STUDER A727 SP
現存するA727に限らず、
ラックマウント系CDM1最高峰のマシン、かな?!
CDM1のフルOHから電源部の製作、クロックUP機内蔵などのフルチューンドA727
『ここまでやって純正と変わりませんか?』
めちゃ変わってます。STUDER A727はここでは「素材」になっていまして、PHILIPS CDM1ドライブメカのピックアップ能力と筐体を極力活かした内容のマシン。クロック系は基板&電源部を内部に搭載しました。本体電源部も作り替えました。
上の写真を見て驚く方は基板にどうやって付いていたか、当時のIC部品から現行部品を追う大変さがわかると思いますが、僕が言うのもヘンですが凄まじいです。またレストア環境の計測機は下手な代理店やメーカーを軽く上回っていまして、その計測機をレストアする事が趣味の技術者がこのA727やMark Levinsonのレストアを行っています。
外側はロータス・ヨーロッパですが中身はBDR(4スロ)という代物。ナロー930にGT2みたいな感じ
レガシーモデルではないですが、A727のやれた電解コンデンサーをすべて交換し55個のダイオード、41個のトランジスタを交換したモンスター機。TDA1541Aという極めてオーソドックスながらタフなマシン。合計250程のパーツを交換したレーシングスペック。電源部は回路を設計し直しています。オシロスコープはレストア済みのAudio Analyzerで何度も調整。アイパターンも同様。
製造から既に30年……..申し訳ないが、純正とは世界がちがうんですね。
光りも闇も、コードの流れの全てを掬い取るためにやりたい放題のCDプレーヤーがこのA727。もちろん半導体部品は純正に準じたSTUDER純正や欧州製パーツです。ですが、出てくるサウンドは純正とはちょっとちがいまして、PHILIPS CD12やCD9Proが搭載された200~300万円クラスと比較できると思います。STUDER A727やLHH2000、EMT981系、A730などのCDプレーヤーをアナライズし、独ツァイスレンズを磨き組み上げる技術者の精魂の賜物………..こういう仕事がなされた機械を聴くと本当に頭が下がる思いです。
深夜の小さな音量でもマーラー4番 第一楽章がデプスをもって典雅に各楽器、演奏者の位置関係や高さが把握でき、溢れるようなダイナミズムがあるデジタルプレーヤー。私が知覚する空間のすべてが音楽で満ちている感覚は久しぶりの事。この記事を書いているのはAM 25:13。プリアンプはcello 1MΩ LINE(未レストア)。
交換部品をすべて綺麗に並べて書いた方がおもしろいかもしれません。
現在組みあがった段階で、サウンドをヒアリングしてこれから1か月程かけて調整をしていきます。このSTUDER A727は既にご予約済みなのでこういうページは書く必要はないのですが、出音に軽い興奮^^
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最近、STUDER系に限らず『ここまでやって純正と変わりませんか?』
と聞かれる方には、ごく普通の修理品がおすすめです、とお答えしています。
それが、いいです。