わったりと………..
微妙な状況の機器も多かったりします。
それでも音は出ています。
今回のcello SUITE S.V.は2回修理をされていたようで、各ボードで交換コンデンサが国産へ変わっていました。
P201モジュールはTom ColangeloのVIOLAでチューニングされています。
入力は1MΩでS/Nやレンジが若干伸びた現代的な傾向があります。
当時のプライスリストではP201が693,000円(税込)、P301が1,054,000円(税込)でした。
音質的にはP200(10KΩ)の方は温度感が高く当時のcelloらしいものです。
じつは回路も解析しました^^ 回路や使用部品からどっちがどうと言えますがw
音楽に合わせて入力するモジュールを替える楽しさが面白いスイート。
P200は珍しいPHILIPS/STUDERをメインソースとした
プロCDプレーヤー用のボードです(他ライン機器も可能)。
元々「tape」モジュールを当時のcello社でプレイバック用デジタル機器へ合わせて製作されたモジュールです。
スタジオ等でのプレイバック用アウトプット機のような感じでしょうか。
P200の入力端子は、Fischer端子ではなく一般的なXLR端子が使用できます。
もちろんPHILIPSやSTUDER以外のデジタル機器やライン入力も可能です。
また一般的なRCA入力が可能なモジュールをも付属しています。
意外とこのストレートワイヤーな入力も魅力です。ETUDEのようなイメージに
P301アウトプットがある感じです。
下の入力ボードはP201ですが、P200とは、サウンドのちがいありますね~!おもしろいですネ。
同じコントロールアンプなのに異なる性格をもつ入力モジュールは面白いです!
しかも入力アンプの基板が凄いと思います。完全バランス回路で要所に劣化がないカップリングコンデンサ。
熱源でもあるトランジスタがあるのでこの近くのフィルムコンデンサの劣化が早くなりがちです。
全ボードで劣化コンデンサが2種類の国産コンデンサへ変更されていました。総計60個以上……..
マスターパワーサプライのコンデンサは未交換。
メインボリュームはガリ(酸化膜)が発生していたため分解整備。組み立てには微妙な”加減”があります。
“強すぎ”るとボリューム自体の寿命が減りますので気をつけてください!
何度も分解整備ができない事と、この加減でボリューム自体の寿命が決まります。
もう製造していないのでダメになると終わりです・・・・なので重要です
整備前にはわずか微妙に左右音圧差がありましたがビシッと左右音圧は合わせました。
P301ボードの国産パーツからの交換。現在製造されているもので、サウンドがマッチするものへ交換。
下記はP201 CDモジュールのTuned by VIOLA版ですが、cello AUDIO PALETTE MIVで
使用されていたパーツに変更されています。P200と音質が変わってくる部分でもあります。
最近、 Mark Levinsonプリアンプでもよく劣化があるリレー部品。こちらも要交換でした。
マスターパワーサプライの30年以上経たブロックコンデンサも新品へ交換しました。
充分な給電でダイナミズムが確実にアップします。電源部のコンデンサはプリアンプでも
ダムのようなものなので容量は重要です。cello AUDIO SUITE S.V.のようなプリアンプは特に重要です。
過去に入荷したcello AUDIO SUITE S.V.で交換してあった個体はありませんでした。
計測すると容量は半分程……..カタチだけ純正で設計者が規定した容量には未達ですね。
なので一聴は聴きやすい丸いナローなオト。。
全ボードのオーバーホールが済みとても美しい状態になったと思います。
上部天板がアクリルだと映えますね。
美しい基板に正しい部品が装着され、正しく整備されているものが美しい個体だと思います。
外側のフロント面、側板、リア面などの写真が綺麗だと言ったところで・・・どんな意味があるのかw
基本、美しい外観はマストだと思います。
波形も綺麗で美しい!
さあ、聴いてみよう!cello AUDIO SUITE S.V.
ケーブルはcelloストリングスとMLASスピーカーケーブルで配線。パワーアンプはcello PERFORMANCEとcello Encore150 mono、cello AUDIO PALETTEも。
まずシンプルにcello AUDIO SUITE S.V.の左右バランス、見通しが良くなりましたよ。
まだまだ部品のエージングが必要ですが、なにか丸っこいバランスの悪さがなくなりました。
エネルギー充満度が高くなりましたね。
大袈裟なシステムになってしまってますが、、、
cello AUDIO SUITE S.V.⇒cello AUDIO PALETTE⇒cello AUDIO PERFORMANCE⇒B&W MATRIX 800
シンプルにcello AUDIO SUITE S.V.⇒cello Encore150 mono。
cello Encore150 monoは販売済の個体ですがお客様のご厚意で置かせて頂いています^^
このアンコール150…….前にも書きましたが恐ろしいほどの暗騒音。
低域側のドライバビリティがすごい個体。。
そして、パラメトリックイコライザーをプリアンプとした、
cello AUDIO PALETTE⇒cello AUDIO PERFORMANCEというセット。
この中にFM ACOUSTICS FM245 を入れても面白いかもしれませんね。
過去に一番耳に残ったセットがFM ACOUSTICSとcello AUDIO PALETTEのセットでした。
各簡易レビューは時間がある時に^^
cello AUDIO SUITE S.V. PHILIPS/STUDER 入力ボード付属版 OH整備【1】⇒