2020.12 とても希少なcello AUDIO PALETTEの
オーバーホール整備。Now for Sale!
世界的にも希少なcello AUDIO PALETTE
チェロパレットのマルチ・アウトプット・ヴァージョン【2020.12更新】
cello AUDIO PALETTE”MOV”マルチ・アウトプット・ヴァージョン
先月入荷したcello AUDIO PALETTE|チェロ・オーディオ・パレットは国内で
新品で購入されたパレットでしたが、見たことのないヴァージョン。
チェロをよく知る技術者(年間50台ほど整備してます^^)も初めてみる個体だったようです。
通常のcello AUDIO PALETTEは下記写真のようなリアパネルです。
Fischerシングル入力とシングルアウトプットのパラメトリックイコライザー。
取扱説明書にはシングル入力のラインプリアンプという活用方法の記載もあります。
cello AUDIO PALETTE MIVは下記のようにマルチインプット、
マルチアウトプットバージョンの”M.I.V.”プリアンプとなります。
ユーティリティとセールスを考えたアイテムとなります。
パレットとパレットMIVはシリアル番号でおおよそモデルチェンジ時期がわかります。
今回入荷した個体は特別オーダーだったのか?MIVに変わった時期に製造された、
cello AUDIO PALETTEでした。
MIVのINPUT切替え部がなくなりバランスのダミーとなり、中身はMIVというもので
ある意味では最強のパレットと言えるかもしれません。
入力をシングルとする事で音楽信号への潔癖さを予感します^^
アウトプットが2系統接続可能なのでパワーアンプが2系統、
バイアンプなどが可能という事になります。
私的にはcello AUDIO PALETTEはcello AUDIO SUITEとペアで完結します。
cello AUDIO PALETTEの内部状況
下記がcello AUDIO PALETTEの内部状況です。とてもミントな状態を保った個体です。
昨年整備(2019)がされているので美しい状況です。昨今では時間経過から半田剥離などが出てくる
個体もありますし、国産パーツになっている部分もあるので、オーバーホール整備を行います。
しっかり見たとしても剥離する場合もあります・・・
本体電源部・制御基板も良い状況ですが、国産オーディオグレードのコンデンサを交換します。
わかりずらいですが上の写真の右から2番目がINPUT部:バランスへ変更されている部分です。
メインボリュームも問題ありませんでしたが分解整備しました。
Master Power Supplyの基板も綺麗です。整備前に若干トランスの唸りが
ありましたがほぼ消えました。
ちなみに代理店ステッカーがありませんが100V・50/60Hz動作となります。
下記はcello AUDIO PALETTEで交換したコンデンサとなります。
左側の大きな2本はパレット本体側でギリギリです・・・
本体内部で液漏れしなくて良かったと思います。
右側はMaster Power Supplyですが容量が足りていても即変更します。。
cello AUDIO PALETTEを使用される方は絶対に重ねたり(特に上部)、
狭いラック内に入れては駄目です。
放熱できずに内部部品の劣化を早めます。長期間そうした個体は下記のような劣化を促します。
A級動作のアンプ回路が複数台分が入っている事をお考えください。
cello製品の多くははじめに天板に放熱板はありませんでしたが、
モデルチェンジを行ったモデルには放熱孔が設けられています。
こうしたプロダクトは・・・今、たまたまユーザーであるご自分が使用しているに過ぎません。
夏場などエアコンを入れていても、ラック内に入れて電源ONする際は、
必ず冷却ファンを回していますが、内部基板、電子部品から出る熱は筐体に伝わり、
空気中に放熱します。筐体が熱くなると放熱できずに蓄熱し、部品劣化を早めます。
場合によってはコンデンサが膨らみ液漏れし基板に浸透し修復できなくなる個体もあります。
短期間であればそう問題ありませんが、数年になってくると、個体差が出てきます。
先週、Audio Dripper甲府ANNEXではスピーカー以外は
celloリファレンスシリーズのフルシステムでデモしていました。
レストアしたcello R-DACやオーバーホールしたcello AUDIO PALETTE(2台)、
cello AUDIO SUITE(P301モノラル仕様)、cello AUDIO PERFORMANCE、
cello AUDIO PERFORMANCE MK2(オーバーホール)など。。。
システムをフルラインのcelloにした時のプレゼンス感は130m2の広さでも狭く感じるような
サウンド密度感でした。ふつうならスピーカー感に”すき間”が出たり”薄まる”のが普通です。
横幅約十数メートルの空間で音の密度を高める事ができていくと、
極めてリアルなサウンドプレジャーが出現します!
この時、音量は出しません。普段より低いと感じる音量でも
空気体積をドライブさせている事を意識します。
スピーカーのからのフォーカスを含めてロスがあると粗密になります。
音量を出さなくても濃厚なリアルサイズなサウンドステージが体感できます。
ある意味では異様なエネルギー感が必要と言えます。。
このシステムにDACとして、レストアし、ある”調整”をしたcello R-DACをインストールした時は
特に”圧”があるものでcello AUDIO PALETTEの効果が存分に発揮できたと思います。
パレットのパラメトリックイコライザー25KHzでエア感をアップし、
15Hzと500Hzを積極的にルームアコースティック目線でコントロールします。
ちなみにこのコントロールは全てA級ディスクリート回路を音楽信号が通過していきます。
左右独立のインプットゲイン調整なども含めて・・・
cello AUDIO PALETTEはパワーアンプ・ドライバーの側面もあるので、
相性がいいプリアンプと組み合わせる事で異なる世界も体験できますね!
・・・視聴ルームでは土足厳禁のタイルカーペット床に直置きだから
もっと適切なセットをすると、もっと精緻で、凄みを感じさせる
サウンドになる事は想像できるかな、と思います。